社民党が7月の参院選前の解党と民進党への合流を検討していることが5月12日明らかになった。吉田忠智党首が同日午前の常任幹事会で提案した。民進党の岡田克也代表に合流を打診しており、近く会談する見通し。参院選に向け、自民党に対抗するための野党結集を優先すべきだと判断した。吉田氏は12日の常任幹事会で「民進党との合流を一つの選択肢として考えなければいけない。合流の決断を提起したい」と表明した。党最大の支援組織である自治労にも合流方針を伝えた。
『BranCo! 2015』の決勝プレゼンテーションが、3月12日、東京大学駒場キャンパスにて開催された。このBranCo!は、学生のための「ブランドデザインコンテスト」。東京大学教養学部と博報堂ブランドデザインが主催するこのコンテストは、次代の教育を考えるヒントが数多くあった。
BranCo!は、東京大学教養学部で開講している「ブランドデザインスタジオ」の拡大企画として、対象を東京大学の学生から他大学の学生も参加可能にし、2012年から行われている。
このコンテストは、毎回違うテーマに基づき、ブランディングをし、プレゼンテーションの出来を競う。しかし、ただブランドをデザインするのではなく、博報堂によるセミナーに参加し、〝学ぶ〟時間が用意されている。
また、予選通過したチームは、チーム毎に博報堂のスタッフがアドバイザーとして参加し、協働してブランドを構築し、様々な視点から最終的にプレゼンテーションをおこなうのが特徴だ。
1チーム3~6名の学生がエントリーし、今回は総勢674名147チームが参加した。今回のテーマは、「『学び』に関する新しいブランドをデザインする」。予選を勝ち抜いた4チームが、決勝プレゼンに臨んだ。また、残念ながら決勝に残れなかったチームも、今回の決勝を見届けるべく、多数が参加していた。
プレゼンテーションの合間には、ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介氏、女優の鈴木杏樹氏、サイエンス作家の竹内薫氏の講演も行われた。
「メディアの情報を鵜呑みにしないで、主体的に情報を解読する力を身に着けてほしいと思います」と、津田氏は語り、情報の“ギャップ”について語った。
鈴木氏は、自身の留学経験を踏まえ、その後の人生に大いに影響を与えたことを語った。
「自分の中で、もっとも大切だった時間がイギリスの5年間です。外から日本を見たことによって、日本人というものを意識的にとらえることができました」と語り、海外での暮らしを薦めていた。
竹内氏は、現在、未来小学校という株式会社立の小学校の設立に向けて奔走していると言う。英語とプログラミングの重要性を語るとともに、自身の小学校設立のために取り組んでいるリサーチやマーケティング、資金作りなどをもとに、ビジネスの進め方を具体的に語った。
「日本全体として世界に後れを取ってほしくないと思い立ち上がりました。日本全体に波及させないといけない。地方創生を含めて、日本を変えないと意味がないと思っています」と、竹内氏は語った。
さらに、サプライズゲストに「乃木坂46」の秋元真夏さん、生田絵梨花さん、伊藤かりんさん、松村沙友理さん、若月佑美さんが登壇。5人はチームとして、プレゼンテーションを行った。
アイドル活動を通じて学んだことから、人々の役に立つアイデアをデザインし、学生同様、アドバイスを受けながら、見事なプレゼンテーションを披露。大いに会場を沸かせた。
グランプリに輝いたのは、伊藤望さん(神戸大学4年生(当時))、大川将さん(関西学院大学4年生(当時))、福田沙季さん(関西学院大学4年生)のチーム「つくしーず」。
調査をもとに、学びをテストの点数など取るための「手段的学び」と自分を高めるための「自己目的学び」に分類し、前者を後者に変えるためのデザインをプレゼンテーションした。
それを具現化したものが「ノメル」という飴。この飴は、口に入れてからちょうど〝25分で消えるという飴〟であり、学習をする際にこの飴を口に入れて、25分集中して学べるようにデザイン。学びを阻害する時間を測るツールに邪魔されることなく、学びを行えるようにし、学ぶ環境づくりを新しい視点で見事に表現した。
「3週間ぐらいずっと同じことを悩んでいました」(伊藤さん)
「予選を終えたあと、フィードバックをいただいたときに、さらによくするために考えたのですが、前にも後ろにも動けませんでした」(大川さん)
「どこを捨てたらいいのかわからない状態でした」(福田さん)
予選後にアドバイザーから問題点の指摘を受けたときに、大きな壁にぶつかったそうだ。それを乗り越えてのグランプリであり、満面の笑みを浮かべていた。
伊藤さん、福田さんは広告業界に身を置き、大川さんは大学院に進学したそうだ。これからの活躍が大いに期待される。
「BranCo! のコンセプトは、『正解のない問いに挑む』であり、これは今、様々なところで求められていることです。その中で、アクティブラーニング型の授業を、コンテストの形を取り、学生がチームを組んで協働できるようなしくみとして作りました」と、BranCo!を中心になって組織した博報堂ブランドデザイン代表であり、東京大学特任教授の宮澤正憲氏は、その意義について語ってくれた。
プレゼンテーションを行った学生だけでなく、司会をはじめとした運営も学生たちが担っていた。宮澤氏が語るように、アクティブラーニングのひとつの形として、非常におもしろい試みである。このコンテストは、今年度も開催される予定だ。
去る4月21日(木)、株式会社エデュケーショナルネットワーク(以下、EN社)は、大阪にて『2016年度中学入試情報セミナー』を開催。私立中の入試広報担当者や塾などを対象に、同社が集積した直近の関西圏中学入試データから市場傾向を総括しようというものだ。参加者は学校関係者が73校・126名、民間教育事業者は30社・57名。受験生となる12歳人口の減少などを背景にしてか、参加者の多さがその危機感を物語っている。
しかし、中学受験事情に詳しいEN社の藤川享氏が同セミナーで語ったところによると、暗いニュースばかりではないと言う。ここ2年、中学入試の機運は盛り上がりを見せており、受験生数そのものはほぼ横ばいだが、受験「率」は2014年度の8.7%を底に、9.0%(15年度)、9.2%(16年度)と上昇傾向にあるという。
また、この流れに乗り受験生(入学者)を大きく伸ばした学校もある一方で、大きく定員割れする学校もあるなど二極化が激しいのも近年の傾向、と藤川氏。人気校の共通項として挙げられるのは以下の五点だ。①京阪神大への進学がはっきりイメージできる「難関進学校」。②クラブとの両立も可能で、国公立大への進学も狙える「ソフトに見える進学校」。③関関同立クラスの附属校 ④併設大学をセーフティネットとし、それ以上の大学進学を期待させる「半附属校」。⑤学校改革などで今後が期待できそうな「新進校」。共通キーワードとして見えてくるのはやはり六年後の進路保証であり、中学受験をする保護者層にとって最大の関心であると言えそうだ。
逆に苦戦しているのは、そうした「出口」に対する保証の弱い偏差値五四以下の学校と、進路特性の出しにくい女子校だ。私立の学費を考えたとき、いわゆる「普通の」女子中学校を私立受験するくらいなら、難度的に多少無理をしてでも先述の附属系共学校を狙わせ、ダメなら地元の公立中から上位の公立校を目指そうという傾向が強いと見られる。こうした女子校不遇は当面続きそうで、全国的な共学化が加速する中、関西圏でも次年度からさらに二校の女子校が共学化に踏み切る。参加したある女子校の教諭は「かつては女子校ならではの教育理念や数値化できない強みに魅力を感じてくれる保護者も多くいたが、近年はやはり出口保証がないと厳しい」と複雑な表情を見せた。いずれにせよ、次代のニーズと学校の個性や理念をいかに共存させ、不易と流行の学校改革を進めるかが私立校生き残りのカギとなるだろう。
次回の同セミナーは9月15日(木)開催。17年度の入試要項を総覧する予定だ。