500教室を目指し関東への進出を強化 進学会HDが学研HD、城南進学研究社の2社と提携

1972年に札幌市で学習塾を創業し、現在では北海道から九州まで1道22県に北大学力増進会を展開する株式会社進学会は、10月2日付で株式会社進学会ホールディングスに移行した。
また同日には、学習参考書などを手がける学研ホールディングスと、城南予備校や城南コベッツなどを展開する株式会社城南進学研究社と、それぞれ資本業務提携を結んだと発表した。少子化で競争が熾烈を極めるなか、学習指導や教育コンテンツに関するノウハウを共有することで、生き残りを図る考えだ。

進学会の松田啓社長

進学会は10月19日付で、学研が保有する自己株式46万5800株(保有割合4・39%)を総額15億円で取得。一方、学研も同額の15億円を目処に、進学会の株式を取得する予定だ。
また、進学会はすでに城南の株式を9月29日時点で38万3200株(保有割合4・29%)取得済みで、城南も来年3月末までに1億5千万円を目安に進学会の株式を買い付ける計画だ。
進学会は2つの会社と株式を持ち合うことで、お互いの企業価値に対する利害関係を強め、業務提携をより強固に推進していきたい構えだ。
例を挙げると、進学会は北海道岩見沢市で公設学習塾を開設しているが、学研も東京都内の中学校で特別講座を実施するなど、公教育の学習支援に注力している。今回の業務提携により、さらに公教育との連携を深めていく構えだ。
また、進学会と城南進研はそれぞれデジタル教材など学習コンテンツを開発しており、今後はその開発力を融合させることで、より高品質のものをつくっていくほか、2020年の教育制度改革に合わせた新たな学習コンテンツの研究・開発にも取り組んでいく。

契約を締結し握手を交わす進学会HDの平井睦雄会長(写真左)と学研HDの宮原博昭社長

進学会HDの松田啓社長は「当グループが出店しているエリアと城南さんが展開しているエリアはかぶっていません。それに学研さんが展開している学研教室と、当グループのカリキュラムもそれぞれ特色があり、補完関係にある。そうしたことから今回の業務提携に至りました」と話す。
進学会は今後500教室を目指し、出店速度を加速させていく。首都圏では、特に千葉で実績を挙げていることから、東京を中心とした一都三県への進出も計画しており、この提携が大きな足がかりとなる。

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