神戸山手女子中高、「グローバル選抜探究コース」が始動 国内外を問わない進学校へ変貌

 神戸山手女子中学高等学校の「グローバル選抜探究コース」が始動した。特色ある英語の授業を始め、同校の改革の旗印だ。

 同コースでは、中高ともに、英語で英語を学ぶ平常授業に加えて、英語と音楽、美術などと組み合わせたイマ-ジョン教育を導入。アネムホールディングス社(福岡県・肥川正嗣 代表取締役社長)の教育サービス『Vスタ』の中の一つのコンテンツ『Vコード』を導入して、「英語でプログラミング教育」も実践。英語でプログラミングを学ぶのは、他では見られない授業だ。英語の指標は中学ではCEFR A2レベルであるが、 卒業段階で英検2級レベル、高校ではCEFR B2レベルであるが、卒業段階で英検準1級レベルに到達できるようシラバス化されている。また、『グローバル探究』という探究型の授業も設け、日本だけでなく、世界の様々な課題解決と社会貢献を目指した取り組みを産官学連携で行なっていく。夏期・冬期休暇中には、グローバル・イングリッシュ・キャンプ(仮称)、特別プログラムとしては、関西国際大学との連携(全コース)やオンラインによる留学も進める予定だ。

同校の校長就任3年目を迎え、学校改革を加速していく平井正朗氏

 同校の改革は「グローバル選抜探究コース」だけに限らない。例えば、校内予備校の導入やタイム・マネジメント・シート(学習計画表)を全生徒に作らせ、毎日担任がチェック。毎日実施する小テストも基準点に達しなければ、放課後を使ってフォローするなどきめ細かい。

 学校に来にくい生徒に対しても、KOKOROOM(学習支援室)では教員とカウンセラーが協働して個別最適化学習を実践している。部活動などの遠征で授業が受けられない生徒に対しても、双方向型のアーカイブ授業を用意し、学習と両立できる環境も整備、個別最適化された学びを可能にしている。

 部活動にも特色が表れている。その一端がデータサイエンス部と広報部だ。データサイエンス部にeスポーツ部を併設するなど活動の幅は広い。広報部は、生徒がインスタグラムなどのSNSを運用し、学校の魅力を校内外に広めたり、テレビ局の取材なども広報部が窓口となって対応するなど活躍している。

 幾多の学校改革を推し進めてきた平井正朗校長は「グローバル選抜探究コース」について、

「これからは日本と世界とのボーダーレス化が進んでいきます。コース・コンセプトは(中堅)国公立や有名私大が中心ですが、海外への進学を目標にしている方にもぜひ来ていただきたい。グローバル化と言われていますが、内外どちらの大学に進むにしても基礎学力と受験対策が欠かせませんし、我々はその両方を視野に入れた学びを提供します」と語る。

 2024年に100周年を迎える同校。伝統を継承しながら、新しい時代に即した教育も推し進めていく。

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