スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日、2026年のノーベル化学賞を東京理科大学名誉教授の硤合憲三(そあいけんそう)氏と、フランス・パリ南大学名誉教授のアンリ・カガン氏に授与すると発表した。授賞理由は「不斉有機合成における非線形効果および自己触媒作用の発見」である。
硤合氏は、化学反応で生じた生成物そのものが触媒として働き、同じ構造の生成物を増やしていく反応を研究した。1995年に独自の「硤合反応」を発表し、2003年には鏡像関係にある分子の一方を自己触媒的に増幅させることに成功した。医薬品などでは、鏡像関係にある分子の違いが作用や副作用に影響することがあり、分子を選択的に作り分ける技術は重要な研究領域となっている。
今回の受賞は、成果が直ちに見えにくい基礎研究を大学が長期にわたって支える意義を改めて示した。中学校・高校の化学や探究学習でも、教科書の知識が世界的な研究成果や医薬品開発へどのようにつながるかを考える題材となる。理系進路や研究職を生徒に伝える際にも活用できるニュースである。



