グローバル教育に関する意識調査

小中高生向け未来のグローバルリーダーを育成する教育機関である「IGS」と広告会社のアサツーディ・ケイ(以下ADK)は、日本の学生(高校2年生・大学3年生)と小学生・中学生・高校生の子をもつ親が、現状をどのように受けとめているのかという点に着目したアンケート調査を実施した。調査結果より、以下の3つのトピックを紹介する。
【トピック①】
グローバル人材になる大切さを理解しながらもコミュニケーションで尻込みする学生

当事者である学生たち(高2・大3)はグローバル化の流れを特別なことではないと受け止めながらも、グローバルで活躍したいという意向は、親(小中高の子をもつ親)の意向よりも低い結果となった。頭ではグローバル化を理解しながらも、自分が世界で活躍するんだという気持ちを持っている学生はまだまだ少ない。 将来海外とやりとりをする仕事につきたくないと答えた学生の理由を見ると、他国の人とのコミュニケーション不安が最も高く、言語の壁が依然高いことが明らかになった。

グローバル化は騒ぎ立てるほど特別なことではない
※4段階評価のTOP2BOX(非常に+ややそう思う)のスコア
親  76,7%
高2   70,9%
大3   79,6%

将来は海外に出てグローバルに活躍したい(活躍してほしい)
※4段階評価のTOP2BOX(非常に+ややそう思う)のスコア
親    55,7%
高2   39,3%
大3   33,0%

【トピック②】
語学以外に、自分の考えを形成し、外に主張する力が必要と認識する学生

今の学生が語学以外に必要な力として、多く挙げたのは「コミュニケーション力」で、特に「自己主張する力」「ディベートする力」「自分の考えを形成する力」「プレゼンテーション力」といった「自分のことを伝える力」が上位に挙がることが特徴。これらの力を学生自身も足りないという認識をしており、海外で活躍するには語学力だけでなく「自分を表現する力」を身につけることも必要だと考えているようだ。

言語以外にグローバルで活躍するために必要な力(複数選択)

コミュニケーション力
高2   82,5%
大2   80,5%
自己主張する力
高2   62,6%
大3   67,0%
相手を理解する力
高2   61,2%
大3   65,0%
プレゼンテーション力
高2 55,8%
大3   59,7%
多様性を受け入れる力
高2 52,4%
大3 62,5%
自分お考えを形成する力
高2 53,4%
大3  52,4%
ディベートする力
高2 45,5%
大3 56,3%
文化教養力
高2   35,9%
大3 43,7%
論理的思考力(ロジカルシンキング)
高2 30,1%
大3   40,3%
歴史観
高2 25,7%
大3   38,3%
クリエイティブ力
高2 31,5%
大3 29,1%
人を巻き込む力
高2 15,5%
大3   25,7%
宗教教育
高2 19,1%
大3 29,8%
哲学・古典から学ぶ力
高2 11,7%
大3 15,0%
特に必要だと思う能力はない
高2 1,0%
大3 1,5%

【トピック③】
学生自身がすでにグローバル人材になるのに手遅れだと思っている(メンタルバリア)

「日本の学校のグローバル教育は十分にできている」と答えた人は親も学生自身も少なく、「今からグローバル化の教育をしても自分は間に合わない」と答えた人は学生の方が多く、5割を超える結果となった。グローバル教育を小学校から強化してほしいという学生は6割近くおり、自分たちももう遅いというメンタルバリアを持っているようだ。

日本の学校でのグローバル教育は十分にできていると思う
※4段階評価のTOP2BOX(非常に+ややそう思う)のスコア
親    13,3%
高2   25,0%
大3    8,3%

今からグローバル化のための教育をしても自分は(子どもは)間に合わないと思う
※4段階評価のTOP2BOX(非常に+ややそう思う)のスコア
親    24,1%
高2   50,0%
大3 55,3%

グローバル教育強化のタイミング
小学校のグローバル教育をもっと強化して欲しい
高2   60,7%
大3   55,8%
中学・高校のグローバル教育をもっと強化して欲しい
高2   74,3%
大3   75,2%
大学のグローバル教育をもっと強化して欲しい
高2   71,8%
大3   71,8%

調査結果の総括 ~ IGS学院長 福原正大

今の学生や親もグローバル人材になる必要性や、どのような力が必要かは頭では理解しています。 グローバル人材になるために必要な教育については、英語でのコミュニケーション力が最も必要であり、加えて考える力や自己主張する力が必要だと考える学生や親が多くいます。  ただ、今の学生は高校や大学からではこうしたグローバル人材になることはすでに手遅れと捉え、行動に移せず(移す動機づけをできない)、親も学生も学校教育がそうした環境を与えてくれない(与えられない)と考えていることが調査から分かりました。  IGSへの問い合わせも、グローバル化への対応において日本の学校での英語教育に疑問を持つ保護者からの声が非常に多くあります。そして、英語だけでなく、考える力や自己主張する力を学校では学べないことへの不満が多く寄せられます。  実際、米国を代表する大学に在籍する日本人を含むアジア人留学生の評価は、目的に向ける努力レベルと基礎知識は高い一方で、自分の考えを持ち、相手に伝えるトレーニングができていないという声が多いのが実情です。さらに、英語のスピーキング力は日本人が特に低いと評価されています。  今回の調査結果より、語学をはじめグローバル人材を育むための早期教育(ディベート・自己表現)の重要性が明らかになりました。ただ、今回の調査を通じて見えてきた一番の課題は、スキル面だけでなく、子どものメンタル面でのバリアです。子どもたちの自信をつけ、彼らの背中を押すきっかけを社会全体で作ることが重要だと考えます。国・企業・教育機関が一体となってグローバル人材育成に取り組むことが今後の課題といえるでしょう。

グローバル教育に関する意識調査 【調査概要】

■調査目的: 急速に進むグローバル化の流れの中で、当事者である若者(学生)と 子どもをもつ親に対してグローバル化および日本のグローバル教育に対する意識を把握する。

■調査対象者:
①高校2年生・大学3年生
※高校2年生は大学進学予定者子どもを
②小学校高学年/中学生/高校生の子どもをもつ親(父親・母親)
※子どもを大学に行かせたい(行くのは当然と思っている)親

■サンプル構成:計1,030サンプル(親618サンプル、学生412サンプル)

■調査手法:インターネット調査

■調査時期:2013年3月1日~3月4日

■調査エリア:全国

■主な調査項目
・グローバル化についての意識全般
・グローバル教育の現状についての捉え方
・グローバル社会で必要な力
・海外大学の認知
・海外大学への留学
・進学意識
・海外大学への留学
・進学意向/意向・非意向理由
・海外大学の認知/認知内容
・グローバル企業への就職意向/意向
・非意向理由

■調査実施:株式会社アサツー ディ・ケイ

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