コロナ禍のストレス増加で喫煙量18%増、受動喫煙34%増 国立がんセンター調査

 5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」だ。国立がん研究センターは31日、新型コロナウイルスの感染拡大のによる外出自粛や在宅勤務の影響についての調査結果を発表した。喫煙者でたばこを吸う量が増えた人が18・0%、たばこを吸う同居人からの受動喫煙が増えた人が33・7%だった。

 国立がん研究センターは今年3月、20歳以上の喫煙者と非喫煙者1000人ずつを対象にインターネットでアンケートを行った。

 喫煙者に対して在宅勤務や外出の自粛などで喫煙の量が変化したかを尋ねたところ、増えた人が18・0%で、減った人は11・4%、変わらない人は69・6%。喫煙量増加の理由で最も多かったのが
「感染リスクの増大や、生活や環境の変化に伴うストレスの増加」49・4%で、続いて「職場は禁煙だが自宅は制約がない」が33・9%だった。

 同居人からの受動喫煙に関する質問では、同居人の喫煙の有無にかかわらず、回答が得られた吸わない人818人のうち「受動喫煙が増えている」と答えたのは10・6%だったが、喫煙する同居人がいる人に限ると33・7%に上った。

 マスクを外す機会のある屋内外の喫煙所では感染が拡大しやすいと考える人は全体の59・4%で、喫煙所の閉鎖に賛成する人は58・3%いた。

 喫煙者はコロナに感染した際の重症化や死亡のリスクが高いことが示されている。国立がん研究センターは「コロナ禍で受動喫煙が増えた人が相当程度いることがうかがえる。喫煙は、新型コロナウイルスの重症化リスクを高めるおそれがあることを啓発し、禁煙を促していきたい」としている。

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