Category: 塾ニュース

保育所・児童手当ネット申請、来夏可能に

政府は2017年夏から、インターネットで保育所の申し込みや児童手当の申請手続きを済ませられるサービスを始める。マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」を活用し、申請を受け付ける地方自治体に利用者の情報が届くようにする。全国の自治体の参加を促すため導入費補助も検討する。共働きの女性などの負担を少しでも減らし、子育てしやすい環境を整える。マイナポータルは17年1月に運用を始める予定だったが、同年7月に遅れる見通し。運用開始にあわせて保育所の申し込み、児童手当の申請ができるページを設ける。

大阪府立高再編18年度に 分校復活

大阪府の教育委員会議が9月5日開かれ、入学志願者の減少で定員割れが続く府立高校の再編整備方針が固まった。2018年度から西淀川高は北淀高と統合して新校を開設、能勢高は豊中高の分校とする。府内で分校が復活するのは19年ぶりとなる。大阪市大正区にあり近接する大正、泉尾の両校も統合し、総合学科高校として開校する。府議会の議決などを経て、11月に正式決定する。

 府立学校条例では、3年連続で定員割れすると統廃合など再編の対象になる。西淀川高は今春で募集を停止した。北淀高と統合する新校は、北淀高の校舎を使用。小中学校の学習内容の学び直しに取り組み、生徒の学習意欲を引き出す「エンパワメントスクール」にする。西淀川高の跡地利用の方法は今後検討するという。

公立校教員10年で3万人増 文科省計画

文部科学省は8月25日、2017年度からの10年間で公立小中学校の教職員定数を約3万人増やすとする中期計画をまとめた。障害のある子供や外国人らが増える現場の課題に対応し、安定的に指導できる体制を目指す。公立小中学校の教職員定数は子供の数に応じて決まる「基礎定数」と、課題に対応するために配分する「加配定数」で決まる。文科省は現在加配定数になっている通級指導の教員と、外国人を指導する教員について基礎定数に組み替える方針。来年度予算の概算要求ではそれぞれ890人、190人の増員を求める。

東京理科大跡地を「教育センター」に 久喜市方針

東京理科大学経営学部の全面移転に伴い、久喜市に譲渡された久喜キャンパス跡地(同市下清久)の活用方針がまとまった。乳幼児段階からの子育て支援や生涯学習センターを備え、福祉の分野を結びつけた「一大教育センター」とする計画で市は意見公募を始めた。跡地は約5万3千平方メートルで、校舎など6棟も譲り受けた。大学側の帳簿価格は土地と建物で計50・4億円。大学から寄付された1億円は「東京理科大学教育振興基金」として積み立てる。

概算要求101兆円台に 17年度予算

国の2017年度予算(一般会計)で、各省庁の概算要求の総額が101兆円台になる見通しとなった。金利低下で借金の利払い負担が軽くなるのをのぞくと、過去最大だった16年度の要求総額(102兆4099億円)に匹敵する。国土交通省が要求する公共事業費は、3年連続で6兆円を超える。要求総額が前年を下回るのは、国債の償還や利払いにかかる費用が24兆6千億円と、前年より1兆5千億円ほど負担が軽くなるとみているためだ。前年は要求段階で金利を年2.0%として計算したが、今年は要求段階で1.6%に引き下げたことなどが影響する。

島根大、介護向けLED照明

島根大学は発光ダイオード(LED)照明製造のDoライト(島根県出雲市)、パソコン製造の島根富士通(同)と共同で、看護・介護用のLED照明を開発した。ライトはお辞儀した姿勢を2秒間保持することで点灯する。看護師らの頭部に装着することで手が自由に使えるようになるほか、暗い病室で必要な部分だけを照らして他の患者の迷惑にならないようにする。2017年春の発売を目指す。価格は1万5000円程度を想定。

司法試験合格 大幅減1583人  予備試験組は最多

法務省は9月6日、2016年の司法試験に1583人が合格したと発表した。昨年より267人減り、現行制度の試験では、初年の06年を除き最低。合格率は22.9%だった。法科大学院を修了しなくても受験資格が得られる「予備試験」経由の合格者は235人で前年より49人増え、過去最多を更新した。受験回数の制限が昨年「5年で3回」から「同5回」に緩和されたが、受験者は6899人と前年に比べ1117人減と落ち込んだ。法曹人口拡大で「弁護士余り」の状況が続き、特に若手の収入が減っていることなどが敬遠されているとみられる。

留学先の橋梁建設プロジェクトで契約社員になった学生も 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」報告会で留学した学生らが現地での取り組みを発表

官民協働海外留学支援制度の「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」(以下「トビタテ!」)は9月3日、第2回 留学成果報告会を東洋大学白山キャンパスにて開催した。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

この報告会には「トビタテ!」に参加した大学生136名、高校生10名の合計146名が出席。午前中は同制度で留学した学生全員によるプレゼンテーションがあり、それぞれ留学経験や現地での取り組みを発表した。午後には、その学生たちと来場者が直接意見交換できるポスターセッションの場が設けられ、プレゼンデーションでは話しきれなかったウラ話や、留学を経験して見えてきたことについて同制度の支援企業や関係者らと活発に議論をしていた。
ポスターセッションが終わると、会場を井上円了ホールに移し、午前中のプレゼンテーションを受けて審査員から選ばれた9人の学生が「代表派遣留学生プレゼンテーション」をした。9人の発表は「留学を通じた成長」「今後の期待」「伝え方」などから総合的に評価され、最優秀賞、優秀賞、優良賞が選出された。

そして見事、最優秀賞に輝いたのは「理系、複合・融合系人材コース」に参加した大阪市立大学大学院工学研究科修士2年の儀賀大己(ぎがだいき)さん。儀賀さんはトルコのイズミット湾横断橋建設プロジェクトにインターン生として参加。はじめは、現地の人たちとの文化の違いや信頼を得られないことに悩んだが、積極的に仕事に取り組んだことで徐々に信頼関係が生まれ、最終的にはインターン生から契約社員に昇格。ゆくゆくはこの経験を活かし、途上国にノウハウを伝授していきたいという。表彰を受けた儀賀さんは、「光栄な賞をもらえて嬉しい。留学中は大変だったが頑張ってよかった」と受賞の喜びを語った。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

優秀賞を受賞したのは「新興国コース」に参加した、広島大学大学院教育学研究科修士課程2年の伊達文香(だてふみか)さん。伊達さんは自分の好きな洋服で途上国の女性の自立をサポートしたいとインドへ留学。ファッションショーを開催し、参加者200人を集めるなど大成功を収めた。今後はオリジナルの洋服をインドで制作・販売するビジネスを立ち上げたいとのこと。「これからがスタート。この賞を励みに明日から頑張っていきたい」と今後の抱負を語った。

審査員の一人、ソフトバンクグループの青野史寛執行役員は「146名それぞれにストーリーがあった。審査は難航したが儀賀さんは留学先で信頼を勝ち取ったこと、伊達さんは留学経験を次につなげようとしていることが素晴らしかった。今後はトビタテ!の仕組みが日本を変える仕組みになるのではないかと思う」と講評した。学生たちの一体感が印象的だった報告会は、大盛況のうちに幕を閉じた。

保育所・幼稚園「第2子から無料」広がる 自治体が独自制度

兵庫県明石市は9月から、世帯の所得を問わず第2子以降の認可保育所や幼稚園などの料金を無償化した。秋田市は今年4月2日以降に生まれた第2子以降について、認可保育所や認定こども園、幼稚園を無料にした。世帯の納税額や第1子の年齢などに条件がある。香川県坂出市は第1子が保育所や幼稚園に通っている場合、所得に関係なく第2子の保育所や幼稚園の料金を無料にした。岡山県備前市は第1子から所得を問わず保育所や認定こども園、公立幼稚園を無償化した。

 国は条件付きで第2子の料金を半額、第3子以降を無料にしているが、さらに支援を手厚くする。若い世代が子育てしながら働きやすい環境を整えることで、人口減に歯止めをかけ、地域を活性化させる狙いだ。

第4回アクティブ・ラーニングフォーラム開催 ゲストとして下村博文元文科相が登壇

一般社団法人アクティブ・ラーニング協会と立正大学が共催する「第4回アクティブ・ラーニングフォーラム(全国教職員研修会)」が8月26日、東京都品川区の立正大学 品川キャンパス内で開かれた。全国の小・中・高校、専門学校・短大・大学の教員約300人が出席した。次期学習指導要領改訂に向け教育現場の関心の高さがうかがえる。

下村博文元文科相

下村博文元文科相

下村博文元文科相がゲストとして登壇し、アクティブ・ラーニング(AL)の重要性や海外に比べ日本のALはまだ成長できる。子どもが意欲を持って授業に取り込める工夫や努力して、日本の教育全体に大きく発信していけるよう応援したいとあいさつした。

子供達に近い教育現場からは、茨城県立並木中等教育学校の中島博司校長と、静岡県立韮山高校の鈴木映司教諭が発表した。

中島校長は自ら考案した「AL指数」や「R80」などの理論を解説し、「ALか講義かという二項対立ではなく、ハイブリッド型の授業がいい。私が理想と考えるのはAL指数20、つまりAL化は授業の学習活動のうち2割」と説明し、授業終わりに80文字以内で学んだ事を書く事。前半40文字、後半40文字でまとめ、前半と後半の間に接続詞を入れる「R80」の説明も行った。
鈴木教諭は、授業支援アプリを活用した、地理の授業を紹介した。

有識者として、上越教育大学教職大学院の西川純教授、東京学芸大学の森本康彦准教授が登壇。

西川教授は「ALだから成績が上がる」、「子どもが分からないと言っているときは、わからない単語が出てきた時に起こる。小学生が容積、代金、など難しい用語を日常的に使わないが問題文には使っている。そこでつまづく」と原因を説明。「子どもがみんなで勉強を分かろうとする文化を作るべき」と、アクティブラーニングの重要性を強調した。
森本准教授は「eポートフォリオ/学習記録データを活用したALと学習評価」について語った。