府県をまたぐ5自治体が共同利用——出席日数への算入も
株式会社成基(京都府京都市、佐々木雄紀代表)は、京都府綾部市(四方源太郎市長)と連携し、「複数自治体による共同利用型メタバース教育支援センター」を今年9月に開設すると発表した。5月26日に綾部市役所で記者会見が行われた。
同センターは、インターネット上の仮想空間(メタバース)を活用し、不登校の児童生徒の学習・交流を支援するもの。自宅からタブレットやパソコンでアクセスし、アバター(自分の分身)で参加できる。顔出し不要で自宅から参加できる仕組みは、学校や対面型施設への登校に抵抗を感じる子どもにとって新たな居場所となることが期待されている。
センターでは5教科の指導に加え、児童生徒が自ら課題を設定して取り組む「探Q授業」やオンライン交流活動を実施する。開校日は月・水・金の週3日。特筆すべきは、このセンターへの参加日が学校の出席日数に算入される点だ。制度上の後ろ盾が整ったことで、教育委員会との連携による本格的な活用が見込まれる。対象は小学4年生から中学3年生で、綾部市では当初10人を予定している。
本モデルの最大の特長は「共同利用型」であることだ。綾部市単独ではなく、今年度は京都府・滋賀県・岐阜県の5自治体が府県を越えて共同でインフラを利用する。財政規模の小さな自治体でも高水準の支援環境を整備できる点が評価されており、広域連携モデルの先駆けとして注目される。

背景には不登校問題の深刻化がある。綾部市教育委員会によれば、市内では2025年度末時点で中学生34人、小学生46人が不登校とされている。全国的にも不登校児童生徒数は過去5年で約2倍に膨らみ、過去最多を更新中だ。四方市長は会見で「今の時代の子どもたちにはありうるコミュニケーションの方法。また学校に来られる第一歩になれば」と期待を語った。
成基は1962年創業。京都府を中心に関西で進学塾を展開するほか、オンラインフリースクール「シンガク」を運営し、京都市など複数の自治体との連携で学校復帰事例も生まれている。今回の取り組みを足がかりに、さらなる自治体への広域展開が見込まれる。



