グローバル×ローカルの地域づくりを学ぶ 島根県立大学

 島根県立大学地域政策学部の一期生にあたる2年生8名が島根県隠岐郡西ノ島町と海士町を訪問し、JICA海外協力隊経験者や同機構グローカルプログラム実習生、島留学生たちと交流した。

 秋晴れの続く11月中旬、2021年4月に新設された島根県立大学地域政策学部の学生8名が西ノ島町と海士町を訪れた。地域づくりコースの2年生が対象の「地域プロジェクト研究」の一つとして、同大学の伊藤豊准教授が企画したもので、国際的な経験や視点と地域づくりの関わりに触れてみることが訪問の目的だ。
 最初に訪れた西ノ島町では濵田明博副町長や役場職員に迎えられ、同町の現状や地域振興に関する取り組みなどについて説明を受けた他、島留学生4名との交流や、西ノ島町在住のJICA海外協力隊経験者2名に国際協力の経験と地域での活動の関わりについてヒアリングなどを行った。

 続いて訪問した海士町でも、同町役場勤務でJICA国際協力コーディネーターの森田瞳子氏の協力のもと、同町在住の海外協力隊経験者2名へのヒアリングや、JICAが海外協力隊の派遣前訓練の一環として行っているグローカルプログラム実習生3名との意見交換、実際に行っているプログラム活動を体験した。

 今回の企画に参加した学生の一人で島根県出身の石橋日菜さんは「協力隊をされていた澤多加奈子さんのブータンでの体育指導の活動がとても面白かったし、海士町で現在おこなっているハウスマスターという仕事も初めて知った。子供や中高生と関わる仕事に元々興味があったので、もっと調べてみようと思った」とキャリアを考えるきっかけになったようだ。

 
 学生を引率した伊藤准教授は、「国際協力や国際開発と聞くと、スケールのすごく大きい活動というイメージを抱くことも多いかもしれませんが、地域課題に取り組んでいるということに変わりはない。地域といえば国内、国際といえば海外という意識になりがちですが、実際は両方に共通する部分やそれぞれから学ぶべきこともあると思う。今後も海士町や西ノ島町をじめ、島根県内のフィールドをお借りしつつ、地域と国際の両方の視点を学べる機会を学生に提供できれば」と今後の方針を述べた。なお、12月以降は浜田市にある世界こども美術館が行っているブータン王国の美術教育支援事業の活動に学生が参加し、画材の収集・寄付活動に取り組む予定とのこと。地域と国際、両方の取り組みが進みそうだ。

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