紙とデジタル併用を想定、無償給与や検定対象にも
松本剛明文部科学相は4月22日、第221回国会の衆議院文部科学委員会で、「学校教育法等の一部を改正する法律案」について提案理由を説明した。紙とデジタルそれぞれの特性を生かした教科書づくりを可能にし、デジタルな形態を含む教材を正式に「教科書」として制度上位置付ける内容となる。現行制度では、学校での使用義務や教科書検定、採択、義務教育段階での無償給与の対象は紙の教科書に限られている。一方、現在のデジタル教科書は、紙の教科書の内容をそのままパソコンやタブレット端末で表示する「代替教材」として扱われている。
今回の法改正案では、動画や音声などデジタルならではの機能を教科書に盛り込むことを可能にするほか、デジタルな形態を含むものも法的に「教科書」と位置付ける。これにより、紙の教科書と同様に使用義務や検定、採択、無償給与の対象とする。文部科学省はこれまで、紙中心の学習環境を基本としつつ、必要な場面でデジタル教材を活用する方針を進めてきた。今回の改正案もその延長線上にあり、紙の教科書を一律に全面デジタル化するものではないとしている。
松本文科相は委員会で、子どもたちの学びの充実につながる制度改革だとしたうえで、「十分御審議の上、速やかに御可決くださるようお願いする」と述べた。法案が成立すれば、教科書制度は戦後以来の大きな転換点を迎えることになり、今後は学校現場での端末整備、健康面への配慮、紙とデジタルの最適な使い分けが焦点となりそうだ。



