七支刀 奇跡の保存状態 奈良博がCT調査で判明

 古墳時代に朝鮮半島から伝わったとされる国宝「七支刀(しちしとう)」の内部が、極めて良好な状態で保存されていることが、奈良国立博物館の最新のX線CT調査で明らかになった。剣の内部はほとんど腐食しておらず、1600年前の鉄製品とは思えぬ保存状態に、館長は「奇跡的だ」と述べている。

 七支刀は、長さは75センチほどで左右に三本ずつ枝のような刃が突き出した独特の形状を持つ鉄剣で、奈良県天理市の石上神宮が所蔵している。神社には当初「六叉鉾(ろくさのほこ)」という名前で伝わり、ほかの宝物とともに「神庫(ほくら)」と呼ばれる特別な蔵に納められ、大切な祭祀が行われる際などに限って使われてきた。今回の調査は、同館で開催中の展覧会にあわせ、保存状態と文字の再確認を目的に実施された。
 X線CTにより、さびに覆われた表面の下にも白く映る密度の高い部分が多く確認され、内部の鉄がほとんど劣化していないことが判明。加えて、金を象嵌したとみられる文字の一部も鮮明に浮かび上がった。

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