観光庁は10月31日、2016年の訪日外国人観光客が30日に2000万人を超えたと発表した。暦年ベースで2000万人の大台に乗せるのは初めて。中国、韓国、台湾などアジアからの訪日客が伸びをけん引し、地方を訪れる人も増えている。政府は20年に訪日客4000万人の目標を掲げる。宿泊施設の確保や、一時ほど振るわない消費の底上げなど課題はなお多い。訪日客は13年に初めて1000万人を超え、14年1341万人、15年1974万人と順調に拡大してきた。通年では2400万人程度に達する可能性がある。
総務省は10月26日、2015年国勢調査の確定値を公表した。外国人を含む総人口は15年10月1日時点で1億2709万4745人となり10年の前回調査から約96万人減少。国勢調査としては1920年の調査開始以来、初めて減少に転じた。75歳以上の人口は1612万人と総人口の「8人に1人」を占め、初めて14歳以下の子ども(1588万人)を上回った。
前回10年調査で初の減少に転じた日本人に限った人口は1億2428万人と107万人減少した。出生数が死亡数を下回る自然減が原因だ。一方、外国人労働者の増加などで日本に在住する外国人は10万人増の175万人と過去最高を更新した。総人口のうち男性は6184万1738人、女性は6525万3007人だった。
総人口の世界順位は10位で5年前と変わらなかったが、11位のメキシコとほぼ並んだ。10年から15年までに人口が減ったのは上位20カ国で日本だけだった。
大阪大学やパナソニック・富士通などは2017年度から産学官協同で、新たな省エネ半導体の実用化研究に乗り出す。ハイブリッド車(HV)や電子レンジなどの電気製品に組み込んで電気の流れを制御するパワー半導体で、20年以降の実用化を目指す。普及すれば国内全体の消費電力を1割減らせる見込みだ。温暖化ガスの排出削減にもつながり、環境省は地球温暖化対策の切り札にしたい考えだ。
11月に発効する温暖化対策の新枠組み「パリ協定」で、日本は温暖化ガスを30年に26%削減する目標を掲げる。開発したパワー半導体は従来型に比べ、電圧や電流の制御時の電気の損失を約4割低減できる。試算では国内のパワー半導体がすべて新型に置き換われば国内の消費電力を1割減らせる。これは原子力発電所4基分以上に相当する。