中国の宇宙ステーション「天宮」で新種の細菌発見 宇宙環境に適応した特徴も

 中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」で、新種の細菌「Niallia tiangongensis(ニアリア・ティアンゴンエンシス)」が発見された。3月に学術誌「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」で発表された。
 細菌はミッション「神舟15号」(2022年11月~2023年6月)において、宇宙ステーション内で採取されたサンプルから見つかった。無重力環境であるステーション内の操縦席コントロール部分に生息していた。桿菌(棒状の細菌)で、好気性かつ胞子を形成する性質を持つ。天宮で新種の細菌が見つかるのは初めて。

 この細菌は、地上の土壌や廃棄物に含まれる既知の細菌に近縁で、免疫力の低下した人に感染症や敗血症を引き起こす恐れがあるという。解析の結果、Cytobacillaceae(サイトバチルス科)のNiallia(ニアリア属)に属する新たな株と特定された。
 特筆すべきは、宇宙空間という極限環境への適応である。Niallia tiangongensisは酸化ストレスへの耐性が高く、放射線による細胞損傷の修復を助ける独自のバイオフィルム形成能力を持つことが確認された。

みんなが私塾界!