慶應義塾大学と東急不動産、渋谷に新研究拠点 スタートアップ・エコシステムの「SHIBUYAモデル」構築へ

 東急不動産と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)は、渋谷にスタートアップ・エコシステムに関する研究拠点を設置した。東急不動産が運営する「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)」と連携し、広域渋谷圏におけるスタートアップ支援や産業集積の実態を分析する。

 SDSは、2025年1月に渋谷サクラステージ内に開業した、ディープテック分野のスタートアップを支援するグローバルなコミュニティ拠点。今回の新拠点では、SDSを基盤に、スタートアップ、投資家、大企業、研究機関などの関係性を可視化し、渋谷発のスタートアップ・エコシステムの構造化を進める。

 研究では、社会ネットワーク分析、グラフ理論に基づく中心性分析、機械学習などのデータサイエンス手法を活用する。支援施策と資金調達、事業成長との関係を定量的に検証するほか、企業情報やインタビュー記録などの非構造化データについても、自然言語処理や深層学習を用いて、技術領域、成長課題、支援ニーズなどの抽出・分類を検討する。

 東急不動産は、渋谷駅から半径約2・5kmの「広域渋谷圏」をまちづくり戦略上の重点エリアと位置付けている。新産業や最先端事業の創出を通じた「価値創造力」の強化を目指し、スタートアップの成長支援、実証実験、企業連携などを進めてきた。

 KMDは、データサイエンス領域の学術研究成果を社会応用し、学術研究、政策提言、社会発信を進める。産学連携やアントレプレナー教育を通じた人材育成にも取り組み、実際のシード投資や社会実装にも関与することで、研究成果の社会還元を図る。

 両者はこれまでも竹芝地区で、コンテンツとテクノロジーが集積する国際ビジネス拠点づくりに取り組んできた。今回の渋谷での新拠点設置により、ディープテックを起点とした次世代産業の創出と、日本発のエコシステムモデル構築につなげられるかが注目される。

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