探究学習で最も多い取り組み内容は「調べ学習」だが地域差あり、北海道・東北は「学校外の企業(地域・人)との連携」の割合が高い傾向に

 スタディプラス株式会社(東京・千代田区、廣瀬高志 代表取締役)のStudyplusトレンド研究所は、2023年8月28日(月)から8月30日(水)にかけて学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の高校生を対象に、「総合的な探究の時間」に関するアンケート調査を実施、1,110名から回答を得た。この調査結果の完全版については、Studyplusトレンド研究所の公式サイトで紹介している。
https://www.trend-lab.studyplus.jp/post/20230927

「総合的な探究の時間」に関するアンケート調査 トピックス

「総合的な探究の時間」で最も多い取り組み内容は「調べ学習」。
地域差も見られており、北海道・東北では「学校外の企業(地域・人)との連携」の割合が他地域と比較して高い。
探究学習に対する印象は、関東・中部・近畿では「やる意味がわからない」が4割超。
「学校外の企業(地域・人)との連携」の割合が高い北海道・東北では、具体的な探究内容の悩みに関連した回答の割合が高い傾向に。
探究学習が入試にも役立つと認知している割合は4割程度、探究学習を通して進路選択のヒントを得ることができたと回答した割合は2割。
ヒントが得られたと回答した高校生の理由は、「進路選択の役に立った」「専門分野を深く学べた」「将来の視野が広がった」が多い結果に。
探究学習を通して、約半数が「考える力」「自分の意見をまとめて伝える力」「調べる力」「発表する力」の成長を実感。また7割近い高校生が、探究学習は将来に活かせると回答。
探究学習のテーマ選びのヒントとして大学に期待することは、「課題発見方法のヒントを得たい」「大学の研究内容を知りたい」の意見が多く見られる。

◆本調査の概要
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(高校生)
回答者  : 1,110名
※ 高校1年生 :203名、高校2年生:426名、高校3年生:481名  
調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。
調査時期 : 2023年8月28日〜8月30日

※本リリースにおけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
※リリース内に記載している地域区分の内訳は、以下の通り。
 北海道・東北・・・北海道、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県  
関東・・・埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県
 中部・・・静岡県、岐阜県、愛知県、富山県、石川県、福井県、長野県、新潟県  
 近畿・・・滋賀県、京都府、奈良県、和歌山県、大阪府、兵庫県、三重県  
 四国・中国・・・鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県  
 九州・沖縄・・・福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

■ 「総合的な探究の時間」の取り組み状況

【調査項目】
・ 「総合的な探究の時間」を受けていますか?

【回答】
・9割の高校生が、探究の時間があると回答。

【調査項目】
・「総合的な探究の時間」では、どのような取り組みをしていますか? ※複数選択可

【回答】
・最も多いのは「調べ学習」で8割超。いずれの地域でも高い結果に。
・北海道・東北では「学校外の企業(地域・人)との連携」「ポスターセッション」の割合が他地域と比較して高い。

【調査項目】
・「総合的な探究の時間」に対してどのような印象を抱いていますか? ※複数選択可

【回答】
・全体では「やる意味がわからない」が4割程度の一方で、「将来、必要な能力が身につく授業だと感じている」も3割程度。
・関東、中部、近畿では「やる意味がわからない」が4割超と、他地域と比較して高い割合。
・「学校外の企業(地域・人)との連携」「ポスターセッション」の割合が高い北海道・東北では、具体的な探究内容に関する悩みや、「よくわからないけどなんだか楽しい」の回答割合が高い。九州・沖縄も同様の傾向。

【調査項目】
・どのようなテーマで探究をしていますか? ※複数選択可

【回答】
・上位回答では、「SDGsに関するテーマ」「地域の課題解決」が多く3割超。

■ 探究学習と入試、将来との繋がりに関する認知状況

【調査項目】
・探究学習が入試にも役立つことを知っていますか?

【回答】
・入試に役立つことを知っている割合は4割程度。

【調査項目】
・探究学習を通して、進路選択のヒントを得ることが出来ましたか?

【回答】
・2割の高校生が、進路選択のヒントを得ることができたと回答。
・「ヒントを得ることができた」と回答した主な理由は以下の通り。
進路選択の役に立った(最も多かった理由)
「行きたい学部が明確になった、研究している分野の学科に進みたいと思った」
「より起業が身近なものとなり、実践的な学習のできる大学で商学を学びたい気持ちが強まりました。」
「地方問題について調べ、より具体的に私のしたいことがわかり、志望動機に繋げられる材料になった」

専門分野を深く学べた(2番目に多く見られた理由)
「自分の興味のある学問をしている大学の先生に探究の論文執筆のために話を聞きにいけて、雰囲気が分かった」
「情報学部系に興味があったため、探究でプログラミングを使用した研究をし、情報学部で行うことをイメージできた点」

将来の視野が広がった
「考える力を高めることができて、物事の共通点を見つける力や本質は何なのかと考える力がついた。そのおかげで、自分が将来やりたいことの本質に気づくことができるようになった。
「自分が達成したい研究テーマについて文献を見ていく中で様々な大学の論文を見て、多角的なアプローチの仕方があることを知り視野が広がった。また、その中でどの角度からアプローチしていくか考えることが進学したい学部を決めるきっかけとなった。」

【調査項目】
・探究学習を通して、どのような点で成長を感じることが出来ましたか? ※複数選択可

【回答】
・約半数が「考える力」「自分の意見をまとめて伝える力」「調べる力」「発表する力」で成長を感じたと回答。

【調査項目】
・探究学習で培ったものは将来に活かせると思いますか?

【回答】
・7割近い高校生が、将来に活かせると回答。
・「はい」の回答者で見られた主な理由の一部抜粋は以下の通り。
プレゼンのための資料作りや伝える力(発表する力)、論文を書く力が育った
グループで協力して一つのことを成し遂げることで、チームワークを大事にすることができたと思うから。
ネットの情報のみに頼らず文献などを参照し、そこに自分の考えを取り入れてまとめる力がついていると思うし、自分の考えを交えてまとめる力は将来必要だと思うから。
他者視点に立って、初めて分かる物の考え方や、捉え方を学ぶことが出来たから。
自分の興味を深堀できて大学のゼミへのイメージがわいたから。/将来研究したいことの序章的なことをやっているから
人と議論する能力は社会でも今求められていることだから。
・「いいえ」の回答者で見られた主な理由の一部抜粋は以下の通り。
やる意味が分かっていない
将来を意識せずにやりたいことをやったので、目指しているものと違う、つながるかわからない
やりたいこととずれていた
1人で出来ることをなぜ複数人で行うかわからない
中学のほうがレベルが高かった

【調査項目】
・自分で何かテーマを選ぶときのヒントとして、大学に期待することはありますか?

【回答】
・大きく2つの方向性で、以下のような回答が見られた。
課題発見方法のヒントを得たい
ある分野に対してなんの興味もない生徒が、「これって面白いな。もっと知りたいな。」と思えるようなその分野の入り口を提示してもらうことができれば良い。その入り口は初歩的なものであれば、初歩的であるほど良い(誰かから与えられて面白いと思うよりも、「自分が」発見したという感動こそが探究において大変大切であると思うからである。)
世の中の様々な分野の課題を提示すること。
大学生の論文は探究活動の良いお手本になると思うので、大学のサイトに簡単に論文を見られる場があればいいと思う。
テーマ決定のきっかけとなるような話題を沢山用意して欲しい。
解決して欲しい問題等を高校生に提示して欲しいです
大学の研究内容を知りたい
大学が現在研究していること
自分の興味分野、調べたいことと同じことをテーマにして研究していらっしゃる先生がいること。
興味のある分野の専門書や知識を持っている人との交流
研究室訪問をもっと活発に行いたい
教授との意見交換

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