第2回「有吉佐和子文学賞」受賞作品が決定

 有吉佐和子記念館の開館を契機に、和歌山市の偉人である有吉佐和子の顕彰に加え、文学について学ぶ機会を提供すること及び本市の文化的風土を醸成することを目的とし、令和5年12月に有吉佐和子文学賞を創設した。
 自身のことや世の中のこと、和歌山への想いなどについて、思ったまま、感じたままに表現いただくことを目的としてエッセイの作品を募集したところ、全国から1,512作品もの応募があり、有識者等による意見聴取を経て、受賞作品を決定した。
【受賞作品一覧】
最優秀賞
「節約の幸福論」 大木 篤子(和歌山県紀の川市)
概要
 老いる事に不安があった若い頃。ところが、想像とは違い、年老いたからこそ手に入れることができた幸せの数々。人生で今が一番好きと言い切れる作者の日常や思いを綴った作品。
意見聴取員 コメント
●年をとることの良さ、楽しみが普通に書かれていました。
●思い出はとても大事。人は自然に残すものと捨てるものを上手に分けるものだ。
●日本の最大の社会問題でもある高齢化、長寿化をテーマにしているが、首尾一貫して明るく、希望に溢れていて、読むほうが幸福になる。多くの人が不安を抱く長寿に対して、これほど明るさと希望を提供してくれた読み物は初めてであり、有吉佐和子文学賞にふさわしい。
●ジョウビタキの鳴き声から始まる書き出しと、鳴き声はなく「夕焼けに染まる龍門山が、にっと笑ったような気がした」と締めくくる構成力の高さが際立つ。五感を存分に働かせ、豊富な語彙で綴った豊かな表現力が見事な作品。
・優秀賞
「父の手を解いた朝」峯田 泰彦 (東京都足立区)
・佳作
「祖父からの電話」    阿江 美穂(兵庫県加東市)
「ほうれん草のゆで汁」  井口 元美(愛知県大府市)
「親友の服」       西村 美香(大阪府貝塚市)
「なじみ客として想う」  藤田 陽一(栃木県鹿沼市)
「父はハナシカ」     矢鳴 蘭々海(大阪府箕面市)
・奨励賞
「私の運命を変えるきっかけ」  片岡 真悠(茨城県常総市・常総学院高等学校)
「当たり前の歯車を回す」     鏑木 花野(東京都板橋区・クラーク記念国際高校)
「いつか必ず言いたい言葉」   滝本 昇生(和歌山県和歌山市・開智中学校)
「引っ越し」          牧野 乙葉(千葉県富里市・千葉県敬愛高等学校)
「そのコーラ」         宮﨑 純大(兵庫県加古川市・加古川市立氷丘中学校)
「日本のアマルフィにて」    宮本 紗希(和歌山県和歌山市・和歌山信愛高等学校)
「笑顔を一緒に食べている」   横山 綾乃(静岡県磐田市・角川ドワンゴ学園N高等学校)
※奨励賞は中学生および高校生の作品のみ対象
選考 
市の選考結果をもとに、有識者からの意見聴取を経て受賞作品を決定した。
〈意見聴取員〉 恩田 雅和(有吉佐和子記念館 館長)
        河野 和憲(情報通信業(出版業))
        坊 美生子(有識者)
        中村 祐佳子(教育研究会国語部会)
表彰式 
日時 令和7年6月1日(日)午後1時30分から
場所 有吉佐和子記念館(和歌山市伝法橋南ノ丁9)
作品公表
受賞作品は、表彰式後、市ホームページ等に掲載される予定。

みんなが私塾界!