国立教育政策研究所は10月16日、「諸外国の教育政策におけるウェルビーイングの位置付けに関する調査研究」の中間報告を公表した。日本を含む11か国・地域を対象に、政策上の位置付け、教育施策、調査・行政データの活用を比較した。
報告は、イギリス、カナダ・オンタリオ州、オーストラリア、ニュージーランド、フィンランド、シンガポールを、ウェルビーイングを主要な教育成果として明示する「教育目的型」に分類した。日本は、教育政策全体の理念や方向性として位置付ける「政策理念型」とされた。
対象としたすべての国・地域で、何らかの関連施策が実施されていた。共通する特徴として、安全性、包摂性、尊重、生徒の意見反映などの学校風土を重視している点を挙げた。特定の授業や個別支援だけでなく、教育課程、学校運営、教職員の協働、生徒参加、保護者・地域との連携を結び付ける「学校全体アプローチ」も確認された。
データ活用は、行政機関が政策形成や評価に使う「政策改善型」と、学校が教育活動や運営改善に使う「学校改善型」に整理した。一方、個人や学校への過度な監視、学校間比較への転用には注意が必要だとしている。
学習塾でも、成績や出席率だけでなく、学習への所属感、安心して質問できる環境、生徒と講師の関係を運営指標として捉える視点が参考になる。ただし、数値化そのものを目的とせず、教室改善や必要な支援に還元する設計が重要となる。



