Category: 塾ニュース

コンドルが設計の清泉女子大本館が100年

英国人建築家ジョサイア・コンドル(1852~1920年)が設計した清泉女子大本館(品川区東五反田)が4月で落成100年を迎える。同大は3月末から、落成100年を記念して、同館の写真コンクールを初開催する。同館は普段、一般の入構ができないため、写真コンクールでは、3月末~6月に計12日間、撮影用の「特別公開日」を設ける。4月5日には記念イベントも行い、一眼レフカメラの無料貸し出しやプロ写真家による技術指導も受けられる。建物の見学ツアーなども受け付ける。

学校選びの「多様化」進む 首都圏中学入試を総括 火曜倶楽部セミナーで

2015年の首都圏中学入試を総括するため、私立中高や学習塾をはじめ教育関連企業など約250名が参加する「第54回 火曜倶楽部セミナー」(幹事=後藤卓也氏(啓明舎)、富永光太郎氏(リヴィジョン)、小嶋隆氏(日能研関東)が、3月11日、東京ドームホテル(東京・水道橋)で開催された。

火曜倶楽部セミナーの様子。左から後藤卓也氏(啓明舎)、北一成氏(首都圏中学模試センター)、広野雅明氏(サピックス)、市川理香氏(日能研関東)、岩崎隆義氏(四谷大塚)

火曜倶楽部セミナーの様子。左から後藤卓也氏(啓明舎)、北一成氏(首都圏中学模試センター)、広野雅明氏(サピックス)、市川理香氏(日能研関東)、岩崎隆義氏(四谷大塚)

第1部では、「2015年中学入試総括」と題し、後藤卓也氏(啓明舎・塾長)による司会進行のもと、広野雅明氏(サピックス小学部教育事業本部本部長)、北一成氏(首都圏中学模試センター取締役教務情報部長)、市川理香氏(日能研関東中学情報部マネージャー)、岩崎隆義氏(四谷大塚情報本部本部長代行)の4名が登壇し、2015年の中学入試についての総括、分析結果が報告された。

2015年の中学入試の受験者数は、微増、微減、横ばいと意見が別れる結果に。その一方で、今回の中学入試は、サンデーショックの年だったが、これまでのサンデーショックの年と比べると「実際はあまり影響がなかった」というのが総意だった。

その中で特に印象深かったのは、「学校選びの『多様化』が進んでいる」という意見が、全員の口から聞かれたことだ。つまり、伝統や偏差値ではない評価軸で、学校を選ぶ保護者や子どもたちが増えているというのだ。特に、今回受験した子どもたちは、2020年の入試改革の年に大学を受験することになるため、それに向けて学校がどのように取り組んでいこうとしているのかが一つの鍵を握っていたようだ。例えば、充実した英語教育やアクティブラーニングの導入など、先進的な取り組みをおこない、それをうまくアピールできた学校には志望者が増加したという意見が多く出た。

さらに、学校説明会のときに在校生から学校の雰囲気が伝えられていた学校や、合格証書を子どもたち一人ひとりに、校長がメッセージを添えて手渡すといった、学校の本質的なところを見る保護者や子どもが増えたという意見も聞かれた。

「今回の入試は、数年ぶりの転換点になるのではないか」と北氏が語るように、中学入試が新たなステージに入ったことをうかがわせ、学校関係者にとっても、示唆に富んだ実のあるセミナーとなった。

中学入試も多様化のステージに入った

中学入試も多様化のステージに入った

子供が守っていないマナー「ながらスマホ」が66%

東京都が昨年12月、20歳以上の都内に住む男女公募モニター約500人を対象に、複数回答で実施した調査によると、子供が守っていないマナーとして最も多い答えは「歩きスマホなどの『ながらスマホ』」(66%)だった。「目上の人を敬う」(47%)や「インターネットなどの悪意ある書き込み」(45%)が続いた。

大阪府教育長が辞職表明

大阪府の中原徹教育長(44)は3月11日、府教育委員会の臨時会議で教育長の辞職を表明した。職員らへのパワーハラスメントや威圧的言動を府教委の第三者委員会に認定され、「現場に迷惑をかけており決断した」としている。松井一郎知事には伝えており、知事も同意する見通しだ。中原氏は弁護士出身。橋下徹・大阪市長の大学時代の友人で、橋下氏の府知事時代に公募された府立高校の校長を経て、2013年春に教育長に就任した。

多様な能力引き出しリーダー人材を育てるには igsZが中高生に体験授業

igsZの設立記念セミナーが3月1日、東京国際フォーラムで開催された。同社は、通信教育をはじめ、多岐にわたる形で教育事業を展開するZ会と、海外大学進学・グローバルリーダー教育で実績のあるigsがタッグを組み、2015年1月にスタートしたスクールだ。

開成学園の柳沢幸雄校長

開成学園の柳沢幸雄校長

セミナーの第一部では、開成学園の柳沢幸雄校長とigsZの福原正大学院長が「小中高生から目指す、世界を変えるリーダーとは?」と題した対談がおこなわれた。柳沢氏は、現代の日本を、「恵まれていた時代から、それが終わりかけている時代だと思っています。今の小中学校生にとっては、これからもっと難しい時代になる」と会場に集まった中高生と保護者に語りかけた。今の日本の生活水準は世界トップクラスだが、それに比べて満足度はかなり低く、閉塞感が漂っている。そのような状況の中で、「子どもたちには、自己決定力を身につけてもらいたい。こういう人生を送りたいと考え、選べるための自己決定力を培っていかなければならない」と続いた。

第二部では、「グローバルリーダーに必要な7つの力の磨き方」と題した同社の取り組みについて、シニアコンサルタントの後藤道代氏から紹介された。

同社の授業は原則すべて英語でおこなわれ、講師は全員が世界のトップ大学出身者。そして、7つの力である「教養基礎」、「問題設定力」、「創造力」、「クリティカルシンキング」、「コミュニケーション」、「実行力」、「自らへの理解と自信」を養うための多様なプログラムが紹介された。

生徒と対話する福原正大学院長

生徒と対話する福原正大学院長

第三部では、参加した中高生たちが2人1組になり、普段igsZでおこなわれているディスカッションの体験授業が行われた。内容は、福原学院長からレクチャーを受け、「若者に多大な人気を誇るDJ」と「文化祭実行委員長の学生」の役に分かれ、自分が演じる側のパーソナルデータだけを事前にインプットした上で、出演交渉を疑似体験するもの。

「相手の情報をうまく引き出し、自分たちの利益に繋がる交渉をしなくてはならない」と福原学院長が言うように、単純にWINWINの関係にしない「交渉術」についてレクチャーした。今回は日本語での体験授業が行われたが、実際の授業では、高校3年生までにすべて英語で行えるようにすることを目指すという。

今後、大学入試改革が進み、語学力だけでなく思考力や哲学を身につけた人材を大学側が求めるようになれば、igsZのように多様な能力を引き出す塾への要請はさらに高まるものと見られる。

igsZの体験授業の様子

igsZの体験授業の様子

幼児期から私立中高に進学する意義を考える 京都の幼児教室が教育講演会

幼児教室「けいkids+」(京都府右京区、兼田眞里代表)は3月5日、同教室に子供を通わせる母親を中心に「私立中高に進学する意義を考える~心の教育を通じた社会に通用する人間づくり~」をテーマにキャンパスプラザ京都で教育講演会を開催した。

けいkids+の兼田眞里代表

けいkids+の兼田眞里代表

他府県から参加する母親も合わせて約30名が参加した。講師には、2012年から3年間で入学者数を4倍以上に伸ばした龍谷大学付属平安中学高等学校・校長補佐の平井正朗氏を招き「私立中高に進学する意義」について90分にわたって講演した。

龍谷大平安の平井正朗校長補佐

龍谷大平安の平井正朗校長補佐

平井氏は具体的な数値データを紹介しながら、子供達が大人になる5年〜10年先の社会ではどういった人材が求められるようになるのか、それに応じて英語教育はどう変わるのか、そして中高期間に子供にどういった学習をさせるべきなのか、そのためにはどういった観点で学校選びをするといいのか、といったポイントに焦点を当てて話しを進めた。

この日セミナーに参加した小学校受験を控える母親からは「志望校を考える時にその先の中学・高校・大学のことまで考えると大変参考になった」「我が子を彼ららしく育てるにはどうしたらいいか、深く考えさせられた」といった声が寄せられていた。同教室では、今後もこういった教育講演会を開催していく予定だ。

教育講演会の様子

教育講演会の様子

ブラザー、英印刷機大手を1890億円で買収

ブラザー工業は3月11日、産業用印刷機大手の英ドミノ・プリンティング・サイエンシズを買収すると発表した。買収額は10億3千万ポンド(約1890億円)。新興国を中心に需要増が期待できる産業向け印刷分野を強化し、収益基盤を広げる。ドミノ社はペットボトルや食品の包装に賞味期限やロット番号を印字したり商品パッケージを印刷したりする機器を製造している。食品や飲料、製薬会社などの顧客を抱え、140以上の国・地域で製品を供給する。2014年10月期の売上高は約3億5千万ポンド。

ECCがオンライン英会話を開始

ECC(大阪市)は4月1日から、定額で毎日受講できるオンライン英会話サービス「ECCオンライン」を始める。利用者は午前10時から午前0時までの間で、授業の時間を自由に選ぶ。最低金額として月に900円を払うと25分の授業を2回受けられ、500円の追加で1回ずつ増える。6400円で毎日利用できるようになる仕組み。講師が利用者のパソコンの画面に会話の内容に関連する文字や絵をかいたり、教科書を表示したりする。授業はフィリピン子会社が雇用した講師が受け持つ。2020年までに年間15億円の事業に育てることを目指す。

長崎大と東芝、エボラウイルス20分で判定 従来の3分の1

長崎大学と東芝は3月12日までに、エボラ出血熱のウイルスを短時間で検出できる新手法を開発したと発表した。エボラウイルスの判定では、患者の血液や尿などから採取したウイルスのDNAを試薬で増幅させてエボラウイルスに特有の遺伝子型があるかを調べる。長崎大と東芝はDNAを従来の4倍以上の速さで増幅させる試薬の開発に成功し、時間短縮のめどを付けた。従来、判定に1時間半から2時間かかっていたのが20分程度に縮まる。17日からギニアで実際に使い、有効性を確かめる。

立命館大学国際関係学部、これからのグローバル教育についてのシンポジウムを開催

在学生と交えた行われた活発なパネルディスカッション

在学生を交え行われた活発なパネルディスカッション

立命館大学国際関係学部は3月4日(水)、「英語による学部専門教育は日本の大学をどう変えるか」をテーマにシンポジウムを開催した。同学部は国際化拠点整備事業への採択を受けて、2011年に英語のみで卒業可能なグローバル・スタディーズ専攻を設置。2015年3月に初めて卒業生を輩出する。それにあたり、2010年に同じく英語による学位プログラムを設置した早稲田大学政治経済学部を招聘し、同イベントを催すことになった。

スーパーグローバル大学(SGU)創世支援スタートによって、英語で学ぶ専攻の設置をはじめとした大学の国際化の進展が期待されており、学習塾・予備校業界においてもその時流に合わせた動きが現れつつある。同イベントでは、同学部で学んだ留学生、日本人の生徒がパネルディスカッションに登壇するなどし、立命館大学国際関係学部の成果を垣間見られる機会となった。