Archive for: 9月 2016

秋田に土方巽の美術館 10月オープン

舞踏家の土方巽(1928~86年)の功績を伝える美術館が10月下旬、秋田県羽後町にオープンする予定だ。約50年前、土方の姿を捉えた写真集の撮影現場となった縁があり、住民有志が発案した。土方は白塗りの肉体で感情を表現する前衛芸術「暗黒舞踏」の創始者。30代だった昭和40年秋、田園風景が広がる羽後町の田代地区を突然訪れ、子供を抱きかかえて田んぼの中を走るなど奇抜なパフォーマンスを披露。その様子を若手写真家だった細江英公さんが撮影、44年に写真集「鎌鼬」を出版した。

学テの結果データ提供、有識者が審査 文科省案

文部科学省の専門家会議は8月31日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果データの外部提供について、有識者による審査を経て提供の可否を判断する案を公表した。案では、データの提供を受けられるのは、利用目的が「児童生徒の学力、学習状況または生活習慣などの把握・改善」「教育施策の改善・充実につながること」のいずれかに限定。大学の研究者らが研究などに使用したい場合、申請書に目的やデータの種類などを記載して同省に提出し、統計や教育分野の専門家が妥当性を審査する。

新奨学金、所得の9%返還 文科相会議が制度案了承

文部科学省の有識者会議は8月30日、「所得連動返還型奨学金」について、3月の1次まとめ通り、所得の9%を返還額とする制度案を了承し、審議を終えた。2017年度に新規で無利子奨学金を借りる学生から適用する。マイナンバーを利用して貸与者の年収を把握。最低返還月額は2千円で、年収ゼロでも返還可能だが、年収300万円以下の場合は、最長10年の返還猶予が申請できる。連動型は返還が長期になる可能性があるため、連帯保証人ではなく、日本学生支援機構の関連機関に奨学金の一部を保証料という形で、返還を担保する。

グーグル決済、秋にも上陸 スマホ支払い 三菱UFJと提携

米グーグルは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と組み、今秋にも日本でスマートフォン(スマホ)を使った電子決済サービス「アンドロイドペイ」を始める。日本はIC交通乗車券「スイカ」や「楽天Edy(エディ)」などが普及するが、利用は国内に限られる。「世界仕様」のサービス上陸で、消費者は海外でも自分のスマホで買い物ができるようになる。

 スマホ決済を巡っては米アップルも「アップルペイ」と呼ぶ独自サービスを日本で始める準備を進めているもようだ。スマホの基本ソフト(OS)を握る世界2強が参入することで、国内勢との顧客の囲い込み競争は激しくなりそうだ。世界で使える便利さや他のサービスとの連携など使い勝手の良さで消費者の支持を集め、利用可能店舗を増やせれば、勢力図を塗り替える可能性もある。

2年連続 医学部新設へ 設置審答申 成田の特区に

大学設置・学校法人審議会は8月26日、国家戦略特区に指定された千葉県成田市で、国際医療福祉大(栃木県大田原市)が申請していた医学部の新設を認めるよう、松野博一文部科学相に答申した。政府は医学部の新設を抑制していたが、昨年、37年ぶりに東北薬科大(現・東北医科薬科大、仙台市)での新設を認可。国際医療福祉大がこれに続いた。国際医療福祉大は4週間以上の海外での臨床実習を予定。設置審は実習の質確保や、実習先をアジア中心から欧米などに広げることなどを留意事項として指摘した。

ビッグデータ分析の人材 国立大に育成拠点

文部科学省は8月27日、数学理論や膨大な情報「ビッグデータ」などの分析を駆使して、現代社会の課題を解決する人材の育成を目指す教育拠点「数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)」を国立大に設ける方針を固めた。2017年度予算の概算要求に、必要経費約12億円を盛り込む。数学理論やデータ分析を用いた課題解決としては、車間距離や車の速度などから交通渋滞のメカニズムを解明し、解消につなげるといった事例が考えられるとしている。

バンダイ調査 小学生の勉強場所 約6割が自宅のリビング

小学生の約6割が自宅のリビングやダイニングを放課後の勉強場所としていることがバンダイの調査で分かった。「自宅のリビング・ダイニング」が64.2%、「自分の部屋」が17.7%、「塾」が3.5%だった。リビング学習について保護者からは「勉強を教えることができる」、子供からは「集中して勉強できる」などの声が聞かれた。中学生は「自分の部屋」が39.7%、「自宅のリビング・ダイニング」が32.7%、「塾」が12.3%だった。

 7月、インターネット調査で親子600組に、普段学校以外で勉強している場所を聞いた。

中教審部会、学習指導要領改訂案を了承

中央教育審議会の教育課程部会は8月26日、2020年度以降に小中高校で導入する学習指導要領の改訂に関する審議まとめ案を了承した。アクティブ・ラーニング(能動的学習)を全教科に取り入れ、英語教育を小学3年生からに前倒しする。審議まとめ案は「グローバル化や人工知能(AI)の進化などで将来の予測が難しくなる中、社会で自立的に生きる力が必要」などと改訂の方針を強調。「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も重視し、教育内容のみの改訂にとどまらず、知識の深い理解を目指すとした。

黄桜、地ビール「京都麦酒」全国展開へ

黄桜(京都市)が今秋から、地ビール生産を本格化させる。「クラフトビール」と呼ばれる高品質な地ビールのブームを受け、新しい製造ラインを設けた。全国に出荷できる体制を整える。黄桜は1995年に地ビール生産に参入。「京都麦酒•」などのブランドで、京都市伏見区に設けた「キザクラカッパカントリー」など、関西地区を中心に販売してきた。モットーは「舌で味わうビール」。日本酒の蔵元として、のどごしよりも味にこだわり、うまみを残す濾過技術などを採用している。

神奈川の公立高14校に英語ドリル無償提供 大修館書店

神奈川県教育委員会は8月24日、大修館書店が同社の英語教科書を採用した高校に無償で英語ドリルを提供していた問題で、公立高校14校が計約6200冊を受け取っていたと発表した。文部科学省からの依頼を受け、県教委が確認した。2013~16年度にかけて大修館書店の営業担当者から「ただであげられる教材だ」と持ち掛けられたり、突然学校に送付されたりした。14校のうち12校は生徒に配布。2校は使用しなかった。県内の私立高2校でも同様の教材提供があった。いずれも採択に影響はなかったとしている。