日本の宇宙関連予算、10年で3倍に増加 民営化進む米国事例も背景に

 日本の宇宙関連予算は急速な拡大を続けている。2015年度の予算(補正予算を含む)は3245億円だったが、2025年度は当初予算と補正予算を合わせて9365億円に達し、過去10年でほぼ3倍に増加した。政府全体の予算増加傾向もあるが、半導体関連を除けば、ここまでの伸び率を示すのは宇宙関連予算だけである。
 背景の一つには、米国における宇宙産業の民営化がある。起業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、衛星打ち上げ事業に革命的な変化をもたらし、従来政府系企業や大企業のみが参入していた宇宙事業に、多くのスタートアップ企業が衛星通信や地球観測事業で参入する状況を生み出した。
 これにより技術の成熟化が進み、ロケットや衛星の製造は標準化・量産化が進行。大学の研究室レベルでも衛星が製作可能となり、ロケット開発も民間企業が担えるようになった。その結果、宇宙システムの構築コストは大幅に低下している。

 一方、需要側でも変化が起きている。スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」のように、低軌道を回る多数の衛星を一体運用する「衛星コンステレーション」により、航空機などの移動体でも通信環境が大幅に改善された。また、同サービスはロシア・ウクライナの戦争におけるドローン運用を支え、戦争の形態にまで影響を与えるほどのインパクトを生んでいる。
 こうした国際的な技術進展と民間参入の広がりが、日本政府による宇宙関連予算の大幅増額を後押ししているとみられる。

みんなが私塾界!