Archive for: 3月 2014

白血球など作る遺伝子を発見 京大

京都大の長沢丘司教授らは、血液中の白血球などを作る遺伝子を発見した。マウスの実験で突き止めた。見つけたのは「Foxc1」と呼ぶ遺伝子。この遺伝子を欠いたマウスは白血球や赤血球を作りにくくなった。このことから血液系の細胞を作るのに必要だと分かった。遺伝子の働きを抑える薬を作れば、白血病を抗がん剤で効果的に治療できる。反対に活性化させれば、抗がん剤や放射線治療で白血球などが減ったがん患者の治療にも利用できる。さらにこの遺伝子の働きを利用すれば、白血球の元となる細胞を大量に作れる。

下村文科相「断固許されぬ」アンネの日記破損

下村博文文部科学相は2月28日の閣議後の記者会見で、「アンネの日記」破損事件について「このような本を破損することは断固許されるべきではない」と非難した。アンネの日記が世界記憶遺産に登録されていることに言及した上で「ナチスのユダヤ人迫害を語り継ぐ人類共通の遺産。今回の事件で、日本がファシズムに向かっていることはないと、海外にメッセージを送る必要がある」と話した。イスラエル大使館が被害を受けた東京都内の図書館にアンネの日記の関連本を寄贈したことにも触れ「心から感謝申し上げたい」と述べた。

2014年3月4日の塾株


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啓林館、参考書解説の授業動画を配信

新興出版社啓林館(大阪市)は、有名進学校の教員が参考書の設問を解説した動画を配信するサービスを4月1日から始める。スマートフォンなどで見られる。動画は、参考書を執筆する教員20人が設問ごとに解説する内容だ。対象は啓林館の中高生向け参考書のうち19冊分。会員制サイトで公開する。専用アプリ(応用ソフト)で再生できる。サービスの利用料は月額500円。携帯料金で一括決済でき、1カ月ごとに契約更新しなければ自動的に退会処理される。子供が使わないのに利用料だけ払うのを防ぐ。

大学進学、親は費用に関心

リクルートマーケティングパートナーズが2月発表した調査で、高校生の子供がいる保護者に大学進学を巡り重要と思う情報を尋ねたところ、「進学費用」が53%を占めて最多だったことが分かった。5項目までの複数回答で「入試制度の仕組み」(52%)や「学部・学科の内容」(44%)が続いた。調査は2年ごとで、今回は昨年9~10月に実施。前々回(2009年)は「入試制度の仕組み」が最多だったが、前回(11年)から「進学費用」が逆転した。

2014年3月3日の塾株


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2014年3月の塾歴(じゅくごよみ)

(2月28日現在/敬称略)

3月1日(土)10:00-
「片山学園高等学校第4回卒業証書授与式」
会場:片山学園高等学校体育館
3月1日(土)~3月10日(月)
国公立大学 前期日程試験 合格発表
3月6日(木)13:00-15:00
2014年度私塾界セミナー 出展検討説明会
お問い合わせ先:03-3987-0838(私塾界 セミナー運営事務局)
3月6日(木)18:15-20:30
安田教育研究所主催
「2014年中学入試から私学の今後を考える」
会場:中央大学駿河台記念館2階
お問い合わせ:03-5413-3320(安田教育研究所)
3月11日(火)18:30-
「第109回博友会-2020年に向けて、日本が目指すこと」
会場:東京プリンスホテル 2階 サンフラワーホール
お問い合わせ:03-3508-7084(博友会事務局)
3月12日(水)~
国公立大学 後期日程試験
3月16日(日)10:00-13:00
日本公文教育研究会主催
「創始者 公文公生誕100年式典」
会場:パシフィコ横浜
3月17日(月)13:00-16:00
(株)興学社主催
「平成26年度入社式、年次総会」
会場;杜のホールはしもと
お問い合わせ:044-959-4001(担当:総務部 町田)
3月18日(火)18:00-21:00
20周年記念 火曜倶楽部シンポジウム2014
会場:パレスホテル東京
3月20日(木)~3月24日(月)
国公立大学 後期日程試験 合格発表
3月21日(金)~3月29日(土)
独立行政法人科学技術振興機構主催 文部科学省後援
「スプリングサイエンスキャンプ2014」
お問い合わせ先:03-3212-2454(サイエンスキャンプ本部事務局)
3月30日(日)14:00-
「第5回 須原英数教室 創塾35周年記念教育講演会」
会場:八尾西武8階バンケットルーム
お問い合わせ:072-996-7616(須原英数塾)

スタバ 契約社員800人を正社員に

スターバックスコーヒージャパンは4月1日から約800人いる契約社員のほぼ全てを正社員にする。2015年3月期から出店拡大を急ぐ考え。店長を担える人材の育成が課題で、即戦力である契約社員を取り込む。正社員にすることで待遇を改善し従業員のやる気を高める。同社の契約社員は店長を補佐する業務を任されていて、時給制で1年の有期契約だ。4月以降は月給制でボーナスも出るため「一般に給与の総額は増える」(同社)。正社員数は現在の1800人から2600人に増える見通し。

日経大学改革シンポ「グローバル人材の資質や養成議論」

日本経済新聞社主催の大学改革シンポジウム「グローバル人材になるには」が2月27日、東京・千代田のイイノホールで開かれ、学生や大学・企業関係者ら約500人が参加した。新浪剛史・ローソン最高経営責任者(CEO)は基調講演に続き、ジャーナリストで東京工業大教授の池上彰氏をモデレーター兼パネリストにパネルディスカッションを開催。黒田玲子東京理科大教授と柳川範之東京大教授を交え、グローバル人材に求められる資質や大学教育のあり方、異文化に触れることの重要性などを巡って活発な議論が交わされた。

TOP LEADER Interview|成基コミュニティグループ 代表 佐々木 喜一 氏

「世界中の人々を幸せにする人財輩出機関 日本一」を目指して。メイン_1139

2012年に創業50年という大きな節目を越え、次なる50年へのスタートを切った『成基コミュニティグループ』。代表の佐々木喜一氏は、教育再生実行会議の委員にも選ばれた塾業界のリーダー的存在である。日本のため、ひいては世界のために、教育改革に手腕を振るう佐々木氏に、成基コミュニティグループとしての新たな取り組み、そして、これからの教育の在り方について伺った。

50年目の決意を「成基100年構想」に。

2012年10月の創業50周年記念式典にて発表された『成基100年構想』についてお聞かせください。

「成基コミュニティグループ(SCG)の中で最長の歴史を有する成基学園は1962年5月4日に創立し、2012年で50周年を迎えました。創立50年の企業の生存率というのは、民間の信用調査会社・帝国データバンクの『法人の経年生存率』によれば、わずか0・7%に過ぎません。1万社に換算すると70社しか生存していないことになります。さらに創立100年ともなれば0・03%と、たった3社しか残っていません。
SCGが100周年を迎えるためにはどうしたらいいか。というと、もう日本一を目指していくしかない。それなら、どんな日本一を目指したらいいだろう。それが『成基100年構想』の発端でした。
社員一人ひとりが、どんな分野で日本一を成し遂げたいのかを真剣に考え、結果、3427もの構想が結集。それを私たちのグランドミッションに照らし合わせて精査し、ゆるぎない目標として結晶化させたのが、10年後までに実現する9つの項目、30年後までに実現する2つの項目。そして、50年後の100周年までに『世界中の人々を幸せにする人財輩出機関 日本一』の実現なのです」

──グランドミッションというのは何でしょう。

「ピラミッド型の『価値基準の概念図』を見てください。その最上位に位置づけられる一つがグランドミッションです。SCGは何のために存在しているのか、といった時の依って立つところであり、道に迷ったりした時の戻るべきベース。いわゆる経営理念にあたるものですね。TOP LEADER_03_03

グランドミッションは、創立者佐々木雅一によって記された設立趣意書の理念を受け継ぎ、こう制定しています。『私たちの大いなるミッション(使命)は、地球・国家・地域レベルの様々な課題に対して「人づくり」という観点から問題解決を図ることである。そして、自立した人間として、仕事を通して人に喜びや感動を与えられる能力を高め、感性豊かな本物の人間になるため、自ら鍛え上げることである』と。

いま地球レベルの課題というと、地球温暖化などの環境問題、格差や貧困や紛争といった南北問題があります。これは私たちが直接解決できる問題ではありません。けれども、そういう課題を解決できる人をつくっていくことはできる。単に難関中学校に受かったとか、高い点数を取ったとか、それは子どもたちのゴールではない。世界のため、日本のため、地域のため、より多くの人のためになるような高い志を持って未来へ向かっていけるような子どもたちをサポートすることが私たちのミッションなんですね。
そのミッションに基づいて、顧客となる保護者様とバリューを共有し、『成基100年構想』といったビジョンを描き、それを達成するための方針を打ち立て、行動していく。全体を仕組み化して行動をデザインすることで、着実に向かうべき方向へと進むことができるのです」

社員一人ひとりにも、それぞれの使命がある。

──グランドミッションの他にもミッションはあるのですか。

「もう一つ、パーソナルミッションがあります。自分は何のために生き、何のために働いているのか。社員一人ひとりが深く探求して明確化した個人のミッションですね。
ふだん、私たちは自分の見える範囲、行動する範囲で物事を完結させようとして、地球の裏側で飢餓で苦しんでいる子どもがいようが、戦争をしていようが、自分は関係ないという発想になりがちです。『シンク・グローバル アクト・ローカル』という、グローバルな視点に立って身近なことから行動しようと考えた時、自分らしく命を燃やせるものは何なのか。それをワークショップを通して設定していきます。
パーソナルミッションができると、今までには到底得られなかったブレークスルー、言い換えると『奇跡』を生むことができる。逆に、ミッションが明確になることで、できていないことも明確になってブレークダウン、つまり落ち込んだりすることもある。それでもワークショップを終えたほとんどの社員は、すっきりしたと言ってくれるんですよ。
他人から、こうしなさいと言われてやったことは責任をとらなくなるけれど、自分の深いところから出てきたものに基づいて行動すれば、そうはなりません。何のために仕事をするのかというと、自分のミッションを達成するため。仕事は自分のミッションを達成するためのツールなんです。時には、SCGでは達成できないミッションになることもありますが、それはオッケーです。そのミッションに従って会社を辞めることになったとしても、『卒業』として温かく見送りたいと思います」規範意識の確立へ。大切なのは「7S」と「4J」。

──政府の教育再生実行会議に参加されて、どんな実感をお持ちですか。

「安倍首相と下村文科大臣が強力なリーダーシップを発揮し、いま政府は『教育再生』を急ピッチで進めようとしています。その最も重要なキーワードとして掲げられているのは『グローバル人材』、そして『世界に誇れる学力の育成と規範意識の確立』です。
2009年に(財)日本青少年研究所がまとめた『中学生・高校生の生活と意識報告書』の中に、とても興味深い調査結果があります。『自分はダメな人間だと思いますか?』という質問には、日本の中学生は56%、高校生にいたっては65・8%と、アメリカ・中国・韓国にくらべかなり高い割合で、ダメだと思っているのです。また、世界の中学生を対象としたOECD等の調査によると、日本・アメリカ・中国・韓国・EUの中学生に『親や先生を尊敬していますか?』と質問したところ、アメリカ・中国・韓国・EUでは80%以上が『尊敬している』と答えたのに対して、日本の中学生はわずか20・7%にとどまっています。成基の生徒に同様の調査をおこなったところ、アメリカ・中国・韓国・EUの中学生より高い88・2%でした。日本の教育が抱える問題の根源は、この低い規範意識にあるのだと思います」

──規範意識を確立するために取り組まれていることはありますか。

「規範意識は一朝一夕に確立するものではありません。SCGには創立以来、塾に入る前には門標会釈、授業がはじまる前には合掌・黙想といった作法を通して頑張る気持ちや、勉強ができる環境や家族への感謝の気持ちを心に刻んできました。『成基の7S』と呼ぶ、整理・整頓・清掃・清潔・仕組み・しつらえ・躾の徹底もその一環です。
さらに、『自分はダメな人間なんかじゃない』という自己肯定感、『自分は尊ばれるに値する』という自尊心、『これだけのことをやった』という自負心、『やればできる』という自信。この『4J』を人格の基として、日々の授業の中での小さな成功体験を通じてしっかり形成しています。成基は、まさにお子さまの『成功基地』なのです」

未来の日本代表を育む「アップ・ジャパン・プロジェクト」。

──グローバル人財の育成、これからの教育についての改革や取り組みをお聞かせください。

「今の子どもたちには志がない。先生自身に志がないから、子どもたちが持つわけがないのですが、『志教育』こそ一番大事なことだと私は思います。志は夢とは違います。例えば、〝フェラーリに乗りたい〞というのは夢であって、志ではありません。ベクトルが自分のために向かうのではなく、世のため人のためになったときにはじめて志になるのです。それをイメージ化したものが、2020年をターゲットにした『アップ・ジャパン・プロジェクト』です。『君は日本の代表なんだ。』をキャッチコピーに、自分は何の分野で日本代表を目指すのか、志のフラッグを掲げようという発想です。何も英会話ができることだけがグローバル人財じゃない。日本の伝統文化やサブカルチャーを伝えることも、あいさつがしっかりできることもグローバル人財には必要な要素。それぞれに異なる分野で突き抜けていく、子どもたち一人ひとりが主役なのです」

──民間教育と公教育との連携という部分についてはどうお考えですか。

「日本のためになるということは、究極は世界のためになることだから、公教育では動ききれない部分はサポートしていこうと思っています。そのコアとなるのが語学。国は小学5、6年生の英語授業を週3回に増やすと言っていますが、週3回の授業ではネイティブな語学力は到底身につかないでしょうし、しかもそれは2020年からの話。公教育では北海道から沖縄までレベルを押し並べなくてはいけませんから、まずは教師の育成のために7年間の猶予があるわけですね。今年の小6年生から大学入試はTOEFL等になるというのに、7年後からのスタートでは受験に備えられません。そういう時こそ、私たちの出番。そこに新しい私教育のビジネスがあります」

月刊私塾界2014年2月号掲載