個別指導塾「TOMAS」などを展開するリソー教育の2016年2月期の連結売上高は7%増の200億円弱と、従来予想(4%増の195億円)を上回ったようだ。連結経常利益は、前の期比約8割増の18億円強だったようだ。従来予想(53%増の15億円)より増益幅が拡大する。富裕層を中心に難関校への進学需要を取り込み、入会生徒数が計画よりも伸びた。東京証券取引所は15年10月に「特設注意市場銘柄」の指定を解除した。今年3月から学習塾の新設も再開し、17年2月期は増収増益になりそうだ。
市進ホールディングス(HD)はネット配信による映像授業で、国語を強化している。国語強化策として、まず3月から中学校の国語の勉強をフォローするコンテンツの配信を始めた。「市進学院」の講師の中から選び出された優秀な国語の講師が20分、他社の教科書準拠教材を使って教える。主要な教科書に対応した内容だ。2020年度からの新大学入試では表現力や思考力がより重視されるため、教育ニーズが高まると判断した。
一般的に、国語は英語に比べ生徒が危機感を持ちづらい科目だとされる。国語の文章問題の勉強では、文中の要点をつかみ、隠れている答えを把握できているかがポイントとなる。映像授業で何か特別な指導をするわけではなく、問題を解きながら文章にマルを付けたり、線を引いたりする読解のコツを手ほどきする。
岐阜県内で東進ゼミナールを展開する株式会社東進(岐阜県美濃加茂市、飯田陸三社長)と、全国に生花を配達する花キューピット株式会社(東京・品川区、西家正純社長)は、塾を卒業していく生徒たちが、お母さん、お父さんに感謝の気持ちを花束に込めて贈る感動の動画を配信している。大学受験を終えて塾を卒業していく生徒のために開かれたパーティー。そこに集まった生徒たちに、〝花束をつくる〟というミッションが与えられた。
驚きを隠せない生徒たち。しかし、花キューピットのスタッフの指導のもと、生徒たちは見よう見まねで花束をつくり始める。用意されたのは「母への愛」を示すカーネーション。最初は戸惑いの表情を浮かべていた生徒たちも、お母さん、お父さんのために花を選びはじめると、やる気に満ちた表情を浮かべ、真剣な眼差しに変わった。花束に添える手紙も準備して、その瞬間を待つ。
一方、面談を理由に塾にやって来たお母さんとお父さん。待合室から呼び出されて面談をおこなうはずの教室に移動。しかし、ドアを開けるとそこには生徒たちが着席している。そして、ホワイトボードに大きく描かれた「卒業ありがとう」の文字の前にはわが子の姿。
何が起きているのか状況がわからぬまま、わが子のところに行くと、これまでの感謝を綴った手紙が読み上げられ、気持ちを込めてつくった花束が贈られた。
この日、東進ゼミナールのすべての校舎で同時におこなわれたこのイベントは、「最後の授業」として、「日頃からお世話になっている一番身近な人に〝感謝〟の気持ちを伝えることの大切さを知ってほしかった」と、東進の飯田裕紀取締役は話す。
感動の「最後の授業」の様子は、動画投稿サイトYouTubeで配信中。今年35周年を迎える東進では、新たな生徒紹介ツール『こうかんドリル』の開発・提供をはじめ、次世代の塾のあり方を提案している。今後は花キューピットとの取り組みを全国の学習塾にも広げていく。
沖縄受験ゼミナール(沖縄県那覇市、川満由美代表)は、今春からソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を那覇本校に導入した。沖縄県の塾では初のペッパー導入となる。ペッパーの導入により、最先端の技術に触れながら、リアルな人との関わり合いを追求する。同ゼミナールの運営母体である株式会社OESの西田・グループマネージャーは「沖縄は長期的にICT(情報技術)産業の振興に力を入れていることもあり、生徒が最先端技術に触れる機会をつくりたいと考えた」と導入の意図を話す。
3月18日に開かれた入塾式では、ペッパーが「僕は沖ゼミペッパーです。生徒の知的好奇心を刺激して将来の選択肢を広げてほしいという依頼を受け、フランスからやって来たんだ」と自己紹介。生徒は愛くるしい容姿の人型ロボットに歓声を上げた。
同塾では今後、生徒たちに日常的にロボットに触れさせて、最新の情報工学への興味を喚起し、多様な進路の存在を示すことで、医師・公務員といった収入が安定すると言われている職業に偏りがちな生徒の進路志望の幅を広げることによって、情報技術系の企業が集積しつつある沖縄の人材開発に寄与していきたいとしている。実際に地元企業と協働で、プログラミング教室なども企画する。
日常的には、来校者への応対をはじめ、生徒に対しても時間割や教室変更を案内できるよう、専用アプリの開発も進めている。また、ペッパーの導入に合わせて、机が整然と並べられた従来型の講師室を、全国の主要大学で設置が拡がるラーニング・コモンズを意識した雰囲気の空間へと大幅にリニューアルした。生徒が講師に気軽に質問することができるようにすることに加え、講師間のコミュニケーションを促進するねらいがある。この講師室のリニューアルとペッパーの導入を機に、塾への来校者数も昨年の春に比べて約2倍に増えているといい、講師同士のコミュニケーションの密度も以前に比べて濃くなっているという。
4月6日の日経MJに「スタディラボ、プロ講師の会員制塾、小中学生にキャリア教育、年150万円、有識者が講演」の見出しで、東京都豊島区の株式会社スタディラボ(地福武史社長)が、茗荷谷(東京・文京区)と武蔵小杉(川崎市)に開校した難関受験専門塾「elio(エリオ)」の記事が掲載された。
エリオは、小学生から中学生までを対象にした「会員制」の難関受験専門塾だ。年間の受講料は150万円程度と高額な上に、入塾を希望する子供の保護者と1カ月かけて面談し、教育方針が合えば会員となり入塾できるという門戸の高さ。
授業は、受験指導を中心に、韓国製のブロック知育玩具「IQ KEY」を用いたロボット教材による思考力を鍛えるプログラムや、医学、科学、ビジネスの3分野から有識者を招き定期的に講演会を開くことで、子供たちに将来のキャリアを考える機会を提供する。同社のアドバイザーで人工知能学会の会長の、松原仁・公立はこだて未来大学教授によるロボット工学の特別講義も受講できる。「大学入試改革など子供を取り巻く環境変化の下、従来型の塾では不安に感じる保護者らの需要を取り込む。」と、同記事ではエリオの特徴を伝えている。
また、学生のアルバイト講師は雇わず、全員が経験豊富な各分野のプロ講師であることも魅力のひとつだ。小学生は私立・国立の難関中学受験対策として少人数定員の教科指導に加え、リーダーシップや判断力など育むプログラムやネイティブ講師によるオンライン英会話のレッスンも提供する。キャリア教育では、子供の教育費に悩む家庭が多いため、保護者向けにファイナンシャルプランナーが教育資金についての相談に応じるほか、海外留学のノウハウや心理カウンセラーによる支援も提供するという。
スタディラボは、2015年8月に学習塾「栄光ゼミナール」を展開する旧栄光ホールディングス(現ZEホールディングス)出身の地福武史社長が設立。4月時点での生徒数は、2教室で70人と定員に達している。20年までに都心で10校舎まで増やす。
株式会社学研エデュケーショナル(東京・品川区、出口鯉一社長)と株式会社アーテック(大阪府八尾市、藤原悦社長)が手を組んで、この4月よりはじまるロボットプログラミング講座「もののしくみ研究室」の発表説明会を、4月に東京、名古屋、大阪の3会場で開催することを明らかにした。
同講座は、昨年9月の日本経済新聞の記事をはじめ、同10月には私塾界主催の「リーダーズフォーラム」で紹介されると、全国の学習塾や学校などから多くの反響を集め、今春から導入をはじめる企業も複数ある。今回の説明会では、この夏以降に導入を検討する企業に向け、講座の具体的な内容や、導入方法について説明する。
開催日は、4月14日(木)に名古屋市中村区椿町の名鉄グランドホテル、4月19日(火)に東京都千代田区のトラストシティカンファレンス・丸の内。4月26日(火)に大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で、それぞれ開催する。説明会への参加は、事前に申込書をダウンロードの上、FAXで学研エデュケーショナル申し込む。
「もののしくみ研究室」発表説明会に関する問い合わせは、電話で03-6431-1337(学研エデュケーショナル ICTスクール事業部)へ。
早稲田アカデミーは、3月23日に開催した取締役会で、古田信也専務取締役が4月1日付で代表取締役社長に就任することを決めたと発表した。瀧本司社長は取締役相談役に就任する。異動の理由は「新たな経営体制のもと、更なる業容拡大と企業価値の向上を目指していく」ためとしている。また、今回の発表で、山本豊取締役運営本部副本部長が、取締役運営本部長になることも明らかになった。
古田信也(ふるた・しんや)氏は、1962年、兵庫県出身。早稲田大学法学部を卒業後、88年に株式会社早稲田アカデミーに入社。93年に教務部長、98年に取締役教務部長就任。99年に取締役運営本部副本部長兼教務部長、2008年に株式会社野田学園代表取締役社長、株式会社早稲田アカデミーの常務取締役運営本部長兼教務部長に就任。13年に専務取締役運営本部長兼個別進学館ブロック長に就任。16年3月から専務取締役運営本部長に就いていた。同社の保有株式は4400株。
株式会社湘南ゼミナールは、3月8日、代表取締役社長が志賀明彦氏から福村賢一氏に交代したことを発表した。湘南ゼミナールは、神奈川県を中心に、東京都や埼玉県、千葉県を含む1都3県に約200校舎を展開し、売上高94億円(2015年実績)を計上。神奈川県下最難関の横浜翠嵐高校の合格者は、昨年は152人、今年は162人と7年連続で実績を伸ばしている。
福村氏は、東京学芸大附属・開成・早慶などの難関国私立高校をはじめ、横浜翠嵐・湘南など難関公立高校を志望する生徒を集める「SHOZEMIアルファ」の責任者を務め、一昨年8月から取締役に就任していた。新体制のもと、生徒の成績向上と志望校合格をひたすら追い求めていくとしている。
【訂正 2016年3月15日】福村氏のプロフィールに一部誤りがありました。誤「昨年8月から取締役に就任していた。」、正「一昨年8月から取締役に就任していた。」ここに訂正させていただきます。