学修歴証明書デジタル化、芝浦工業大学で実運用開始

 一般社団法人国際教育研究コンソーシアム(東京・渋谷区、「RECSIE」)は、国際的な教育関連IT企業、Digitary社(本社 アイルランド、ダブリン)と共同で、昨年より、芝浦工業大学(東京・港区、山田 純 学長)の学修歴証明書デジタル化プロジクトに協力してきたが、その成果として、同校が2021年10月21日からデジタル証明書の発行を開始したことを発表した。

 このデジタル化により、芝浦工業大学の学生・卒業生は、世界中どこからでも自身のデジタル認証された大学発行の証明書にアクセスして採用企業などに共有することができるようになる。学生・卒業生にとっては国内外での就転職時の利便性が格段に向上するほか、大学にとっては紙の証明書の削減による事務コストの削減やSDGsへの効果が期待される。

 世界では、高等教育機関の証明書は1970年代からデジタル化が始まり、1990年代にはヨーロッパやアジアでは国家プロジェクトとして、全国の大学の証明書デジタル化が進められてきた。今日では世界40か国以上の高等教育機関でデジタル証明書が広く普及しており、すでに世界標準となっている。一方で、日本の大学ではこの分野でのデジタル化がほとんど進んでおらず、芝浦工業大学の今回のデジタル証明書発行開始は、日本の高等教育機関におけるデジタル・トランスフォーメーションと国際化にとって先駆的な取り組みの成果と位置づけられる。

 このデジタル化プロジェクトで基盤としているDigitary社のDigitary COREプラットフォームは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ諸国、インド、中国、中東の高等教育機関のナショナル・ネットワークにおいて広く採用されている。Digitary COREプラットフォームの利用により、学生・卒業生は、デジタルの学修歴証明書、業績、資格、能力証明書等に世界中どこからでもアクセスすることが可能となる。

RECSIEについて
 RECSIEは2014年1月に設立された非営利団体で、高等教育の国際化に貢献し、個々の大学の枠を超えた研究課題の取組みを推進することを目的としている。RECSIEの主な目的は、学生の移動性を高めるために世界中の大学と協力し、文化的多様性を通して学生の才能を伸ばすことにある。RECSIEは、2020年初めに日本で初めてフローニンゲン宣言ネットワークに参加し、日本の高等教育機関の証明書類のデジタル化に取り組んでいる。

Digitary社について
 Digitary社は2005年にアイルランドのダブリンで設立され、学修歴証明書の認証、共有、検証のためのオンラインプラットフォームを提供する世界有数のサービス会社に成長した。設立当初から、学習者中心に設計されたシステムは、何百万人もの学習者がオンラインで安全かつ迅速かつ簡単に、認証済み学修歴証明書を共有することを可能にしている。Digitary社は、アイルランド、イギリス、イタリア、オーストラリア、インド、カナダに拠点をおき、現在135カ国以上の機関で利用されている。

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