株式会社COMPASS 慶應義塾大学SFC研究所と連携し、大分県日田市における「キュビナ」の活用と学力への影響について効果検証を実施・結果を発表

 株式会社COMPASS(東京・文京区、佐藤 潤 代表取締役)はこのたび、慶應義塾大学SFC研究所(神奈川・藤沢市、飯盛 義徳 所長)上席所員(常勤)中室 牧子氏(総合政策学部 教授)と連携した「ICTを活用した学びにおける児童生徒および教員への影響に関する研究」の第三弾として、大分県日田市の小中学校におけるキュビナの活用による学力向上への影響についての効果検証を実施したことを発表した。

 検証の結果、キュビナの利用と学力向上には相関がみられ、小学校・中学校、教科共通の傾向としキュビナの学習ログの22項目の中でも特に「習熟度」が学力向上への影響が大きいことがわかった。
 また、検証結果は2024年6月9日(日)に開催予定のCOMPASS主催オンラインイベントにて、日田市教育委員会と日田市立大山小学校が登壇し、詳細を報告する。

 大分県日田市では、ICTを活用した「学び」の基本方針として三つの重点事項「子どもたち一人ひとりの反応を踏まえた双方向型一斉授業」「一人ひとりの教育的ニーズや学習状況に応じた個別学習」「全ての子どもが情報の編集を経験しつつ、多様な意見にも即時に触れられる協働学習」を掲げており、そのうちの「一人ひとりの教育的ニーズや学習状況に応じた個別学習」の充実に向けた取り組みとして、2021年よりキュビナを市内の全市立小中学校に導入し、学校内外での日々の学習に活用されている。

 市では「客観的な根拠を重視した教育政策の推進(Evidence Based Policy Making)」に取り組んでおり、市内小中学校におけるキュビナの活用について、慶應義塾大学SFC研究所の中室牧子氏とCOMPASSが連携して進めている「ICTを活用した学びにおける児童生徒および教員への影響に関する研究」の一環として、効果検証を実施した。

 効果検証の結果、キュビナの利用と学力向上には相関がみられ、学年・教科共通の傾向としてキュビナの学習ログの22項目の中でも特に、「習熟度※」が学力向上につながる傾向があることがわかった。
 また、教科ごとに、学力向上に影響の高い取り組み方(学習した時間や、学習に使った機能)の特性を確認することができた。※習熟度:解答の正誤・お手つきの有無・解答のスピードなど、キュビナ独自の指標により習熟度をA~Dで判定

<効果検証概要>
◆対象児童生徒:日田市の全市立小学校6年生 計494人・中学2年生 計468人 (学年は2023年1月時点の学年を記載)
◆対象科目:
・小学校:国語・算数・理科・社会
・中学校:国語・数学・理科・社会・英語
◆実証期間:2022年1月~2023年1月(キュビナ利用期間は2022年1月〜2023年1月)
◆実施方法:
・対象児童生徒の2022年1月と2023年1月に実施された「日田市学力調査」の2回の結果を事前・事後テストとして使用し、2回のテストの間の期間(2022年1月〜2023年1月)に利用されたキュビナの学習ログを収集した。
・キュビナの学習ログは利用頻度・問題解答数・時間帯・機能・使用した時間・取り組み方・取り組み結果などの計22項目を対象とした。
・キュビナの学習ログ22項目と事前・事後テストの学力の変化の相関を、各教科ごとに回帰分析により検証し、各指標が示すキュビナの活用状況の差が児童生徒の学力の向上へ与える影響を調査した。

<検証結果概要>
・小学校・中学校、教科共通の傾向としてキュビナを利用した児童生徒に学力向上の傾向があり、「習熟度」が高まるほど正答率が高くなる傾向があった。
・小学校、教科共通の傾向として、キュビナの取り組み問題数が増えるほど、正答率が高くなる傾向があった。さらに、「知識技能」の問題項目の正答率の向上のみならず「思考判断表現」の問題項目における正答率の向上もみられた。また、キュビナの利用頻度や解き直し率が高くなるほど正答率が高くなる傾向もみられた。
・中学校、教科共通の傾向として、キュビナの取り組み節数が増えるほど正答率が高くなる傾向がみられた。

今回の検証結果から、キュビナ独自の「習熟度」指標は学力調査の結果と相関があり、児童生徒の学習状況を把握する重要な指標であることがわかった。このことから、学力を向上させるためには「習熟度」のアップを目指しキュビナに取り組むことが効果的であると考えられる。

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