小中高教員の約9割が生成AIの効果を実感 デジタル・ナレッジ調査 活用成熟度が高い学校ほど有用性評価も高く

 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は、小中高の教員を対象に実施した「学校における生成AI活用の実態」に関する調査結果を公表した。調査では、教育現場で生成AIの活用が校務効率化や授業準備を中心に広がっており、教員の約9割がAI活用による効果を実感していることが明らかになった。

 調査は2026年4月20日から23日にかけてWebアンケートで実施。小学校、中学校、高校の校長、副校長・教頭、主幹教諭、主任教員、ICT担当教員、一般教員の計133人を対象とした。

 校務でのAI利用率は84.2%に上った。主な用途は、会議・報告資料の作成、行事・イベントの企画、連絡文書やお知らせの作成などで、日常的な事務作業の効率化に活用されている。授業準備での利用率も74.4%となり、教材作成での利用が最も多かった。

 一方で、学校内の利用ルールやガイドライン整備、教員研修の実施状況には学校間で差がみられた。「ルールやガイドラインが未整備」「指導方法が分からない」といった声も多く、活用が進む一方で、運用体制の整備が課題となっている。

 生徒による生成AI利用も広がりつつある。教員の回答では、「授業で利用させたことがある」が18.8%、「自主利用を把握している」が25.6%、「自主利用の可能性はあるが把握していない」が33.8%だった。利用用途は調べ学習、発表資料作成、探究学習などが中心となっている。

 教員側には、学習効果への期待がある一方で、思考力低下やAIへの依存、情報の正確性への不安もある。自由記述では、「AIを使ったかどうか判別が難しい」「生成される情報の精度に不安がある」といった声が目立ち、評価方法や指導方法の確立が今後の課題として浮かび上がった。

 今回の調査では、教員の利用状況、学校のルール整備、推奨・契約ツールの有無、教員研修の実施状況などをもとに、学校の「AI活用成熟度」を4段階に分類した。その結果、AI活用成熟度が高い学校ほど、AIの効果実感や有用性評価も高い傾向が確認された。

 また、AI活用が進むにつれて、教員の懸念内容にも変化がみられた。初期段階では「学力低下」への不安が目立つ一方、成熟度が高い学校では「運用・管理」や「校内ルール整備」への関心が高まる傾向があった。生成AIの活用が定着するにつれ、課題は導入そのものから、いかに安全かつ効果的に運用するかへ移っている。

 デジタル・ナレッジは、今後の学校現場におけるAI活用には、教員研修や活用事例の共有に加え、LMSなど学習基盤との連携、安全な利用環境の整備が重要になるとしている。

 生成AIは、校務負担の軽減だけでなく、授業づくりや探究学習の支援にも活用が広がっている。今回の調査は、学校単位でのルール整備と研修体制が、AI活用の定着と教育効果の実感を左右することを示す結果となった。

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