少しずつ頻繁に歩くよりも、1日に1回「連続して長めに」歩くほうが心臓に対してより良い影響を及ぼすとの研究結果が11月4日、「Annals of Internal Medicine(内科学紀要)」に掲載された。この研究は、豪シドニー大学とスペインのウニベルシダ・エウロペアの研究者らによるもので、参加者の健康状態を8年間にわたり追跡した。
1回あたり少なくとも15分間、立ち止まらずに歩き続けることが理想とされ、これは約1500歩に相当するとされている。
対象は英国において40〜79歳の成人3万3560人。彼らを1週間歩数計で記録し、歩行時間を「5分未満」「5〜10分」「10〜15分」「15分以上」の4グループに分類し、8年間にわたって心疾患や死亡リスクなどを追跡した。
その結果、歩行時間が長めのグループは、短時間を頻繁に歩くグループに比べて心疾患のリスクが低かったという。また、歩数が5000歩未満と活動量が極めて少ない層でも、1回あたり長めの歩行を行うことで死亡・心疾患リスクが著しく低下した。
研究者らは、歩数そのものではなく「歩くパターン」が鍵になると指摘。英オープン大学のケヴィン・マコンウェイ名誉教授は、「歩行が直接的に健康改善をもたらすことを証明しているわけではない」とも述べており、因果関係の解明には慎重な姿勢を示している。
また、英国の国民保健サービス(NHS)は週に150分の中程度の運動を推奨しており、65歳以上の高齢者については家の中での軽い動きも含め「毎日身体を動かすこと」が勧められている。
今回の研究結果は、特に日々の時間が限られる人や、運動習慣に乏しい人にとって、負担の少ない「まとまった時間の歩行」の導入を促すものであり、教育や保護者としても子ども・生徒の日常生活の設計にあたって検討すべき示唆と言える。
今回の知見を踏まえ、個別最適な運動習慣の構築と定期的な身体活動の確保が、心臓健康維持の観点から重要になる。




