驚異的な合格実績を生み出す仕組みと現場力

東大4名、京大8名、北大16名と、2025年度の合格実績が圧倒的だった東進衛星予備校 札幌南高前校。練成会グループ(北海道札幌市)が運営するこの校舎は、中学部からの継続率も年々向上している。校舎長の中嶋宏一氏に、どのような施策が成果につながっているのか取材した。

卓越した合格実績が生まれる要因とは

東進衛星予備校 札幌南高前校の外観

──札幌南高前校の合格実績が、好調な理由を教えてください。

 北海道で成績ナンバーワンの高校、札幌南高校の生徒が在籍の約8割を占めています。
 学力が元々高いところに、本部から「仕上げ特訓」が提供されるようになったことが大きいですね。長年、東進が蓄積してきた膨大なビッグデータとAIを組み合わせた仕上げ特訓は、その生徒が今解くべき最適な問題を提案してくれるんです。それによって、合格がグンと近づくようになりました。
 また、同じく東進本部が提供・推奨している「過去問演習講座共通テスト対策」も非常に有効で、夏には多くの生徒がこれを解いていました。
 さらに当校舎では、東進模試の過去問集である「大問別演習」を解く生徒も多いです。これは特に本部から勧められているわけではないのですが、苦手ジャンルの克服につながっているんです。

──貴校独自の取り組みについても教えてください。

 優秀者を掲示板に貼り出すようにしています。札幌南の同級生がほとんどなので、「あの子はここまで終わってるのか」と、刺激を受けながら切磋琢磨してくれています。
 さらに、週1回進捗確認などをおこなう担任助手も全員札幌南出身なので、生徒と打ち解けるのが早い。学校の先生の話題などで盛り上がりながら、東進の勉強をどう進めていけばよいかを親身にアドバイスできています。

担任助手に指導を任せ自主性を重んじる

──上位生を指導する上での、ポイントをお聞かせください。

 ほとんどの生徒にはすでに勉強習慣があるため、自主性を重んじています。
 そのため高2生と高3生の指導は、年齢の近い担任助手が中心に行っています。日々の業務に関しては指示書を出して伝え、毎月の校舎内研修で大きな方向性を確認しています。
 例えば「自分が合格した時の勉強法を、一方的に押し付けないように」と担任助手には伝えていて、決めつけや押しつけではなく、まずは生徒たちの状況をよくヒアリングし、それに基づいてアドバイスするよう指導しています。
 ただし高1生に関しては、社員がスケジュール管理を主導しています。というのも、札幌南では7月に「学校祭」があり、それが終わるまでは東進の自主性を重んじるスケジュール管理に慣れていない生徒が多く、職員が情報を一元管理したほうが指導しやすいからです。

25年7月に練成会中学部と東進で合同実施したトップリーダーと学ぶワークショップ

──上位生でも、伸び悩むことはあるのでしょうか?

 あります。特に仕上げ特訓がなかった頃はやりたい勉強だけしてしまい、それが伸び悩みの原因になるケースが見受けられました。しかし仕上げ特訓ができてからは、AIが解かなくてはならない問題をレコメンドしてくれるので、そうしたことはかなり減っています。

中学部との連携で継続率が大きく向上

──練成会の中学部と、高校部(東進)との連携についてお聞かせください。

 近年は中学部と高校部の連携が非常に戦略的にできるようになりました。
 8月と12月には、東進本部が映像を提供する「トップリーダーと学ぶワークショップ」のイベントに中学生も参加できるようにしました。大学の先の人生を考えるワークショップなので、中学生には難しいと思っていたものの意外にそうでもなく、参加者同士で語り合うことで志が生まれたりしています。
 また毎年11月には、東進の人気講師である今井先生を招き、「公開授業・高校進学説明会」を実施しています。こうしたイベントを通じ、高校に上がってからのアドバイスをしたり、高校受験で終わりではないことを伝えることができていて、その結果、継続率は毎年向上しています。

本部提供のデータも入会や継続を促進

──入会や継続の面談をする際、どんなことを意識していますか。

 札幌南生は自分で考える力があるため、「納得感」を大切にしています。じっくり考えてもらい、納得したうえで入会してもらいたいなと。
 一方、札幌南生の中でも、視野が狭いことが原因で伸び悩んでいる生徒もいますので、「こういう勉強をすると、その志望校の合格可能性が上がるよ」と、ハッキリ伝えることを意識しています。「この大学に入った先輩は、これくらい勉強していた」と実際のデータを見せると、生徒は勉強への意欲を高め、入会・継続してくれるケースが多いです。
 また保護者に響くのが、模試で全体の正答率が高いけれど自分が間違えた問題を並べた「正解必須問題」というデータです。落としてはいけない問題をウェブ上で並び替えながら、「ぜひこの対策のために、東進で頑張ってみませんか?」のように伝えます。そうすると保護者が「自分たちの時代にこんなものがあればもっと上を目指せていたのに」と東進の強みを感じていただきやすいです。

──今後の展望をお聞かせください。

 2025年度の実績は確かによかったのですが、毎年よいわけではありません。ポテンシャルがある生徒が集まっていることを考えると、東進のコンテンツをいかに確実にやり切らせるかが肝だと考えています。
 また、結果がよかった生徒を振り返ってみると、まるでゲームのように楽しみながら勉強していました。楽しく通える校舎作りを、さらに意識して参ります。

毎年11月に中3持ち上げを目的として英語科の今井宏先生の公開授業を実施。規模は大きく、今年は午前・午後の2回実施でして、1300名近くを動員した

みんなが私塾界!