「移動する教室」で地域探究 河合塾が通信制新設、NTT東日本と連携

 学校法人河合塾学園が2027年4月、岩手県一関市に広域通信制「ドルトンX(エックス)学園高等学校」を開設する。NTT東日本との提携により、ICTと実社会での経験を融合させた「地域拠点×通信制」のハイブリッド教育を導入。生徒が特定の校舎に留まらず、日本各地を移動しながら学ぶ新しい教育形態の構築を目指す。

■2年次は各地へ滞在 ミネルバ大学の手法を導入
 同校は、特定のキャンパスを持たずに世界各地を転々としながら学ぶ米ミネルバ大学の教育モデルを参考にする。特徴的なのは高校2年次のカリキュラムだ。生徒は3カ月ごとに、最大4カ所の地域拠点へと滞在場所を移す。1日のスケジュールは、午前中にオンラインでの教科学習を行い、午後はその地域のフィールドワークや課題解決型の探究学習に充てる。

■東京の研修施設を拠点に活用
 NTT東日本は、同校の戦略的パートナーとしてインフラと学習環境の両面を支援する。高校1年次と3年次には、東京都調布市の「NTT中央研修センタ」を宿泊・学習拠点として提供する。  同施設内にある実証フィールド「NTTe-City Labo」では、生徒が最先端のデジタル技術に直接触れる機会を設け、データ活用やITスキルの習得を促す。

■背景に地方の課題解決と人材育成
 今回の連携の背景には、人口減少が続く地域社会における教育格差の解消と、次世代リーダーの育成という狙いがある。NTT東日本はこれまでにも、ドルトン東京学園(東京都調布市)や河合塾グループとの間で、探究学習プログラムの共同開発などを進めてきた。今回の新設校との連携はそれらの取り組みを包括したもので、一関市をはじめとする東日本各地のネットワークを「学びの場」として活用していく。

■デジタルとリアルの融合図る
 NTT東日本は25年9月、ミネルバ大学とも連携協定を締結しており、河合塾グループ、ミネルバ大学、そして多様なパートナーと協力しながら、場所の制約を受けない革新的な教育モデルの確立を進める。

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