オリコン満足度調査のデータを学術的研究分野へ無償提供

 株式会社oricon ME(東京都港区、小池恒代表取締役社長)は3月7日、学術・研究目的の利用を対象に、2006年より実施している同社の「満足度調査」のデータを無償で公開することを発表した。同時に専用のウェブサイトも開設する。

 同社は、2006年より〝見えない満足を可視化する〟をコンセプトに、商品やサービスにおける顧客満足度調査を、実際にサービスを利用したことのあるユーザーを対象に行ってきた。これまで約100の産業、累計198万人に回答を得ており、日本最大規模の調査データを保有している。今回、この調査データを学術的な研究分野へ提供することで、新たな技術・サービスへの転換、ビジネスチャンスの創出に役立ててもらう。

 近年様々な分野で、大量かつ多様なデータの利活用が盛んになっている。しかし、その知識・スキルを統合して、目的志向のデータ解析を実践できる人材育成や仕組み作りが課題にもなっている。

 今回の同社の発表は、現場のリアルなデータを入手することが可能になり、サービスマーケティングや統計学・データサイエンス等の研究の発展、理論の実践のための教育に寄与することが期待される。統計家・株式会社データビーグルの西内啓代表取締役は、「オリコンから生のデータが公開されることで、たくさんの人々が今よりデータサイエンススキルを向上させる機会に恵まれる」と話す。また、慶應義塾大学理工学部の鈴木秀男教授は、「データ提供の取り組みは産学連携研究を促進させ、オリコンの顧客満足度調査・分析に関連する技術力向上にも繋がる」と期待を込める。

 提供開始は、2019年夏頃を予定。まずは2016年以降の調査データから提供を開始し、順次公開していく。それに伴い、データ分析のコンペティション、データ活用のセミナーなどの開催も予定している。

みんなが私塾界!