株式会社すららネット(東京都千代田区、代表取締役:湯野川孝彦)が提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」が、静岡県立ふじのくに中学校磐田本校(静岡県磐田市)で導入され、2025年4月より活用が始まった。夜間中学への「すらら にほんご」導入は全国で初の事例となる。
ふじのくに中学校磐田本校は、静岡県内初の県立夜間中学校として2023年に開校。外国籍生徒が多く在籍しており、その約7割が日本語指導を必要としている。これまでも日本語学習を重視してきたが、生徒間の日本語力の差や専門教員の不足が大きな課題となっていた。
「すらら にほんご」はAIを活用し、読み書き・語彙・文法などを一人ひとりの理解度に応じて最適に出題するアダプティブ型教材だ。音声読み上げや視覚的なナビゲーションを搭載し、ゼロからの自立学習が可能な点が特徴である。磐田本校では、教員不在時でも学習を進められる点が評価され、導入が決定した。
実際に活用を開始してから2か月が経過した6月時点で、生徒17人を対象に行ったアンケートでは、約88%が「日本語学習が楽しくなった」と回答。さらに、約90%が「授業がわかるようになった」、約94%が「学習の助けになった」と答えており、短期間で学習意欲や日本語力の向上が顕著に見られた。
同校の青木正文教諭は、「ひらがなから学ぶ必要がある生徒から、会話はできても読み書きが苦手な生徒まで、背景はさまざまです。『すらら にほんご』導入後は、生徒が意欲的に取り組むようになり、自宅でも自主的に学習する様子が見られるようになりました」と述べる。
今後、すららネットは「すらら にほんご」を通じた日本語指導モデルの確立を目指し、全国の夜間中学校への展開を進めていく考えだ。また、他教科のICT教材との接続も視野に入れ、基礎学力の定着支援を強化する方針を示している。