城南進学研究社 経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択

 株式会社城南進学研究社(神奈川・川崎市、下村 勝己 代表取締役社長CEO)は、2023年11月20日(月)、経済産業省の2023年度「未来の教室」実証事業(生成AIを用いた教育サービスの検証)に採択された。個別指導塾「城南コベッツ」を実証場所として「学習指導の視覚化と保護者共有 (AIによる指導記録の自動生成)」に取り組み、成果を活かして公教育活用の可能性についても検証する。

【目的】
 この事業では「生成AIを活用した教育現場のあるべき姿」として、「生成AIの活用による学習指導の視覚化と保護者共有」を目指す。

【解決するべき課題】
 学習塾業界では、指導記録の作成が講師の時間外労働に結びつき、過去には問題化したこともある。そのため、業務時間内に指導記録を作成するケースが多くなっているが、以下の点が課題となっている。

• 指導記録の質の低下 – 業務時間内の作成では時間が限られ、質の高い記録作成が難しい
• 指導自体の質の低下 – 指導記録を指導中に作成するため、指導に注力できない
• 指導記録の共有 – 質の高い指導記録が作成できないため、保護者への共有が難しい

 この事業では、これらの課題を、城南進学研究社が運営する個別指導塾「城南コベッツ」を実証場所とし、「①音声データの記録と収集②AIによる指導記録の自動生成③指導記録の共有」を行うことで、指導の質の向上や指導記録の効率的な作成、学習者・保護者の満足度向上が醸成されたかどうかについて検証するとともに、公教育での活用についても可能性を探る。

【本事業の概要】
実証場所:首都圏内の城南コベッツ(在籍者30~50名規模の1教場)
実証期間:2023年12月上旬~2024年1月下旬(2ヶ月間)
対象:小学生・中学生・高校生
実証内容:
①音声データの記録と収集
講師が業務時間内に、指導内容のサマリーをフローに沿ってiPadで音声録音 ⇒ 社内ネットワークで共有
②AIによる指導記録の自動生成
社内ネットワークで共有された指導記録の音声データを、Whisperで文字起こしし、ChatGPTで文章の校正要約を行う ⇒質の高い指導記録を自動生成
③指導記録の共有
指導記録をLMS(学習管理システム)で保護者にタイムリーに公開

 実証事業で得た指導記録自動生成ノウハウは、将来的には公教育へ提供。小中学校・高校においても、「質の高い指導記録の教員間での共有」「通知書記入の際に、過去の指導記録の振り返りとして利用」するなどの活用を想定している。

 城南進学研究社は、中期経営計画の基本戦略として「学びの個別最適化」を追求し、EdTechの有効活用による学力向上モデルの構築を図っている。今回のように、生成AIを用いた効率的な学習環境の検証などを通じ、より付加価値の高い教育ソリューションサービスの提供を目指す。

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