教育開発出版株式会社主催の「第一回私立中学・高等学校英語イマージョン教育ワークショップ」が、9月27日に東京・千代田区のステーションコンファレンス東京て開催された。このワークショップは、同社が開発、出版している新中学問題集(中学1年生・数学)の英語イマージョン版を使ったワークショップ。東京だけでなく、大阪や愛知などから多くの関係者が訪れ、期待の高さが伺えた。
ワークショップに先だって、同社常務取締役営業本部長の糸井幸男氏が、この教材の開発の目的について説明があった。現在、高大接続会議等で議論されているグローバル人材の育成に向けたものであり、世界で活躍する人材を育てていただきたいという同社の願いが込められていると言う。
次に、開倫塾の林明夫塾長が登壇し、英語イマージョン教育の実践について語り、開倫塾で行われている英語イマージョン授業を例に挙げ、この問題集の利用方法をアドバイスした。
林氏は、自身が海外の大学にいたときに、数学、理科、社会はせめて外国に行く前に英語で勉強しておかないと失礼だと言われたそうだ。そして、いまの日本の教育における英語の取り組みが、諸外国に比較して格段に遅れている現状を語り、「みなさんに日本の窮地を救ってもらいたい」と林氏は参加者に訴えた。
最後にブライアン・ショウ氏が、実際に同問題集のイマージョン版(THE SHIN-CHU-MON)を使った授業のワークショップを行った。ショウ氏は、国内SSHでのMATH IN ENGLISHの講師を務めるなど、英語教育現場における豊富な経験を持つ。授業はアクティブラーニング形式で行われ、参加者も大いに参考になったに違いない。また、ショウ氏は、この問題集は日本語版とリンクしているため、日本語版の学習を終えた高校生が使うのも有効的だと語った。
ショウ氏は、一部で映像による授業支援ツールを使った授業も行った。このツールは、教える側が直接英語を話さなくても、英語による授業が展開できるように設計されていた。しかし、これはまだ計画段階のもので、実証実験の反応を見たあと、リリースを決めることになっているそうだ。数学を英語で教える教員にとって、とても有効な教材であると思われるので、希望する学校や塾は多いのではないだろうか。来年には、同問題集の中学2、3年生向けのイマージョン版も提供を開始する予定だ。