8割の高校教員が『観点別評価の見直しに賛成』河合塾、観点別評価に関する高校教員アンケート結果を公開

 学校法人河合塾は、全国の高校教員を対象に行ったアンケートを、学校教員向け進学情報誌『Guideline』で公開した。調査は、次期学習指導要領に向け、観点別学習状況の評価(以下、観点別評価)の見直しに関する意見をまとめ、今後の生徒指導や学校運営の参考として提供することを目的に実施している。158名の教員から回答を得たアンケートから特徴的な項目を紹介する。

【河合塾 観点別学習状況の評価に関するアンケート2025概要】
 中央教育審議会の教育課程企画特別部会では、次期学習指導要領に向けた検討が進められている。第10回(7月4日)では「豊かな学びに繋がる学習評価の在り方」がテーマとなり、現行の「主体的に学習に取り組む態度」部分を評定に反映させない方向性が示された。これを受け、河合塾では高校・中等教育学校の教員を対象にアンケートを実施し、観点別評価が高校でも本格導入された2022年度以降の3年間の実践を振り返るとともに、特別部会の方針について意見を聞きいた。

調査対象:高校・中等教育学校の教員
実施期間:2025年7月25日~8月8日
実施方法:FormsによるWEBアンケート(匿名)
回答件数:158件(8月8日時点)

1.観点別評価導入から3年、9割の教員が「観点別評価に課題を感じる」と回答

 自校での過去3年間の観点別評価を振り返っていただいたところ、「うまくいった」と「うまくいかなかった」がそれぞれ約50%と、拮抗した。これは、2023年に河合塾が行った調査とほぼ同様の結果。(2023年時は「うまくいった」が53%、「うまくいかなかった」が47%)
 問1で「うまくいった」と感じる教員の自由記述では、「主体性の評価・育成」の趣旨に一定の理解を示す意見や、「初年度と比較して評価ができた」といった声があった。ただし、問1で「うまくいった」と感じる教員の中でも、8割以上が「課題」を感じていることがわかった。

 続いて、「観点別評価に課題を感じているか」をうかがったところ、全体の9割が観点別評価に「課題を感じる」と回答した。こちらも、問1と同様に、2023年とほぼ同様の結果だった。(2023年時は「課題を感じる」が92%、「感じない」が8%)

 自由記述では、「どうしても主観的な評価になりがち」「5段階評価にするのが難しい」「各学校によってばらつきが出がち」といった評価方法の確立の難しさや、評価基準・規準の統一の難しさを挙げる声、または評価する側の苦労、教員の業務負担を指摘する声が大半を占めている。加えて、生徒の「育成」という観点で手ごたえを感じられないといった声や「大学進学のための調査書」への関連性を疑問視する声も挙がった。

2.8割の教員が「観点別評価」を見直す方針に賛成

 さらに、次期学習指導要領で「主体的に学習に取り組む態度」を評定に直接反映させないという見直しについてうかがったところ、83%の教員が「賛成」した。

 賛成の理由として、問1・2と同様、「主体性を客観的に数値化することが難しい」といった評価方法の確立・評価規準の統一の難しさを挙げる意見や、それによる「公平・公正な評価の難しさ」「評定平均値の変動」などの声が多くあった。また、「まずは現場の仕事の総量を減らすべき」といった教員の負担軽減の声も少なくない。
 一方、反対意見では、「主体性育成の重要性・必要性」に加え、「うまくいかないからすぐやめるのでは現場が振り回されるだけ。評価できる指標作りを工夫すべき」といった評価方法の改善を訴える声、または「評定が下がると思われる生徒の存在」への懸念などが一部挙がった。


まとめ
 観点別評価については、かねてから多くの課題が指摘されている。見直しへの「賛成」の声の多さからも、今回の変更案は、学校現場の実態を反映したものと考えられる。しかし、評定に反映させない方針へ移行しても「学びに向かう力・人間性」の育成の重要性は変わらない。今後の検討の中で、「学びに向かう力、人間性」がわかりやすく再整理されるとともに、生徒の成長につなげられる評価の在り方や、「知識・技能」「思考・判断・表現」と合わせた評価方法など、教員の負担を軽減しつつ具体的に示されることが期待される。


▶アンケート結果詳細 2025年度「観点別評価」
 https://www.keinet.ne.jp/teacher/exam/topic/

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