Category: 塾ニュース|グローバル

秋田の教育、タイに輸出

秋田県は、11月にタイに教員2人を派遣し現地で授業。来年1月には高校生16人を派遣する。タイから教員や学生も呼び込み交流の経験を積み、他の東南アジア諸国にも広げる。県では「探求型」として実績のある授業を世界的な教育方式に育てたい考えだ。秋田県は全国学力・学習状況調査で2007年度の1回目以降、全国トップレベルを維持する。好成績を下支えしているのが独自の「探求型授業」。児童や生徒が(1)自分たちで課題を設定し(2)話し合いながら解決方法を探り(3)学習内容を振り返る――という授業スタイルだ。

米大使館、日本の女子中高生にリーダー講座

米国大使館(東京)は6月末から、日本の女子中学生と女子高校生を対象に、リーダーシップをテーマにした無料講座を開催する。ミシェル・オバマ米大統領夫人のビデオメッセージを見たり、現役の女性外交官の講演を聴いたりして「リーダーシップを発揮しながら生きていく力」を身につけてもらうのが狙いだ。

 対象は13~18歳で、定員は30人。講座は計4回で10月まで行う。応募に英語力は問わず、同センターのホームページ上で、将来の夢などを書いた日本語の作文を二つ提出する必要がある。締め切りは5月7日。

新しいスピーキングテスト「E−CAT」をリリース

株式会社iTEP Japan(東京都新宿区)は3月27日、E−CAT(English Conversational Ability Test)の説明会と受験体験会を開催した。E−CATとは新しく開発された英語スピーキングテストのことで、アメリカロサンゼルスに本社を置くBES(Boston Educational Services)が開発。発案者は、文科省の委員も務める英語講師の安河内哲也氏だ。

安河内氏の説明に聞き入る参加者たち

安河内氏の説明に聞き入る参加者たち

E−CATを受験する際は、ヘッドセットとマイクを装着してインターネットに接続されたパソコンに向かい、指示に従いながらインタラクティブに発話していく。発話した音声データはインターネット経由でアメリカに送られ、トレーニングを受けたアメリカの採点者によって採点される。

テストはパート1〜パート6に分かれていて、パート1は自分のことを話す「自己紹介」、パート2は英文をクリアに読めるかどうかを試す「音読」、パート3は身近なトピックに関して答える「トピック」、パート4は表示される2枚の写真に関して答える「写真描写」、パート5は画面上のドキュメントについて答える「資料」、パート6は自分の意見を述べる「意思表明」となっている。

E-CATのコンセプトを語る安河内哲也氏

E-CATのコンセプトを語る安河内哲也氏

E−CATは現行のスピーキングテストの弱点を克服すべく、様々な工夫がされているのが特徴だ。その1つとして挙げられるのが、発話を誘導するガイド(静止画像)の存在である。ガイドは優しい口調で語りかけてくれ、テストの緊張をほぐしてくれる。BESと試行錯誤しながらE−CATを開発した安河内氏は「これまでのスピーキングテストのような、いかにもテストという雰囲気を改善し、リラックスして受験できるようにしたかった」と話す。

やさしいガイドにより緊張せずにテストを進められる

やさしいガイドにより緊張せずにテストを進められる

また、問題が出題されてから答える間に練習時間を設けるなど、受験者が普段の力を発揮しやすいようにしている他、アカデミックやビジネスなどのような専門領域は扱わず、誰でも経験したことがあるジェネラルな問いが出題されるようになっている。このことによって、英語が得意な中学生をはじめ、高校生、大学生、社会人等すべての人が対象となる。さらに、問題は乱数で自動生成され、近くの受験者とは異なるものを出題。受験者同士が同じ問いに答えることで不正が起こる、といったことがないよう配慮するなど、細部にまでこだわってつくられている。

実際のテストを体験する参加者たち

実際のテストを体験する参加者たち

CEFRでいうA1〜B2レベルの能力が測定できるこのテストの受験方法と受験料は、「団体受験」が4500円、「公開受験」が6000円、「個人受験」が7000円となっていて、日本を代表する複数の大企業がすでに団体受験の申し込みをし、試験を実施し始めているという。また、どんなパソコンからでも自由に受験できる、準公式版もリリースされる予定である。

安河内氏は「E−CATは、学校や企業での英語教育によい影響を与えられることを目指しており、今後大きなテストに育てていきたい」と抱負を語っている。E−CATに関する問い合わせは、電話03・3513・4511(iTEP Japan)へ。

新TOEIC 実践力問う

英検やTOEFLと並ぶ英語能力試験、TOEICテストの出題形式が5月、10年ぶりに改訂される。文脈理解力を問うリーディング問題や3者間の会話を聞き取るリスニング問題が登場する。従来のTOEICは解き方のコツさえ身につければ点数アップが望めたが、今回の改訂では「実際のビジネスシーンで使われているのに近い実践的な英語能力を測る問いが増える」。“攻略のための英語学習”をしてきた受験者にはこれまでより難しく感じるだろう。

都が「英語村」事業者公募

東京都は2018年をメドに臨海部に開設する「英語村」の整備・運営事業者を公募する。4月中旬に募集要項などの説明会を開催。8月にプログラムの内容や利用料金、収支計画などを提案してもらい、10月に事業者を決める。

 英語村は主に小学生から高校生までの児童・生徒に英語漬けの学習環境を用意し、グローバルに活躍できる人材を育てる施設。江東区青海のタイム24ビル内に開くことを決めている。

筑波大・ICU 連携協定

筑波大と国際基督教大学(ICU)は4月6日、学生が相手校の授業を受けたり、海外協定校に留学したりできるようにする連携協定を結んだ。筑波大は英語で受けられる授業が少なく、ICUは理系などの教育体制が不十分という課題を抱える。協定により、相手校の授業の受講や卒業研究の指導を長期にわたって受けられるようにし、単位も認める。ICUが約70校、筑波大が約250校持つ協定校についても両校の学生が留学できるようにする。今年度から始め、各校20人程度を授業で受け入れることを想定している。

タイに柳川高の付属中開校へ

福岡県柳川市の私立柳川高校を運営する学校法人「柳商学園」は、5月8日にタイで付属中学を開校する。現地の子どもたち向けで、卒業生を留学生として柳川高校に受け入れる考え。開校するのは首都バンコクから約800キロ南のナコンシータマラート。1学年の定員は96人で、カリキュラムには日本語教育を採り入れる。卒業生のうち、毎年30人程度を留学生として柳川高校に入学させる計画という。

英語指導充実、各段階で

経済・社会のグローバル化への対応が求められる中、文部科学省は小学校から高校までの各段階で英語指導の充実を進めている。小学校では2011年度以降、5~6年生を対象に音楽やゲームを使った「外国語活動」が年35時間行われているが、次期学習指導要領が実施される20年度から、英語を正式な教科にする。外国語活動の開始は小3に前倒しする方針だ。中高生向けには昨年、「生徒の英語力向上推進プラン」を発表。各都道府県に英語教育の具体的な達成度や数値目標を公表するよう求めた。

生徒の英語力、文科省初公表 中学は千葉・高校は群馬が1位

 文部科学省は4月4日、全国の公立中学・高校の生徒の英語力に関する2015年度調査の結果を発表した。都道府県別の状況が初めて公表され、中3で実用英語技能検定(英検)3級程度以上の力があるとされた生徒の割合は最高の千葉(52.1%)、秋田48.6%、東京47.9%と続いた。一方、高知25.8%、熊本26.9%など8道府県が30%を下回った。高3は同様に英検準2級程度以上の力がある生徒の割合を調査。最も高かったのは群馬の49.4%。ほかに千葉45.5%、福井42.5%などが高く、沖縄21.8%、和歌山22.5%などが低かった。

 全国平均は3級程度以上の中3生の割合が36.6%(前年度34.6%)、準2級程度以上の高3生の割合が34.3%(同31.9%)で、ともに年々向上している。もっとも、政府は17年度までに中学卒業段階で3級程度以上、高校卒業段階で準2級程度以上の割合をそれぞれ50%にする目標を掲げており、達成は厳し状況だ。

東工大学長、全文英語で式辞 入学式で約9分間

The Tokyo Tech community is pleased to welcome new students(皆さんの本学への入学を歓迎します)。東京工業大学(東京都目黒区)で4日にあった入学式で、三島良直学長は約9分間、式辞の全文を英語で述べた。同大の入学式では初の試み。式辞で三島学長は「在学中に1回は海外経験をしてほしい」「皆さんの将来の舞台は世界。ぜひ挑戦して下さい」と呼びかけた。三島学長は材料工学の研究者で、米国留学の経験がある。2012年まで副学長として国際事業を担った。