来年度の岡山県立高、日程発表

岡山県教育委員会は7月4日、来年度の県立高校入試日程を発表した。一般入学者選抜の全日制、定時制昼間は、2月25日〜27日に出願。3月12日に学力検査、翌13日に面接・実技検査があり、3月20日に合格発表がある。定時制夜間は3月23日〜25日に出願、学力検査と面接・実技が同26日、合格発表が同31日。特別入学者選抜は1月30日〜2月3日出願。学力検査は2月12日、同日と翌13日に面接や選択検査(小論文など)がある。結果通知は同20日。

出産育児一時金、42万円を継続

厚生労働省は7月7日、出産時に公的な医療保険から母親に支給する「出産育児一時金」の額について、いまの42万円を継続する案を社会保障審議会の部会に示し、了承された。一時金は39万円が基本で、お産の事故に備えて「産科医療補償制度」に支払う3万円を上乗せした計42万円を支給している。来年から補償制度の掛け金が1・6万円に減額される。そのため、あわせて一時金の引き下げを求める声がでていた。お産の平均費用は年々増え、2012年度は約48万6千円となった。

進む大学のFD活動、附属校との連携も・龍谷大(京都)

FD(ファカルティ・ディベロプメント)という言葉をご存知だろうか。ファカルティとは大学の教員組織のこと、ディベロプメントとは能力開発を意味し、「教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称」(文科省)と定義されている。

FD懇談会の様子学生母数の減少・国際競争力強化の必要性に伴い、各大学はFDセンターを設置して積極的に教育の質向上を図っているが、一般的には教員相互の授業参観や研修強化などが行われることが多い。

そのような中、龍谷大学が7月4日(金)に開催(於・龍谷大学深草学舎)したのは、大学と付属校が合同で中学・高校入試市場のトレンドを分析し、「高大連携」を深めて教育の質向上のカギを探ろうという、興味深いFD事例だ。

エデュケーショナルネットワークの藤川享氏

エデュケーショナルネットワークの藤川享氏

この日講演者として招かれたのは、緻密なデータ分析に基づき、関西圏の中学受験トレンドに詳しい株式会社エデュケーショナルネットワークの藤川享氏と、大胆な学校改革で同大付属平安中学校の入学者数を3年で約3.5倍に押し上げ、合理的な進学校化で大学合格実績向上をマネージメントする校長補佐の平井正朗氏。

両氏によると、関西私立中高受験市場の人気校には、一定の傾向があるという。それが、大学進学という「出口保証」だ。中高受験者は、受験時すでに「大学」を見据えており、そのニーズに応える教育の質向上はFD的観点からも欠かせないといえよう。

龍谷大学付属平安中学・高等学校の平井正朗校長補佐

龍谷大学付属平安中学・高等学校の平井正朗校長補佐

特に附属中高を持つ大学においては、関関同立への進学が保証されるこれらの直系附属校と、併設大学への進学をセーフティネットとしつつ、それ以上の大学進学も期待できる「半附属校」が人気を二分していると両氏は分析する。龍谷大と付属平安高校は後者に当たるが、このポジショニングを両者で共通認識として持ち、より緊密な連携を続けていくことを確認しあっていた。

塾においても、FDは注目しておきたい要素だ。FD活動の内容を見れば、その大学が今後どこに力を入れたいのかが見えてくる。生徒への進路指導の判断材料として重要な情報源となるだろう。

中国で珠算が復権 小学校で授業

中国の小学校で「珠算」が見直されている。集中力向上などの効果が認められ、再び教える学校が増え始めた。南京に近い江蘇省揚州市は市独自に8校を実験校に指定し、省指定の広陵小などと合わせて計14校で教えるようになった。珠算が昨年12月、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)によって、中国の伝統文化として無形文化遺産に登録されたことも追い風になっている。

なりたいものランキング 「お医者さん」女子3位  第一生命調査

第一生命保険が発表した「大人になったらなりたいもの」のアンケート結果で、「お医者さん」が調査開始以来、初めて女子の3位(前回4位)に浮上した。「看護師さん」を初めて上回った。「お医者さん」は男子でも前回の9位から6位に順位を上げた。「消防士・救急隊員」が初めて男子の3位(前回10位)に上昇。女子の1位は17年連続で「食べ物屋さん」。2位(前回3位)は「保育園・幼稚園の先生」だった。男子では「野球選手」が2年ぶりに2位(前回4位)へ、4年連続1位の「サッカー選手」に迫った。

大学入試の英語、民間試験活用を 協議会設置へ

英語教育について話し合っている文部科学省の有識者会議は7月4日、TOEFLなどの民間試験を、大学入試に活用することを促す意見書案をまとめた。文科省は大学や高校、民間試験の実施団体などで協議会をつくり、検討を求める。統一基準づくりや、受験の開催場所、受験料などが課題で、結論まで数年かかる可能性があるという。すでに民間試験を活用している大学もあり、2013年度入試では、全国740大学のうち265校が独自に採用した。

国宝・重文109件が不明 文化庁が調査

文化庁は7月4日、国の重要文化財指定を受けた美術工芸品全1万524件の所在を調査したところ、国宝の刀剣1件を含む109件が所在不明になっているとを発表した。盗難が最も多いが、所有者の死去や転居の際に不明になった作品も多い。文化財の保護は「所有者任せ」の部分が大きく、文化庁はメールなどを通じて所在を定期的に確認するなどの対策を講じる。今回の調査結果によると、所在不明の理由は「盗難」が33件で最多だった。海外での転売目的の窃盗グループによる犯行とみられ、社寺の被害は25件に上った。

山手線利用減る 渋谷駅3万3000人減 JR東、昨年度乗車人数

東日本旅客鉄道(JR東日本)がまとめた2013年度の乗車実績では、昨年3月開始の東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が人の流れを大きく変えたことが鮮明になった。渋谷駅ばかりでなく、山手線の利用客も減少した。JR東日本によると、13年度の山手線(新宿経由の品川―田端間)の1日当たり利用客数は12年度比0.02%減った。微減とはいえ、首都圏では京葉線が3.8%増加したのを筆頭に、埼京線や武蔵野線、中央線、東海道線など主要線区で軒並み増加しており、山手線の利用減が際立つ。

公立高に市進ウイングネット 全国初の導入、茨城県立取手第二高等学校 新たな校塾連携モデルはじまる

茨城県立取手第二高等学校が、株式会社市進ウイングネットが提供するインターネット映像配信による映像学習システム「ウイングネット」を公立高等学校として全国ではじめて導入した。この4月から本格運用している。

ウイングネットによる特別授業の様子

ウイングネットによる特別授業の様子

注目すべき点は、取手第二高等学校がクラスごとにひとつのスクリーンを使って、一斉に勉強するという利用方法を取ったことにある。本来、「ウイングネッ ト」は集団授業向けにつくられたものではない。しかし、市進ウイングネット社の協力のもと、集団授業用にカスタマイズされて運用されている。

2015年度から制服も替わる取手第二高等学校

2015年度から制服も替わる取手第二高等学校

現在、取手第二高等学校では「ウイングネット」を数学の学習にしぼって利用している。数学のみとした理由は、相対的に入学時の生徒の数学の力が弱い というデータにあった。そのうえで、まず1年生全員に導入し、中学分野の復習に「ウイングネット」を利用することにした。その際に試みたことは、通常の授 業で使用するのではなく、ロングホームルームの時間を使ったこと。そして、教科担当の先生が教えるのではなく、映像を見ながら学習する生徒の補佐を、クラ ス担任と副担任の先生の二人で行うことにした。こうすることによって、一学年が一斉に授業をおこなうことが可能になった。

導入にあたり、学校側には当初不安もあったという。昨年、取手第二高等学校は、別の企業が提供するインターネット学習システムを希望者を募って利用 していた。しかし、導入当初こそ利用者がいたものの、やがて先細りしてしまい、続けられなかった。その反省も踏まえ、今回は集団授業の形をとり、学年全体 が一斉に勉強できる環境を整えた。

「生徒が中学範囲のどこでつまずいているのかが、はっきりとわかった」という1学年担当職員のコメントがしめすように成果は確実に出ている。実際に ウイングネットで学習していた1年生の男子生徒も、「わかりやすく、中学生の時になんとなく分かったつもりになっていたことを学び直すことができて、とて も充実している」と語るように、生徒からの反応も総じていいようだ。

2015年度に竣工予定の新校舎イメージ

2015年度に竣工予定の新校舎イメージ

ソニー、大学に「電子ノート」

ソニーは電子ペーパーを活用した教育用システムを開発し、早稲田大学や法政大学、立命館大学で実証実験を実施した。実験結果を踏まえて今秋に教育用システムとして大学への販売を始める。紙の感覚で文字を書ける電子ペーパーをノート代わりに使い、教材やテストなどを無線でやり取りできる。印刷物をなくし丸ごと電子化することで、効率化や学生とのコミュニケーションの向上につなげる。