株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)は、2025年5月末、インド・バンガロールの私立校「Inventure Academy」にて、環境教育をテーマとした体験型ワークショップを実施した。CO₂の検出実験やテラリウム作りを通じて、児童が日々の生活と環境問題をつなげて考える授業だ。
このプログラムは、日本での探究型・体験型学習の知見をもとに現地仕様で再設計された実証的な試みであり、東京都北区立谷端小学校との教室間交流も実現した。学研は今後、現地教育機関や企業との連携を視野に、子どもたちの多様な学びを支援していく。
■体験を通じて考える:環境教育ワークショップをインドの小学校で実施
学研ホールディングスは2025年5月末、インド南部・バンガロール市内の私立校「Inventure Academy(インベンチャー・アカデミー)」にて、5年生約40名を対象とした体験型の環境教育ワークショップを開催した。新学期初週のうち4日間を使って実施されたこのプログラムは、学研がインドでの教育連携に向けた第一歩として試験的に導入したもの。
■CO₂検出実験やテラリウム作りで“自分ごと”化を促す
当日の授業では、子どもたちがグループで協力しながら、身近な生活と結びついたCO₂排出量を測る実験や苔や小石・土を使ったテラリウム(小さな生態系の再現)作りに挑戦した。材料や道具の調達には制約もあったが、むしろそうした環境が児童の創意工夫や粘り強さを引き出す結果となった。普段触れる機会の少ない自然物を手にし、自由にデザインするプロセスには終始、活気と笑顔が溢れていた。
今回の2つのプログラムは、環境問題についての知識だけでなく、「それが自分の生活とどう関係するのか」「自分に何ができるのか」を考えるための“問い”を中心に構成されている。教室内では現地の先生も積極的に参加し、児童とともに学ぶ光景が多く見られた。
■日本の小学校から動画メッセージ 日印の5年生同士の交流を促進
今回のワークショップでは、日本の公立小学校(東京都北区立谷端小学校)でも同様の内容が先行実施されており、インドの教室では谷端小の児童たちからの動画メッセージも上映された。これに応じる形で、Inventure Academyの児童たちからも質問や感想が多く寄せられ、双方の子どもたちの間に自然な関心と対話が生まれた。