Category: 塾ニュース

年内入試「面接必須化」に賛成7割 地域差と現場負担に課題も

 河合塾は15日、総合型・学校推薦型選抜(いわゆる年内入試)における面接必須化について、高校・大学教職員を対象に実施した緊急アンケートの結果を公表した。全体の約7割が賛成とする一方、地域によって意見に差が見られた。

 アンケートは、文部科学省が2028年度からの制度見直しとして面接必須化を検討しているとの報道を受け、4月3日から12日にかけて実施。全国の高校・中等教育学校、大学教職員196人が回答した。

 結果は、高校教職員の74%、大学教職員の66%が賛成と回答。志望動機や学習意欲などを多面的に評価するという、総合型・学校推薦型選抜の本来の趣旨に合致する点が支持理由として挙げられた。一方、反対意見も約3割に上り、とくに西日本で多く見られた。近畿地区では高校教職員の34%、大学教職員の58%が反対と回答しており、地域差が浮き彫りとなった。主な懸念は、面接実施に伴う学校側の負担増だ。

 河合塾教育研究開発本部 近藤治主席研究員は、現状でも多くの大学で面接は実施されているため、制度変更の影響は限定的としつつも、短時間で形式的に行われる面接の増加に懸念を示した。受験生の混乱を避けるためにも、丁寧な運用と十分な準備が求められるとしている。

 年内入試を巡っては、選抜の公平性や評価方法の在り方が議論されており、今回の面接必須化の動きが今後の入試制度にどのような影響を与えるか注目される。

千葉県内の高校で初導入 東京学館高、「7つの習慣J®」で主体性育成へ

 株式会社FCEは14日、同社が提供する教育プログラム「7つの習慣J®」が、東京学館高等学校(千葉県酒々井町)に2026年4月から導入されると発表した。千葉県内の高校での導入は今回が初めてとなる。「7つの習慣J®」は、7つの習慣をベースに中高生向けに体系化された教育プログラムで、主体性や協働性などの非認知能力の育成を目的とする。これまでに全国約100校で採用され、延べ36万人以上が受講している。同校では、日々の学習や部活動に取り組む姿勢は見られる一方で、目標設定や自己評価といった内面的成長を支える仕組みの強化が課題となっていた。こうした背景から、主体性や自律性を「行動習慣」として定着させる同プログラムの導入を決定した。

 東京学館高は「協働力」「思考力」「メタ認知力」など7つの力からなる独自の教育方針「7つのリソース」を掲げており、「7つの習慣J®」はこれらと高い親和性を持つ点も評価された。導入後は、高校1年生の「総合的な探究の時間」で活用し、主体的に学ぶ姿勢の育成を図る。同校の鈴木芳弘校長は「環境は変えられなくても自分の反応は変えられる。自ら目標を描き、行動を選択する力を育てたい」とコメント。今後は同プログラムを学校文化として定着させ、生徒主体の教育活動の深化を目指すとしている。

「自信」を数値化 全教研が独自診断導入、生徒の主体性育成へ

 株式会社全教研は14日、生徒の「自信」を数値化する独自ツール「自信度診断シート」を2026年度の新学期から導入すると発表した。学力向上だけでなく、自己肯定感や挑戦意欲といった“心の原動力”に着目し、個別最適な指導につなげる狙いだ。同社は北部九州を中心に81教室を展開する地域密着型の学習塾。受験競争の激化により、生徒が結果やできない点に意識を向けやすく、自信を失うケースが増えていることを背景に、「生徒が自信を持てる塾」を掲げた教育改革を進めている。

 新たに導入する「自信度診断シート」は、20の設問に対する4段階評価をもとに、生徒の状態を80点満点で数値化する仕組み。評価指標は「挑戦する自信」「努力できる自信」「自分を認める自信」「自分をコントロールする自信」の4項目で構成される。診断結果に応じて、スモールステップの学習設計や言語化による成長の可視化、コーチング型の声掛け、学習計画の伴走支援などを行う。同社の調査では、在塾生の約85%が「成果が見えることで自信がついた」と回答。日常的な声掛けや承認といったコミュニケーションも、自信形成に寄与していることが確認されたという。保護者からも「自ら机に向かうようになった」など、学習姿勢の変化を評価する声が寄せられている。同取り組みは、春期講習に参加していない小学生(4〜6年)および中学生を対象とした無料体験授業とあわせて実施。診断とフィードバックを通じて、生徒の内面的成長を可視化し、学力指標に加えた新たな評価軸として保護者にも共有する。

 全教研は今後、「自信度診断シート」を軸にした指導体制を強化し、生徒が自ら学び続ける力の育成を目指すとしている。

京進グループとLangGeniusが4月より協業開始

 株式会社京進 と、AI開発プラットフォーム「Dify」を手がける 株式会社LangGenius は4月、教育・介護分野におけるAI活用の推進に向けて協業を開始した。

 両社は、京進グループが展開する学習塾や介護施設などの現場にAIを導入し、業務効率化とサービス品質の向上を図る。具体的には、面談の音声を自動で文字起こし・分析・要約するツールや、社内マニュアルに基づき問い合わせ対応を自動化する仕組みの開発を進める。

 AI基盤には、プログラミング不要でAIツールを構築できる「Dify」の企業向けプランを採用。ログイン管理や操作履歴の記録などの機能を活用し、安全性を担保した運用体制を整える。加えて、LangGeniusによる技術支援や研修を通じて、現場スタッフが自らAIツールを開発・活用できる体制の構築も目指す。

 京進は学習塾や保育、語学、介護など幅広い事業を展開しており、グループ全体で約7,000人の従業員を抱える。今回の取り組みは、こうした現場に蓄積された運営ノウハウと、AI技術を組み合わせることで、教育・介護分野のデジタル化を加速させる狙いがある。

 両社は今後、現場での活用事例を拡大し、業務効率化と利用者へのサービス向上の両立を図るとともに、教育や介護業界全体へのAI活用の波及を目指すとしている。

DXハイスクール活用事例:愛知県立豊橋工科高等学校にてmonoDuki合同会社が機材選定・授業設計・デジタル人材育成講義を伴走支援

 monoDuki合同会社 は、DXハイスクール認定校である 愛知県立豊橋工科高等学校 に対し、デジタル人材育成に向けた伴走型支援を実施した。機材選定から授業設計、講義実施までを一体で支援する取り組みで、学校現場における教育DXの実践モデルとして注目される。

 支援は2026年3月に実施され、ロボット工学科の2年生約40人が対象となった。仮想現実(VR)技術を活用し、工場などの現場を疑似体験しながら課題を発見する「現場観察プロジェクト」を軸に授業を設計。3年次の課題研究に向けた基礎力の育成を狙いとした。

 機材面では、Meta Quest 3 を中心とした環境を整備。VR空間上での現場観察や、XR描画ツールを用いた体験を組み合わせることで、従来の座学や写真資料では得にくい立体的な理解を促した。授業では生徒が3人1組となり、操作・記録・分析の役割を分担しながら課題抽出と改善案の検討を行った。

 近年、DXハイスクールをはじめとする学校現場ではデジタル機材の導入が進む一方、授業への落とし込みや継続的な活用に課題を抱えるケースも多い。同社はこうした状況に対し、「機材ありきではなく学びから逆算する設計」を掲げ、学校ごとの教育方針や運用体制に応じた支援を提供している。

 現場からは、VRによって空間的な理解が深まり、生徒の発言の質が向上したとの声が上がっているほか、限られた回数しか実施できない工場見学を補完する手段としての有効性も評価されている。

 同校では今後、今回の取り組みを踏まえ、VR技術を活用した課題研究の高度化を進める方針。monoDukiは、教育現場の実情に即したデジタル人材育成支援を引き続き展開していくとしている。

高槻市、小中9年間の給食無償化を先行実施 新年度の給食が開始

 高槻市は4月10日、市立小中学校で2026年度の給食を開始した。同市はすでに、義務教育9年間にわたる給食費の恒久的無償化を実現しており、国の制度に先行した取り組みとして注目されている。

 国は2026年4月から公立小学校を対象に給食費の負担軽減策を実施するが、高槻市ではこれに先立ち、独自施策として無償化を段階的に導入。2022年度に中学校、2023年度に小学校へと拡大し、北摂地域で初めて小中9年間の給食無償化を達成した。

 この日の給食開始では、パンや牛乳、豚肉とマカロニのトマト煮などが提供され、各校で児童生徒が久しぶりの給食を楽しむ様子が見られた。教室では配膳やあいさつを行い、笑顔で食事をとる姿が広がった。

 市によると、中学校の生徒数は2026年4月時点で約7800人。無償化により、生徒1人あたり年間約7万円の負担軽減につながるという。

 同市はこれまでも子育て世帯への支援を重点施策として進めており、今回の取り組みも家計負担の軽減と教育環境の充実を図る狙いがある。今後も国の制度と並行しながら、独自の支援策を継続していく方針だ。

マイナビ、中学校向けキャリア教育を全国展開 1万人超が参加、出張授業の募集開始

 株式会社マイナビは、中学生向けキャリア教育の出張授業を全国で展開し、これまでに45都道府県・117校で実施、延べ1万293人が参加したと発表した。あわせて、2026年6月から10月にかけて実施する出張授業の開催校募集を開始した。

 同社は、NPO法人企業教育研究会と共同で、カードゲーム教材「カードゲームで学ぶキャリア図鑑」を開発。2024年7月から無償で出張授業を行っている。2027年までに全47都道府県での実施を目標とする。

 取り組みの背景には、若年層のキャリア意識の課題がある。同社の調査によると、大学1・2年生の約6割が将来の進路を明確に描けていない一方、進路が定まっている学生の多くは高校生段階でキャリアを意識していた。こうした状況を踏まえ、早期からのキャリア教育の重要性が高まっている。

 授業では、カードゲームやアニメーションを活用し、職種や業界の多様性、社会の仕組みを体験的に学ぶ構成とした。講師は各地域のマイナビ社員が務め、地元企業の事例を交えながら、仕事と地域社会の関係や産学官連携の考え方についても解説する。

 参加した生徒からは「楽しみながら職業を学べた」「将来について考えるきっかけになった」といった声が寄せられ、教員からも進路指導への活用を期待する意見が上がっている。

 同社は今後も、出張授業や職業体験イベントを通じて、中学生が主体的に将来のキャリアを考える機会の提供を継続する方針だ。

大阪経済大ラグビー部、西尾レントオールとスポンサー契約 関西大学Bリーグで初

 大阪経済大学体育会ラグビー部は、西尾レントオール株式会社とスポンサー契約を締結した。4月2日に発表会を行い、同社がユニフォームスポンサーとして支援する。関西大学ラグビーBリーグにおけるユニフォームスポンサー契約は初めて。

 契約の背景には、同大と同社のこれまでの関係性がある。就職・キャリア支援の分野で連携を深めてきた実績があり、同社には同大出身者が多数在籍している。こうしたつながりを踏まえ、クラブ活動支援の一環として契約が実現した。

 また、日本ラグビーフットボール協会が2025年度からユニフォームスポンサー制度を解禁したことも後押しとなった。同大は今回の契約を、ラグビー部の競技力向上と活動基盤強化につながる契機と位置付けている。

 発表会でスポーツ・文化センター長の明石光史氏は、選手を中心に大学や企業など多様な主体が支える「アスリートセンタード」の重要性に言及し、「今回の支援はチームの飛躍に向けた大きな契機になる」と述べた。

 西尾レントオールの富井孝昌氏は「学生に企業を知ってもらう機会としても意義がある」とし、競技と学業の両立を期待。ラグビー部の森岡良介監督は「支援への感謝とともに、期待に応える責任を感じている」と語った。

 共同主将の手崎大志選手と平原海人選手も、競技力と人間力の向上を掲げ、「結果と姿勢の両面で応えられるチームを目指す」と決意を示した。

 同大は今後、ラグビー部の強化と人材育成を進めるとともに、産学連携の取り組みを一層強化する方針だ。

複数ドローンで思考力育成 HDL、授業モデル公開 導入後の発展重視へ

 ドローン教育事業を手がけるHDL合同会社は4月10日、教育用ドローンCoDrone EDUを活用した学校向け授業モデル「複数ドローン授業〈ドローンショー発想〉」を公開した。ドローン教育において、導入時の体験にとどまらず、その後の学習の広がりを重視する新たな選択肢として提案する。

 同モデルは、複数のドローンの動きをブロック形式で設計し、シミュレーターで検証したうえで、Pythonコードとして実機に反映する一連の流れを体系化したもの。単体操作にとどまらず、動作の順序設計や役割分担、全体構成を考えるプロセスを通じて、論理的思考力や問題解決力の育成を狙う。

 学校現場ではドローン活用が広がる一方、「操作体験で終わる」といった課題も指摘されている。同社は、既存の導入校に対しては授業の高度化を、導入検討校に対しては継続的な学習展開を見据えた教材選定の重要性を訴える。

 また、教員向けマニュアルを整備し、授業設計から実施、振り返りまでを一体で支援する点も特徴とした。成果が動きとして可視化されるため、評価や発表活動にもつなげやすいという。

 同社は今後、ドローンを単なる体験教材にとどめず、継続的な学びへ発展させる教育モデルの普及を進める方針だ。

a.school 探究人材育成講座「探究PLAYers!」刷新 3講座体系へ再編、法人支援も本格化

 探究学習事業を手がける株式会社a.schoolは4月7日、探究ファシリテーター養成講座「探究PLAYers!」を全面リニューアルしたと発表した。新講座の開設と講座体系の再編により、受講者の多様なニーズに対応するとともに、法人向け支援を本格化する。

 新たに開設した「教養講座」は、探究学習を理論や他分野の知見から捉え直す単発型の講座。国際バカロレアやイエナプラン、デザイン思考、認知科学などをテーマに、平日夜に開催する。入門者から実践者まで幅広い層の参加を見込む。

 既存講座も見直し、基礎を学ぶ「入門講座」、現場での実践力を高める「実践講座」とあわせ、「入門・教養・実践」の3講座体系に再編。経験や関心に応じて段階的に学べる構成とした。

 同講座はこれまで5年間で累計250人以上が受講し、高い満足度を得てきた。一方で、教育現場では探究学習の重要性が高まる中、指導者の育成や組織への定着が課題となっている。

 こうした背景を踏まえ、同社は学校や民間教育事業者などを対象とした法人向け支援も強化。研修や組織開発支援を通じて、個人のスキル習得にとどまらず、組織全体に探究文化を根付かせる体制づくりを後押しする。

 探究学習の普及が進む中、人材育成と組織変革を一体で支援する取り組みとして注目されそうだ。