2015年版「防衛白書」

政府は7月21日午前の閣議で、2015年版「防衛白書」を了承した。東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国について「高圧的とも言える対応を継続させ、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢」を示していると批判。南シナ海の南沙諸島を巡る状況について「七つの岩礁で急速かつ大規模な埋め立てを強行している」と明記した。中国の海洋進出に関する記述を前年より増やし、南シナ海に関しては「一部の岩礁では滑走路や港湾を含むインフラ整備を推進しているとみられ、米国をはじめ国際社会から懸念が示されている」と指摘した。

コカ・コーラ ボトル100周年 六本木で作品展示

コカ・コーラのボトル誕生100周年を記念し、アンディ・ウォーホルら世界的アーティストが同ボトルをテーマに制作した作品展「コカ・コーラ ボトルアートツアー」が7月24日まで、東京都港区六本木で開かれている。コカ・コーラ社が世界13カ国で開いている巡回展の一つで、入り口で配られる冷えたコーラを飲みながら鑑賞できる。開催は午前11時〜午後7時、港区六本木6のテレビ朝日・多目的スペース「umu」(ウム)で。入場無料。

防衛省が大学に研究費、公募開始

防衛省は、国の安全保障に役立つ技術を開発するとして、大学などの研究者を対象に研究費の支給先の公募を始めた。最大で1件あたり年3千万円。軍事応用が可能な研究分野の広がりが背景にあり、軍事研究と一線を画してきた日本の学界にも課題を突きつけている。公募対象は大学、独立行政法人、大学発ベンチャーや企業。今年度の予算は3億円で、7月8日に募集を始め、8月12日に締め切って10件程度を選ぶ。成果は「将来装備に向けた研究開発」で活用するとし、実用化の場として「我が国の防衛」「災害派遣」「国際平和協力活動」を挙げた。

NEC、IoT向け暗号 データセキュリティーソフト

NECが、IoTに使うセンサーなどの機器に組み込める、計算量の少ないデータセキュリティー技術を開発した。データの盗聴を防ぐ暗号化と、正当な情報だと確認する認証作業のためのソフトウエアで、データ処理の過程を見直し、計算量を従来の半分に低減した。センサーのマイコンなどでも十分対応できる。NECは開発したセキュリティーソフトを、米国立標準技術研究所が主催する競技会に出品。2017年に結果が出る見通しで、高評価を得て性能をアピールし、ソリューション事業などでの実用化を目指す。

中退の失業率、卒業者の2倍

独立行政法人労働政策研究・研修機構は5月にまとめた「大学等中退者の就労と意識に関する研究」の中で「大学などを中退した若者の失業率は卒業した人のおおむね2倍に達する」という分析をしている。2012年に20~29歳だった集団の分析結果によると、高校中退者の失業率は14.6%で、高校卒業者(6.1%)の2.4倍。同様に専門学校・短期大学・高等専門学校では中退者と卒業者の間に2.2倍、大学・大学院では1.9倍の開きがあった。中退者は卒業者に比べ、非正規就業者の割合も格段に高くなっている。

小2で「数検」準1級、最年少で

公益財団法人「日本数学検定協会」(東京)は7月15日、6月の実用数学技能検定で、当時7歳だった東京都世田谷区の小学2年、高橋洋翔君(8)が、高校3年程度のレベルとされる準1級に合格したと発表した。これまで小6(12歳)だった最年少での合格記録を大きく塗り替えた。 準1級は理系の「数学3」を中心に、微分積分や複素数、合成関数などの分野から出題される。今回の合格率は26.1%で、小学生では高橋君以外にも6年生1人がチャレンジしたが、合格できなかった。

小学生向け送迎タクシー開始  京王自動車

京王自動車(東京都多摩市)は7月16日から、学童保育や学習塾・習い事などに出かける小学生向けの送迎タクシーサービスを始める。配車地域は当面、世田谷、杉並、武蔵野、調布、中野、新宿、渋谷の各区と三鷹、狛江の各市だが、将来は沿線地域全体に広げる。料金は通常のタクシー料金。支払いは現金もしくは毎月の口座引き落としになる。新サービスの名称は「はぴチルサポートサービス」。親が事前にインターネットから自宅のほか学習塾や学童保育施設など行き先を登録。

進学会、年配当20円に 今期

進学会は7月15日、2016年3月期に特別配当10円を実施し、年間配当が20円になると発表した。保有していた栄光ホールディングス(HD)の株式を10日付で売却。連結純利益が従来予想を大幅に上回る見通しのため、株主に還元する。進学会は株式譲渡益46億円を特別利益に計上し、同期の連結純利益を従来予想の7億円から49億円に上方修正した。栄光HDを巡っては、増進会出版社(静岡県長泉町)が子会社を通じて7月末までにTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社にすると発表していた。

都、子育て支援員1360人養成 今年度目標、研修に4コース

東京都は「子育て支援員」の養成を開始する。9月から来年3月にかけ、都内3カ所で順次、研修を開き、2015年度はまず1360人の確保を目指す。研修は「地域保育」「地域子育て支援」「放課後児童」「社会的養護」の4コース。まず各コース共通の基本研修を2日間受講する。その上で、コース別の専門研修に取り組む。子育て支援員は保育士の資格がなくても地域での保育に関心があれば、所定の研修を受けた上で認定を受けることができる。問い合わせ先は東京都福祉保健財団。

学テ結果公表は8月25日

文部科学省は7月15日、小学6年と中学3年の全員を対象に今年4月に実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を8月25日に公表すると発表した。今回は国語と算数・数学に加えて、全員参加としては初めて理科が実施された。文科省が公表するのは、全国平均と都道府県別の成績。結果を分析し改善策を示すことを条件に、市町村教育委員会が、学校別成績を公表できるのは昨年度調査と同様だが、文科省は今回から「公表は教委の職務権限」と実施要領を改めた。