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国内、医学基礎研究に偏り 官民挙げ実用化支援

日本から世界の主要学術誌に掲載された医学分野の基礎研究の論文数は高い水準にある。一方で研究が基礎研究に偏り、実用化が遅れていることが以前から問題視されている。政府もこうした事態を重くみて、てこ入れを進めている。文部科学省は2013年度から「未来医療研究人材養成拠点形成事業」として、全国10大学で基礎研究のシーズ(種)を実用化する人材を育てる教育プログラムの支援を開始した。千葉大、鳥取大、金沢大はプログラムで選ばれた。文科省は各大学での試みをモデルケースとして、全国に広げたい考えだ。

セーラー万年筆「就活ボールペン」は東京都市大の発案

セーラー万年筆の「就活ボールペン」は0.5ミリ(極細字)、0.7ミリ(細字)、1ミリ(太字)と異なる3種類の太さのペン先を1本で使える。東京都市大学知識工学部の授業「製品企画」で学生チームが出した新製品の企画案を同社に持ち込んだところ即採用され、商品化された。手帳は極細字、履歴書は細字、宛名書きや強調したい所は太字で――。就職活動では同じ黒ペンでも様々な使い方があり「別々に持ち運ぶのが面倒」というニーズに応えた。構造は「3色ペン」と同じだが同色で太さを変える発想は「ありそうでなかった」と同社。

東大・阪大・東北大、スタンフォード大と提携、医療機器開発で人材育成

東京大学、大阪大学、東北大学の3大学は米スタンフォード大学(カリフォルニア州)と提携し、今秋から医療機器の開発に秀でた人材を育てる取り組みを始める。米スタンフォード大から「バイオデザイン」と呼ばれる実践教育プログラムの講座を導入する。3大学は医学生や研究者に加え、製薬企業や医療機器メーカーなどの社員も受講生として募り、医療現場の声に基づいた独自性の高い機器の開発につなげる。欧米に比べて出遅れている医療機器の開発要員を育成し、関連産業の競争力を高める考えだ。

2014年設立の総合大学「ミネルバスクールズ at KGI」

サンフランシスコで2014年に設立された総合大学が「ミネルバスクールズ at KGI」、初年度の入学生がたった28人の新設大学。創設者のベン・ネルソンはシリコンバレーで企業経営に携わり、産業界が求める人材と有名大学卒業生の間の適性ギャップや高額な学費に疑問を感じてミネルバの立ち上げを決意した。ハーバードやスタンフォードなどの名門大学から次々と優秀な教授がカリキュラム策定や学生指導に参加、背後に控えるベンチャーキャピタル(VC)の存在が知名度を押し上げる。

古くはイーベイ、最近ではツイッターなど名だたるIT(情報技術)企業の創業期を支えたVC、ベンチマーク・キャピタルがミネルバに12年に2500万ドル(約30億円)を出資。このため、同校は学校でありながら将来性有望なベンチャー企業のように語られる。

東京都市大、「二子玉川ライズ」に新キャンパス

東京都市大学(東京・世田谷)は6月1日、東京急行電鉄の二子玉川駅に隣接する「二子玉川ライズ」内に新たなキャンパスを開く。新キャンパスは「二子玉川夢キャンパス」で、ライズのオフィス棟8階に設ける。広さは約570平方メートルで、開館時間は午前10時~午後7時(土日・祝日は午後4時)。学生がグループ学習や研究成果の発表などに使うほか、サークル活動用のスペースも用意する。地元住民を対象にした科学体験教室などのイベントも実施。情報発信拠点にも位置付け、同大の知名度向上につなげる。

明大の「入ってみたくなる図書館」

明治大学和泉キャンパス(東京・杉並)和泉図書館のコンセプトは「入ってみたくなる図書館」だ。多くの学生が集まるのは、読書以外の目的でも利用できる仕掛けが充実しているからだ。2階の「コミュニケーションラウンジ」は通常の閲覧室とはドアで隔てられており、普通に会話できる。14年度の年間入館者数は80万人超と、建て替え前の約1.6倍に。1、7月と入学試験期間中以外は、登録すれば20歳以上の杉並、世田谷区民も利用できる。

宇都宮大に新学部「地域デザイン科学部」

宇都宮大は4月22日、2016年4月の設置を目指し文部科学省に申請している「地域デザイン科学部」のカリキュラムや入試の概要を発表した。新学部には「コミュニティデザイン」「建築都市デザイン」「社会基盤デザイン」の3学科を設ける。入試は、センター試験と2次試験を課す一般入試のほか、3学科とも、自己推薦や面接などで総合的に評価するAO入試などを実施する。8月末に設置が認可されれば、10月からAO入試を行う。いずれの学科も、まちづくりに貢献できる人材育成を目指す。

九工大にインタラクティブ教育棟

九州工業大学の戸畑キャンパス(北九州市戸畑区仙水町)に4月、未来型インタラクティブ教育棟と、国際研修館が開所した。教育棟は3階建てで、遠隔講義システムを備えたグループワーク教室や、デザイン工房などがある。専任教員が常駐し、授業でも使われる。国際研修館は宿泊施設と研修室を備えている。宿泊施設は、3人1組で生活し、それぞれの個室や、共用のトイレ、シャワー、キッチンがある。個室は42室で、女子専用フロアもある。入居は原則1年間で、1年間の延長も可能。

千葉大16年度から6学期制

千葉大(千葉市稲毛区)は4月22日、2016年4月から1学期を2カ月程度とし、1年を6学期に分ける「ターム制」を全学で導入することを明らかにした。ターム制では夏休み(8、9月)や春休み(2、3月)の期間にも学期を設け、集中講義のほか、留学生の受け入れプログラムを行うという。同大によると、ターム制の導入で留学生の受け入れを促すほか、日本人学生も海外の大学のサマースクールに参加しやすくなるなどの効果があるという。

東京医科歯科大スポーツサイエンス機構

2014年10月、東京医科歯科大学が設けたスポーツの科学研究に取り組むスポーツサイエンス機構。ケガの治療・リハビリから、競技能力向上のためのトレーニング法まで、スポーツ選手をトータルにケアするための研究に取り組む。機構は2つのセンターから成り立つ。1つはスポーツにかかわる治療やリハビリなどを担う「スポーツ医歯学診療センター」。もう1つは現役選手らの目線から効果的なトレーニングプログラム開発を目指す「スポーツサイエンスセンター」で、こちらには室伏広治ら外部人材を積極的に招いた。