オトバンク、「耳の図書館プロジェクト」始動 オーディオブックで読書バリアフリー推進

 日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営するオトバンクは5月15日、視覚障害者や経済的事情で学習機会が限られる子どもたちにオーディオブックを届ける「耳の図書館プロジェクト」を開始すると発表した。

 企業のCSR(社会貢献)・サステナビリティ活動と連携し、「読書の自由」を広げることを目指す取り組みで、オーディオブックを通じた読書バリアフリーや教育格差解消を推進する。

 「耳の図書館プロジェクト」は、参画企業からの支援金を活用し、オトバンクが特別価格でオーディオブック利用権を提供する共同プロジェクト。障害者団体やNPOなどを通じて、視覚障害者やディスレクシア(読み書き障害)のある人、経済的理由で学習環境が限られる子どもたちに配布される。

 利用者には、1年間オーディオブックを自由に楽しめる「耳の図書館」利用権が付与され、学習や読書体験に活用してもらう。

 現在の支援パートナーには、障害者支援サービスを展開するミライロや、ディスレクシア支援に取り組むNPO EDGEが参加している。

 プロジェクト立ち上げの背景には、教育格差や情報アクセス格差の深刻化がある。

 厚生労働省の調査では、日本の17歳以下の子どもの貧困率は11.5%に達し、約9人に1人が貧困状態にあるとされる。また、世帯年収によって学校外教育費に約4倍の差があるとのデータもあり、経済状況が学習機会に直結している現状が浮き彫りとなっている。

 一方、視覚障害者や読書困難者にとっても、紙の本中心の情報環境は大きな壁となっている。2019年には読書バリアフリー法が施行されたものの、読書環境の整備は依然として課題が残る。

 オトバンクは、オーディオブックによって「読書=文字を目で追うもの」という固定観念を変えたいとしている。

 プロジェクトでは、視力低下や身体的理由で読書が難しい人でも耳から読書体験を得られるほか、「本が読めない」という心理的負担を軽減し、自己肯定感や学習意欲向上にもつなげたい考えだ。

 また、学びや知識へのアクセス拡大を通じて、進学や就労機会の拡充、社会参加促進にも寄与するとしている。

みんなが私塾界!