全国学力調査、都道府県別の学力差は狭い範囲 低SES層とICT活用も分析

 文部科学省と国立教育政策研究所は9月30日、2026年度全国学力・学習状況調査の都道府県・指定都市別分析結果を公表した。公立学校の結果を分析したところ、全教科で地域別の平均正答率・スコアの分布は全国的な傾向と大きな差がなく、都道府県間のばらつきも狭い範囲に収まった。過年度と比べても、ばらつきに大きな変化はなかったとしている。

 調査は4月20日~5月29日、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した。小学校は国語と算数、中学校は国語、数学、英語を調査した。中学校英語は「聞く・読む・書く・話す」の4技能を全面的にCBT化し、IRT(項目反応理論)に基づくスコアで結果を示した。

 今回の分析では、平均値だけでなく、正答数やIRTバンド別の児童生徒の分布も掲載した。各地域の学力上位層・下位層の割合を把握できるようにし、自治体間の単純な順位付けから、学力分布や学習環境を含む多面的な分析へ転換している。

 家庭にある本の冊数を社会経済的背景(SES)の代替指標とした分析では、蔵書が0~25冊の低SES層ほど、各教科の正答率やスコアが低い傾向が確認された。一方、低SES層でも学力下位層が少ない、または平均スコアが高い都道府県では、児童生徒がICT活用への自信について肯定的に回答する傾向がみられた。ただし、今回の結果は両者の因果関係を示すものではない。

 学習塾にとっても、地域の平均正答率だけでなく、学力下位層の割合や学習環境、デジタル活用状況を組み合わせて指導課題を捉える必要性を示す資料となる。各都道府県・指定都市の個別結果資料は10月2日に公開される予定で、地域ごとの指導課題や特徴を確認する材料となりそうだ。

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