山梨県北杜市は、食品メーカーのはくばく、コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンと連携し、市内小学生のアイデアを生かした「食育おにぎり」を開発するプロジェクトを始めた。食育授業と商品開発を結びつけ、健康的な食生活を地域で実践する取り組みで、山梨・長野県内の店舗で2026年度内の発売を目指す。
同プロジェクトは、北杜市とはくばくが進めてきた「おこめプラス・健康プロジェクト」の一環。ここに流通の実行力を持つセブン-イレブン・ジャパンが加わり、行政・企業・小売の3者協働で食育を社会に広げる取り組みとして発展させる。
北杜市では2009年に「おはよう朝ごはん宣言」を掲げ、朝食摂取の啓発を進めてきた。共働き世帯の増加やタイムパフォーマンス重視の生活様式が広がる中、単に朝食を食べる「量」の確保だけでなく、栄養バランスなど「質」を高める食習慣づくりが課題となっていた。
プロジェクトでは、市内小学校で食育授業を実施し、子どもたちが朝食の重要性や大麦(もち麦)の栄養について学ぶ。その学習をもとに児童がアイデアを出し合い、商品コンセプトを選定。最終的な商品はセブン-イレブン・ジャパンが開発し、山梨・長野県内の計662店舗で販売する予定だ。
商品には食物繊維が豊富な大麦を使用する。大麦は白米に比べて食物繊維が多く、朝食で摂取すると昼食後の血糖値上昇を抑える「セカンドミール効果」が期待される。手軽なおにぎりという形で栄養価の高い主食を提供することで、忙しい家庭でも健康的な朝食を取り入れやすくする狙いがある。
北杜市の大柴邦彦市長は「子どもたちが考えた商品をきっかけに、家族全体の食生活が自然と整う行動変容を生み出したい」と述べ、国が進める食育政策の先行モデルとして「健康都市モデル」の構築を目指す考えを示した。
政府は2026年度から第5次食育推進基本計画を開始する予定で、若い世代への食育の強化や持続可能な食環境づくりが柱となる。今回の取り組みは、こうした国の方針を先取りした地域モデルとして位置付けられている。



