Category: 塾ニュース

都立高「バカロレア」入試 合格外国人、定員に満たず

4月27日付け日本経済新聞の教育面に面白いコラムを見つけた。見出しが「都立高『バカロレア』入試 合格外国人、定員に満たず」とある。何のことかとあっけにとられたが、読んで見みると納得できた。

 東京都立国際高校が設置した国際バカロレアコースの募集人員は、日本人生徒15人、外国人生徒5人の計20人。日本人生徒66人、外国人生徒22人の計88人が応募した。選考は、英語運用能力検査、数学の学力検査、小論文、個人面接、集団討論などハイレベルな内容だったが、外国人生徒の合格者が4人で、募集人員の5人に満たなかった。

 応募した外国人生徒22人の中に、「履修に必要な能力などに基づいて適切な基準を定め」「これに達しているものの中から合格者を決め」「一つでも基準に達しない場合は選考の対象としない」という規定があり、この基準をクリアできたものが4人しかいなかったと考えられる。その分を日本人生徒で埋めたため、日本人合格者は16人と募集人員より1人多くなった。

 コラムニストは末尾を、「定員内不合格」というこれまでの都立高校ではありえない結果は、今後、議論を呼びそうだ、とまとめた。冒頭は「今年の東京都内の高校入試で最も注目されたのは、東京都立国際高校が設置した国際バカロレアコースの募集だろう」とある。特殊な国際バカロレアの外国人枠の特殊な規定、多分、議論は起こらないと思うのが一般的では?

高校生、スマホ1日2時間半

内閣府が昨年11~12月、10~17歳の子供約3400人と保護者にスマートフォン(スマホ)を使ったインターネットの1日平均利用時間を尋ねたところ、高校生が約155分だったことが分かった。小学生が約63分、中学生が約123分だった。子供が安全にスマホを利用するため、どんな取り組みをしているか保護者に複数回答で尋ねると、「フィルタリングを使っている」が43%、「普段の会話などの中でネットの利用状況を把握している」が34%、「大人の目の届く範囲で使わせている」が26%となった。

読書好きは国語力が高いってホント? 「ことばの学校」体験型セミナーで見た導入塾の実態に迫る

ことばの学校を受講する生徒たち読書は、国語力を伸ばすのはもちろん、たくさんの語彙を習得して思考力を高めるためにもとても大切なことだ。しかし、スマホやテレビゲームなどの誘惑が多く、子供たちの読書量は減少している。では、どうすれば子供たちが読書をするようになるのだろうか? その解決方法のひとつとなるのが、株式会社理究によって開発・提供されている学習システム「ことばの学校」だ。

その特徴は、「良書多読」「速聴読」「読書ワーク(語彙)」「読書ワーク(読解力)」「読書指数診断」の5つのメソッドで構成された「読むとくメソッド」というプログラムにある。

読書指数診断

読書指数診断

まず、名作や入試問題によく出題される作品などの「良書」が、学齢に合わせリスト分けして提供されるため、選書に迷うことなく多読できるようになっている(「良書多読」)。また、パソコンを使い、その「良書」を朗読音声で聞きながら読むことにより、集中して読書ができるようになっているだけでなく、朗読音声のスピードも上げることができ、同時に読書スピードを上げる訓練もできるようになっている。そして、音声はおよそ30ページ(約20分)ごとに区切られているため、無理なく、また集中力が散漫になることなく読み進めることができ、自分のペースで楽しみながら読書速度を高めていけるよう工夫されている(「速聴読」)。そして、読書の前後に語彙や読解力の確認を行い(「読書ワーク」)、培われた「語彙力」と「読書速度」を、「読書指数診断」で客観的な国語力として測定できる。

このように「ことばの学校」は、読書をすることにとどまらず、読んだ本の中から自然に語彙や言葉の運用法を身につけることができ、読解力を自然に高められるように設計されている。

「ことばの学校」は、小学校入学前から中学生まで3つのコースが用意されている。段階に合わせ、読書を通した学習ができるためカリキュラムにも組み込みやすい。

あざみ野個別学習塾で開催された「ことばの学校」体験型セミナーの様子

あざみ野個別学習塾(横浜市青葉区)の野田和孝塾長によると「小学生に入塾してもらうきっかけになった」といい、保護者からも「子供が家で読書をするようになった」と喜ばれているという。

5月8日に体験型セミナーがおこなわれる国語道場(千葉市稲毛区)では、国語以外の教科も指導しているが、国語力がすべての学力に通じるという考えから「ことばの学校」を導入し、それに合わせ塾名も変えた。これにより、塾長の教育理念をしっかりと伝えることができるようになり、「ことばの学校」を軸に近隣の塾とも明確な差別化を図ることができた。

また、公立中高一貫校をはじめとして、今後増えていくとみられる適性検査型入試にも対応できるのも「ことばの学校」の強みだ。5月20日のセミナー会場となっている自由塾町屋教室(東京・荒川区)では、その特色を生かし、新規開校のメインコンテンツとして導入した。

「ことばの学校」を塾経営にどう活かしているか実際に現場で体験し、経営者同士で情報交換もできる体験型セミナーは5月〜6月にかけて随時開催されている。「読書感想文対策講座」など、夏休みに向けた新たな講座立ち上げにも参考となる。各会場3組まで、と限られた人数で開催される「ことばの学校」体験型セミナーの詳細と申し込みはことばの学校専用サイトへ。

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ローソン、地下鉄駅構内に 3年で50店

ローソンは東京メトロと提携し、駅構内にコンビニエンスストアを出店する。まず今後3年で約50店を「ローソン」に転換する。東京メトロ子会社のメトロコマース(東京・台東)とローソンがフランチャイズチェーン(FC)契約を結ぶ。9月をめどに駅構内の売店「メトロス」を順次ローソンに切り替え、売れ筋のおにぎりやサンドイッチ、デザートなど600品目を取り扱う。。メトロスは現在140店。3年間で50店をローソンに変え、残りの90店の転換も検討する。ローソンの駅ナカの店舗数は東京急行電鉄など現在は約60店にとどまる。

外国人の児童生徒、日本語未熟 2.9万人 文科省調査

文部科学省の調査で4月24日、日本語の能力が低く、日常生活や学習活動に支障がある外国人の児童生徒が、2014年度(5月1日時点)には全国の公立小中高校などに過去最多の2万9198人在籍したことが分かった。文科省の学校基本調査によると、14年度に全国の公立学校に在籍した外国人の児童生徒は7万3289人。このうち約4割が日本語指導の支援を必要としていた。外国人が多く暮らす自治体は子供たちへの支援に取り組んでいるが、一人ひとりの能力に対応できる人材の不足が課題となっている。

宇都宮大に新学部「地域デザイン科学部」

宇都宮大は4月22日、2016年4月の設置を目指し文部科学省に申請している「地域デザイン科学部」のカリキュラムや入試の概要を発表した。新学部には「コミュニティデザイン」「建築都市デザイン」「社会基盤デザイン」の3学科を設ける。入試は、センター試験と2次試験を課す一般入試のほか、3学科とも、自己推薦や面接などで総合的に評価するAO入試などを実施する。8月末に設置が認可されれば、10月からAO入試を行う。いずれの学科も、まちづくりに貢献できる人材育成を目指す。

鳥取県立高 一部、全国から生徒募集へ 体育コースなど 

鳥取県教育委員会は、県立高校の一部の来春入学の推薦入試で、全国から生徒を募集する検討を始めた。定員割れの解消やスポーツ競技力の向上などが狙い。体育コースを設置▽中山間地に立地▽継続的に定員割れしている−−のいずれかを満たしているのが条件で、募集数は全体の5%以内と想定している。これまでも兵庫、岡山、島根の一部地域の生徒は推薦入試の募集対象だったが、地域を限らず全国に広げる。受け入れ生徒の下宿先や寮の整備なども地元市町と共に検討する。8月までに実施校や募集要項などを決める。

普段はライバル、でも今日だけは 互いの「学びの現場」熱く語り合う

全日本私塾教育ネットワーク(私塾ネット)が「学びの現場に立ち返る」と題して「第13回全国塾長・職員研修大会」を4月19日、東京ガーデンパレス(東京・文京区)で開催した。

挨拶する湯口兼司理事長

挨拶する湯口兼司理事長

東京私立中学高等学校協会の實吉幹夫副会長、NPO法人学習塾全国連合協議会東日本ブロックの沼田広慶理事長が祝辞を述べたあと、私塾ネットの湯口兼司理事長は「ジタバタしようぜっ!」と挨拶し、今回の研修大会の主旨を説明した。この研修大会は、例年様々な現場で活躍する人を招いて講演してもらうことによってその知見に触れ研鑚してきた。しかし、今回は趣向を変え「他者の現場を知り、良きものを真似る」と副題にあるように、参加者同士がディスカッションし、自塾の「学びの現場」を学び合おうということで開催された。そのため、座席も横一列ではなく、テーブルを挟んで向かい合う形に配置されていた。

ディスカッションの前に、株式会社ベネッセコーポレーションの今村健吾氏から、英語教育改革についてのプレゼンテーションがあった。英語教育は今、もっとも関心の高いもののひとつであり、参加者も真剣に聞き入った。

続いて「地域で支持される塾」と題した講演を株式会社ステップの高橋豊明専務取締役がおこなった。ステップでは営業研修を一切せず、その時間と資金はすべて教務のための研修に使っているそうだ。紹介されたその研修の中身はとても刺激的な内容だった。

そして、4人一組のグループに分かれ、8つのテーマにわかれてディスカッションがおこなわれた。話し合われたテーマは大きく①何を使ってどう教えているのか、②生徒のモチベーションアップ・心づくり・イベント、③保護者とのコミュニケーション。面談・保護者会・DTS、④個別指導、⑤生徒募集、塾生募集の5つのカテゴリーで、このうち①については、(1)小学生が集まる現場。そして、小学生英語、(2)中学生─上位性をさらなる上位校に合格させる、(3)中学生─中堅層、下位層を伸ばす、(4)高校生指導の4つのテーマに分かれて議論が進められた。途中、参加者らは席替えをしながらほかのテーブルの議論にも加わり、絶えることのない白熱した時間が流れた。
私塾ネット研修大会の様子 私塾ネット研修大会の様子
ディスカッションの終盤におこなわれた成果発表では、「個別指導にも、アクティブラーニングを取り入れることを考えるべきかもしれない」といった意見も上がったほか、生徒・保護者に対する「コミュニケーションの重要性を再認識した」といった意見も多く聞かれた。
私塾ネット研修大会の様子 私塾ネット研修大会の様子
地域性や年齢が違うということだけでなく、ライバルとも言える間柄の人々が、ひとたび同じテーブルで自分たちの「学びの現場」を伝え合い、助言や自分の意志を伝え合う。こういった光景は私塾ネット以外の団体の会合では見られない。参加者たちも有意義な時間を過ごしただろう。少しでも自分たちの塾のこと、そして何よりもそこに通う子供たちのために何かを得て帰ろうという想いで満ち溢れていた研修会となった。

電子教科書共通閲覧ソフトが完成

小学校教科書が今春改訂されたのに合わせ、教科書会社12社と日立製作所で作る団体「CoNETS(コネッツ)」が開発した小学校用デジタル版教科書の共通閲覧ソフトが完成し、4月21日に大手アプリストアで公開された。コネッツに参加していない会社からも今春、小学校用のデジタル教科書が発売され、学校側の関心も高まっている。文部科学省は今年度中にデジタル教科書の基本機能と仕様を決める予定だ。検定制度や著作権料などの課題については5月から有識者会議を設けて検討を始める。

子どもたちの未来へ、大人も意識改革を

NPO愛進研、第2回となる「2015教育セミナー」を開催

スーパーグローバルハイスクール・大学の認定、国際バカロレア認定校の拡大、英語における「話す」と「聞く」の重要性が上がるなど、文部科学省は2020年に予定されている東京オリンピックを契機とした、教育のグローバル化に向けた環境づくりを推進している。

ディレクターを務めた敬愛塾の伊藤清博塾長

ディレクターを務めた敬愛塾の伊藤清博塾長

それらの教育改革が意図するものは、これまで日本が強みとしてきた基礎知識のインプットによる平均値の底上げに加え、答えがひとつではない問題に対応できるアウトプットを生み出す力と、他者を惹きつけるリーダーシップを育成することにあるのではないだろうか。

英語によるコミュニケーションの大切さを

愛知県の民間教育機関の教師たちによるNPO団体、愛知県進学研究会(以下、愛進研)は、子どもたちの進学や就職を考えた研究を行っている。

「2020年の教育再生改革に向け、官民挙げてグローバル社会に目を向けた動きが急速に高まっている。30年後、子どもたちが社会の中心に位置する頃に求められる人材とはどのようなものなのか。過去、現在、そして未来を見通し、親子で未来を考える時間にしてほしい」という思いから「GO FOR 2020」と銘打ったセミナーが4月19日に開催された。

名古屋中学校・高等学校の森田祐二教頭先生

名古屋中学校・高等学校の森田祐二教頭先生

昨年に引き続き会場となった名古屋中学校・高等学校のチャペルは、約300名の親子連れが詰めかけた。名古屋中学の森田祐二教頭先生による挨拶では、名大の留学生と中学生がICT機器を活用してコミュニケーションを取ったり、また英語でプレゼンテーションを行う映像が紹介され、来場客はその様子を熱心に見ていた。

求められるのはグローバルリーダー

続く第一部は、様々なメディアで活躍するIGSの福原正大代表による基調講演「ミライノシゴト」。

IGSの福原正大代表

IGSの福原正大代表

「中国から飛来する環境汚染物質で、九州の小学校がグラウンド使用を制限される。しかし中国の人にそれを問うと、『環境より貧困問題の解決が先だ。日本も昔はそうだった』」と返された。他にも様々な例を挙げながら、国単独では解決できない問題が増えていると解説した。

また日本は少子化により、経済の急速な後退を避けられない。これまでは英語ができなくても、海外が日本に興味を持ってくれた。しかしこれからは、日本人がどんどん自分をアピールしなければならないという。

「欧米が今考えているのは、人工知能が人間の能力を超えた後を見すえた教育。今あるホワイトカラーは、将来その6〜7割がロボットに奪われます。日本がこれまで得意とした中等教育は、まさにその部分に該当する」と危機感を訴えた。そうした中で生き残るのは、英語によるコミュニケーション力と、新たな問題への思考力を備えた人。また「人間がロボットに勝てるのは『他者に尊敬される』ということ。尊敬されるグローバルリーダーを愛知が生んでほしい」と話し、会場は大きな賛同の拍手が響いた。

考える力で開ける未来

後半は愛進犬が登場し会場を沸かせた

後半は愛進犬が登場し会場を沸かせた

第二部では愛進研のキャラクター「愛進犬」によるクイズが行われた。出題は実際に企業の入社試験で使われたもの。「日本全国に美容院は何軒あるか」など、いずれも知識より思考力を問うもので、愛進犬による軽妙な語りが会場を笑いに包んだ。

鹿島塾の鹿嶌將博代表

鹿島塾の鹿嶌將博代表

最後は、愛進研会長の鹿島將博氏(鹿島塾代表取締役社長)が「これからは学校で習うことだけでなく、自分なりに考えて答えを出す力が求められます。子どもたちのために保護者の皆さまと二人三脚で頑張っていきたい」と結んでセミナーを終了した。