Category: 塾ニュース

阪大の広報戦略

大阪大学の広報戦略が注目を集めている。「3位じゃダメなんです」。昨年末、新聞の見開き広告に大阪大の平野俊夫学長が登場。両手でバツを出し「国内で3番手の現状に満足せず、創立100周年の2031年に世界トップ10を目指す」とグローバル化への取り組みをPRした。国立大では異例の広告だ。2月には英国の留学生支援サービス「QS」社の雑誌に、3月は科学誌「ネイチャー」の別冊やサイトに相次いで広告を掲載、伝統や研究実績を世界にアピールした。

目の前の問題をすぐに動画解説 「速答カメラ」アプリの可能性に迫る

速答カメラが対応している中学数学のフォレスタ

速答カメラが対応している中学数学のフォレスタ

個別指導塾「森塾」や学習アプリの企画制作、学習塾用教材の開発・販売などを手がける株式会社スプリックス。同社は2月、教科書や問題集のわからない問題を動画で解説するスマートフォンアプリ「速答カメラ」をリリースした。

 

 

速答カメラはスマホでテキストを撮影するだけのシンプルな操作性

速答カメラはスマホでテキストを撮影するだけのシンプルな操作性

このアプリは、解けない問題に当たった時に、生徒が速答カメラアプリで問題を撮影して画面上に現れたアイコンをタップすると、一問一答形式の動画解説を見ることができる。

シンプルで直感的に操作でき、とても使いやすい。再生される動画は、単に問題の解説をするだけでなく、問題を解くために必要なポイントまで解説してくれる。そして、繰り返し再生や再生スピードの調整も可能になっているため、何度でも自分のペースで反復学習が進められる。

スプリックスの常石博之副社長

スプリックスの常石博之副社長

スプリックスの常石博之副社長は「とくに数学は、解答を見てもわからない問題があります。自宅で学習するときに、動画で解説を見ることができれば、生徒の理解が進むと考えました。そのために作ったのが、この速答カメラです」と話す。

また、速答カメラを個別指導塾で導入することによって恩恵を受けるのは、生徒のみならず講師にとっても強力な支援ツールとなりそうだ。

リクルート、「受験サプリ」に加え「勉強サプリ」も オンライン学習月980円 小中学生に

リクルートマーケティングパートナーズ(東京・千代田)は3月2日、小中学生向けのオンライン教育サービス「勉強サプリ」を始めたと発表した。月980円(税別)の定額で授業の動画や問題集が利用できる。小学4年から中学3年が対象で、パソコンやスマートフォンで使える。1500時間分の授業の動画を配信する。国語や算数などの主要教科のほか、プログラミングやプレゼンテーションの講座も用意する。問題を解くとキャラクターが成長するなどのゲームの要素を取り入れる。保護者には子供の学習状況をメールで報告する。

「大学、全世代向けに」教育再生実行会議が提言へ 

教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が3月4日に安倍晋三首相に提出予定の第6次提言で、全ての人が生涯学び続けられる社会を目指し、大学や専修学校に対して現行の若者中心から全世代向けのカリキュラムへの転換を求めることが分かった。提言では、社会が目まぐるしく変化する中で、生涯を通して活躍していくためには、高校や大学までの知識では不十分と指摘。社会人になった後も、大学や専修学校で、新たな知識や技術を学び続けていく必要性を強調する。

「UOZUアカデミー」改め、「学び舎プラット」として始動

「新塾名『学び舎プラット』を発表する岡本純一塾長」

「新塾名『学び舎プラット』を発表する岡本純一塾長」

3月1日(日)、富山県魚津市にて、富山教育企画(岡本安克代表)が創立30周年・新塾名披露式典を開催した。同社は地元の地名の魚津(うおづ)にちなんだ「学習塾UOZUアカデミー」として、長らく魚津市に根ざした教育活動をしていたが、創立30周年を機に「学び舎プラット」として再始動する。新しい塾名の由来の一つは「プラットフォーム」とのことで、生徒が行き交う場所になって欲しいという思いがあるとのこと。北陸新幹線の開通により脚光を浴びている富山県であるが、この30周年を機に、更に地域に根ざして邁進していく心意気が感じられた。式典では「フリースクール寺子屋ありがとう」主宰の岸本達也氏による基調講演や懇親会などもあり、最後まで密度の高い会となった。

田舎の無名高校だった西大和学園が、全国でもトップランクの学校に上り詰めたストーリー

西大和学園中学・高等学校の創設者である田野瀬良太郎氏が『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡』を上梓した。今となっては、東京大学や京都大学をはじめ、国公立医学部へ多数の合格者を輩出し、開成中・高や灘中・高に続く全国屈指の進学校としても知られる西大和学園中・高。しかし、1986年の開校当初は、中堅公立高校のすべり止め、ごく平凡な田舎の私立高校だった西大和学園。教室から机が放り投げられ、他校とのケンカが絶えない日々も続いた。

西大和学園新著

田野瀬良太郎 著/主婦の友社 刊/1,512円(税込)

もちろん生徒も、大学進学などまったく考えてもいない。教師もまた公立校の教員採用試験に不合格だったものばかり。そんな中、「日本一の進学校」を目指し、創設者の田野瀬氏と荒削りな教師達が立ち上がる。ひとつの学校がみるみる生まれ変わっていく奮闘記としても面白く読める。

「琵琶湖の場所も知らない」生徒が、関関同立に現役で合格。引きこもりの生徒が東大理一へ。そこから、わずか数年で驚異的な進学率を誇るようになり、あっという間にで奈良県トップの進学校へと駆け上がった。西大和学園ではどんな教育が行われ、どうやって全国有数の進学校になったのか。0時間目、泊まり込み補講、夏季休暇3日、正月特訓など、一部ネット上では「受験少年院」と言われたほどの“体育会系”スパルタ受験の実態とは?

そこには、資金0から学園を立ち上げ、教師と生徒たちに夢を語り続けた、田野瀬氏の教育への熱い思いが込められていた。理想の学校経営、学校再生のすべてが詰まった熱き教育書。昨年4月には、大阪市に大和大学も開校し、グループ全体としても日本の教育に大きく貢献する西大和学園の誕生から30年の歴史が紐解かれる。

ネット犯罪、対策「不十分」6割

デジタルアーツによると、子供をネット犯罪から守るための対策や教育について「不十分」とした親が64%に上った。22%が「分からない」と回答したほか「十分だと思う」と答えたのは13%にとどまった。調査は1月、0歳から小学3年生の子供を持つ親595人を対象にインターネットで実施した。子供を守るうえで有効な方法を複数回答で尋ねたところ、「情報モラル教育の強化」が54%と最多で、ともに51%台の「端末側の機能制限」と「アプリなどの提供者の年齢制限」より高かった。

学生、バイト月2万5000円  14年調査

全国大学生協連(東京)の「学生生活実態調査」で2月28日までに、2014年の下宿大学生の1カ月平均アルバイト収入額が08年のリーマン・ショック以降、最高の2万5560円となったことが分かった。親からの仕送り額は13年を除き減少傾向が続いている。昨年秋、全国の大学生9223人から回答を得た。このうち、下宿生の収入合計額の平均は12万2170円。アルバイト収入は前年比2460円増となり、リーマン・ショック前の07年の2万6780円に近づく水準となった。仕送りは7万140円で、前年から2140円減少した。

学研がカワイ音楽教室に新コース

学研HDは4月、河合楽器製作所の「カワイ音楽教室」に国語や算数を教えるコースを新設する。全国約2千ある既設のカワイ音楽教室に「学研教室コース」を埼玉県と浜松市に計5教室を設ける。年内には30教室に広げる計画だ。受講料は2教科で月8230円。早期に100教室5千人の受講を目指す。

株式会社成学社(開成教育グループ)が保育園を開園

かいせい保育園の外観

かいせい保育園の外観

学習塾「開成教育セミナー」や「個別指導教育学院フリーステップ」を運営する株式会社成学社(開成教育グループ)が、この4月、大阪府豊中市に「旭丘かいせい保育園」を開園する。

同園の特徴は、「かいせいピグマリオン」というカリキュラムを、知育教育として導入しているところにあるだろう。これは、幼児英才教育「ピグマリオンメソッド」の創設者・伊藤恭氏によって、同園のため独自に作成されたカリキュラムとなっている。

ピグマリオン・メソッドとは、教えるのではなく、子どもたちの自ら学ぶ意欲を大事にし、指先→空間→図形→数論理→言語という順番で認識能力を高 め、養うことを目的としたメソッド。その教材には、たくさんの図形に触れ、遊びを通して図形形態把握能力を育成する「天地パズル」や、数を数えるのではな く、『5進法』から入り、20までの足し算・引き算を自在に行えるようにするための教具「ヌマーカステン」などを使用し、楽しみながら、数・図形・空間把 握能力、言語力、知識力を養う。そして最終的には、社会性・人間性を身につけ、自己愛だけでなく、他者への愛を育めるようになっている。

かいせい保育園の内装

かいせい保育園の内装

さらに、絶対音感トレーニングとして、田中準子氏の音楽指導法「J・Tメソッド」を毎日の保育に取り入れる。遊びの楽しさから達成する喜びへ無理な く導くこのメソッドを通して、見る力、聞く力、集中力を高め、絶対音感・リズム感を育成する。言語教育としては、週1回の英会話の時間も設けられている が、英会話だけでなく、詩などの音読の時間を設け、母国語である日本語をしっかりと身につけることを何より大事にするそうだ。

また、腰骨を立て(背筋を正して姿勢を伸ばし)精神を統一する「立腰(りつよう)」プログラムを導入し、子どもたちが自ら心と体を整える力を育成し、挨拶など、基本的なマナーや礼儀作法を学べるようになっている。

成学社の平野秀一取締役

成学社の平野秀一取締役

成学社の平野秀一取締役は「未来を担う子どもたちは、みな素晴らしい可能性を秘めています。これらのプログラムは、それを引き出し、豊かな感性、知性が育まれるようなプログラムになっています」と話す。

同園の知育教育プログラムは、小・中学受験にも対応できるように想定されているといい、園児たちの卒園後の成長も見据えたサービスを提供するのだと いう。ここ数年、学習塾が幼児教育に進出するケースが増えているが、旭丘かいせい保育園のように、学習塾の特性を活かし、子どもの学力を長期的に育成して いく保育園や幼稚園の開園は、今後も続くものとみられる。