パンチ工業は、宇宙技術ベンチャーのダイモンと技術パートナー契約を更新した。月面探査プロジェクト「Project YAOKI」への参画を継続し、2027年度後半に予定される次期ミッションに向けて協力体制を強化する。
両社は2023年に初めて技術パートナー契約を締結し、2025年に実施された「Project YAOKI 1(PY-1)」に参画。パンチ工業は3D計測技術を用いて、月面探査車「YAOKI」と輸送ケース(デプロイヤー)との隙間や弾性材の厚さを測定し、輸送時の振動による故障防止と着陸後の放出機構の最適化に貢献した。
PY-1では米宇宙企業の着陸船の姿勢異常により、YAOKIはケースから放出されなかったものの、デプロイヤー内部から月面撮影を行いデータ送信に成功するなど、予定されていた機能の遠隔操作に成功した。
2026年5月からの新契約では、従来の3D計測データの提供に加え、YAOKI本体に装着する金属部品や熱可塑性樹脂部品の開発・加工にもパンチ工業が参画する。さらに、月面環境を模した極高真空やレゴリス(微粒砂)条件下での走行実験も共同で実施し、技術協力の範囲を拡大する。
次期ミッション「Project YAOKI 2(PY-2)」では、改良型YAOKIを2機月面へ輸送し、月面走行や接写画像の取得を通じて資源探査などを目指す計画だ。YAOKIは重量約500グラムの超軽量ロボットで、月面輸送コストが1キログラムあたり約1億円とされる宇宙開発において、軽量化技術の重要性が高まっている。
パンチ工業は精密金属加工技術を強みに、2016年から航空宇宙分野への参入を重点課題として掲げてきた。今回の連携を通じ、宇宙産業で培った技術を既存事業や新規事業にも活用していく方針としている。



