Category: 塾ニュース

小中の冷房設置、東京際立つ

文部科学省が5月に発表した公立小中学校での冷房の設置状況に関する調査によると、4月時点での設置率(教室数ベース)は29.9%で、前回調査時(2010年10月)より11ポイント増えた。都道府県別では東京(81.3%)が1位。豊かな財政力を背景に、10年度からはじめた独自の市町村向け補助が効果を上げ、他府県を引き離した。下位は北海道(1.7%)や青森(3.6%)など東北地方を中心に寒冷地が並んだが、中四国でも山口(12.7%)や愛媛(9.5%)など全国平均を大きく下回る県もあった。

日本版ムーク、2ヵ月で6万人

大学の講義をインターネットを介して無料で受講できる「MOOC(ムーク、大規模公開オンライン講座)」が今年4月、日本でもスタートした。開設2カ月で受講登録は約6万人に達し、運営者側は「まずまずの出足」と安堵する。今後、新たな高等教育の場として定着するには、より多くの大学の参加を促し、受講者の関心をひき付ける講義をどれだけ提供できるかが課題となる。

英語で授業、教員の15%  文科省調査

文部科学省の調査で6月18日、新学習指導要領で原則英語で行うとしている高校の「コミュニケーション英語1」の授業で、実際に英語で指導している教員は15%にとどまることが分かった。文科省は13年12月、全国の公立高校1年生に必修科目の「コミュニケーション英語I」を教える教員約1万人を対象に調査した。授業中に英語を使う割合について、「発言をおおむね英語で行っている」と回答した教員は全体の15%。「発言の半分以上を英語で行っている」も38%と少なく、「発言の半分以上が日本語」という教員が47%で最も多かった。

子育てしやすい県、1位は富山 2位福岡、3位に鳥取

タマホーム(東京都港区)が行った調査は5月下旬、インターネットで、結婚14年以下の既婚者2961人(女性20~39歳、男性20~49歳、都道府県各63人)に聞いた。それによると、住んでいる都道府県について、75%が「子育てしやすい」(『どちらかといえば』も含む)と回答し、ベスト3は、(1)富山県91.5%(2)福岡県91.1%(3)鳥取県91.0%だった。理由として、「公園など自然の遊び場が多い」(63.9%)、「大型ショッピング施設が近くにある」(40.3%)、「住民が優しい、温かいと感じる」(38.1%)、「幼稚園・保育所や託児所などが多い」(34.7%)など。

「教育サミット」 開催検討 再生会議提言へ

政府は、政財界や教育界の代表者を集めて教育改革の財源を議論する「教育サミット」(仮称)の創設に向けた検討を始めた。産官学が連携して財源確保に向けた国民的議論を起こすのが狙い。7月中にも安倍晋三首相に提出される教育再生実行会議の提言に盛り込まれる。サミットは国、都道府県知事、経済、教育界の有識者らで構成。開催時期、頻度など詳細は今後検討する。政府は将来に向けた人材育成の重要さと、そのための財源確保について世論を喚起する必要があると判断。教育サミットを開催し、国民の理解を求める方針だ。

改正法案、高知大人文学部教授会が反対声明

高知大人文学部教授会(吉尾寛学部長、92人)は6月18日、学長の権限強化を柱とした学校教育法と国立大学法人法の改正案について反対を決議し、声明を発表した。声明は「大学の自治と学問の自由が危機に陥る」と強い危機感を表明。「学長のリーダーシップをテコに一時的な『国策』に翻弄される恐れも考えられる」と訴えている。

卒業生が製造する地ビール 東洋大

東洋大学はクラフトビール「コエドビール」の協同商事(埼玉県川越市)と共同で、「東洋大地ビール」を販売している。製造とラベルのデザインを東洋大の卒業生が担当。ラベルを担当したのは東洋大卒業生の切り絵作家の百鬼丸さん。同大のお土産として1番人気を誇る。取り扱いは学内の売店とネットのみに限定している。
ネットの価格は6本セットで2571円(税込み)。

京都私塾連盟が「反転授業勉強会」を開催

6月11日、京都私塾連盟(松井博美会長)は、キャンパスプラザ京都にて「反転授業勉強会」を開催した。今回はここ数年で学校にも導入が進んでいるeラーニング教材「すららネット」を使った反転授業を取り入れている井上塾(京都府、井上淳代表)の導入事例を中心に、2時間に及ぶ勉強会が催された。

井上淳氏・井上塾塾長

井上淳氏・井上塾塾長

当日は京都のみならず、全国から120名を超える学習塾関係者が一同に集い、国内でも導入が進んでいる「反転授業」への関心の高さを伺うことが出来た。その他、学習塾 昴(鹿児島県、西村道子代表)が株式会社ゼッタリンクス(東京都、山田邦裕代表)、株式会社新興出版社啓林館(大阪府、佐藤徹哉代表)、株式会社教育情報サービス(宮崎県、荻野次信代表)と共同で実践している反転授業実践プロジェクトの事例報告もあり、最後まで熱気に溢れた学びの場となった。

全国津々浦々、120名にも及ぶ学習塾関係者が集う

全国津々浦々、120名にも及ぶ学習塾関係者が集まった

長崎県立大、学部学科再編へ

長崎県立大(佐世保市)は6月19日、現在の3学部7学科を5学部9学科に再編する、と発表した。2016年度の開設を予定し、来春に文部科学省に申請する。構想では、佐世保校(佐世保市川下町)にある経済学部(3学科)を経営学部(2学科)と地域創造学部(2学科)に、シーボルト校(長与町)にある国際情報学部(2学科)を国際社会学部(1学科)と情報システム学部(2学科)に再編する。シーボルト校の看護栄養学部(2学科)は現状維持とする。全体の定員(690人)は変えない。

「グローバル教育」をテーマに、日本の明日を考える2日間

一般社団法人日本教育者セミナー(JES)は、6月11日、12日の両日、グランフロント大阪(大阪市北区)にて「2014大阪大会」を開催した。「グローバル教育 未来を担う子供たちへ!」と題し、全国から教育業界の精鋭が一同に集い、最後まで飽きさせない学びの場となった。

日本教育者セミナーの会場の様子

日本教育者セミナーの会場の様子

本会を主催する日本教育者セミナー理事長の岡村寛三郎氏(兵庫県、岡村ゼミナール代表取締役会長)が開会の挨拶に立ち、「時代の変化が激しい時ほどビジネスチャンスが多い。このセミナーで学んだことを判断材料にして欲しい」と参加者に語りかけた。

開会の挨拶をする岡村寛三郎理事長

開会の挨拶をする岡村寛三郎理事長

第1講座では、グローバルリーダー育成スクール「IGS」代表の福原正大氏が「グローバル人材育成の最前線」をテーマに熱弁を振るった。スーパーグローバル大学の認定や、東京大学の推薦入試の実施、スーパーグローバルハイスクールによる高大接続、そして国際バカロレア(IB)認定校の拡大などについて言及しながら、これまでの教育の延長線上ではない教育改革が進むと指摘し、今までの知識偏重型の教育から大きく変わっていくだろうと解説した。

グローバル人材育成の最前線について語るIGSの福原正大代表

グローバル人材育成の最前線について語るIGSの福原正大代表

戦後日本の長きに渡る高度成長を支えてきた世界に誇るべき日本の教育は、全体の平均値を上げ、落ちこぼれを作らないもので、答はひとつ。それゆえ日本企業は一枚岩となり強さを発揮してきた。しかし時代が大きく転換した今、日本の中等教育が強みとする基礎知識のインプットに加え、新しい時代に必要なアウトプットが必要と力説した。
日本最高峰の東京大学は世界では23位。次ぐ京都大学は世界で52位である。東大、京大にしか辿り着けない受験勉強では、子どもの可能性を閉じているのではないかと疑問を呈し、世界の大学にも可能性を開くのがTOEFL iBTだと説いた。学部からの直接の進学でなくても、大学入学後の交換留学要件にも用いられ、たとえば慶応大学の交換留学の条件には120満点中80点以上必要とする留学先の大学名が並ぶ。就職活動が始まる前に帰国しようとすれば、大学1年生の9月までに80点以上が必要となる。このような状況からTOEFL iBT対応の学習プログラムを導入する中学高校が増えているという。

オンラインを活用した英語学習について講演するGGIの錦織彰代表

オンラインを活用した英語学習について講演するGGIの錦織彰代表

第2講座では、株式会社グローバルゲートインスティテュート代表の錦織彰氏が「オンラインを活用した英語学習」について自社サービスの内容を披露した。錦織氏は、4年前に韓国の公立小学校と中学校の英語教育を視察し、先生が英語で授業を行い、生徒がしっかり答える様子を目にした。英語力はもちろんのこと生徒の積極性を見て、これでは日本人は負けるなと感じたという。小中生対象のネイティブによるオンライン英語サービス「ネット留学MEET the WORLD」の開発には、英語教育においては日本の10年先15年先を進む韓国の企業と提携。14年春に全国約500教室で利用を開始した。
次に紹介した「e-Spire」は中高生を対象にしたTOEFL iBT対応学習プログラムで、120満点中100点を目指す。コンテンツはIGSが作成。全国の小中学校、学習塾が導入あるという。TOEFLは学生向けのテストで、中学高校生向けのJunior、高校生大学生向けのiBT、ITPがあり、この秋には小学生向けPrimaryがリリースされる。TOEICはビジネスや社会人向けで世界の中でも日本と韓国だけに受験者が多いことが特徴だ。最後に、この夏にリリースする中高生対象の「速読英語」についても紹介があった。単語を学びつつ速読スピードを高める学習ツールだ。

第3講座は、オンラインではなくリアルな場で展開する英語教育についてジャイロスコープ代表の桂次郎氏が、その取組みを披露した。
日立オーストラリア社長、日立アメリカ上級副社長等を歴任後、日本国内に英語公用語ゾーンをという論文で東洋経済新報社高橋亀吉賞を受賞。それを契機に早期退職し10年に起業。現在までハウステンボスを拠点に各種英語体験プログラムを展開している。基本思想はNTT。N/ネイティブ英語を、T/楽しく。T/体験するという。また、商店街で子どもたちがビンゴや宝探しをしながらボランティアの水兵さんと英語での会話を楽しむ米軍佐世保基地と長崎県佐世保市四ヶ町、ジャイロスコープとの3社共同プロジェクト「トモダチ・ハンティング」も実施。12年から年2回開催し今年で5回目を数える。他にも小学生から学生、ビジネスマンなど幅広い年齢層に対し、様々な英語学習プログラムを提供している。
2日目は株式会社船井総合研究所の島崎卓也氏が登壇。「学習塾業界、次の収益の柱を探る」と題した第4講座では、学童保育の最新動向、保育事業についての分析と可能性について語り、ワンストップ型英語保育モデル事業の成功事例を紹介した。

閉会の挨拶をするSRJの堀川直人代表

閉会の挨拶をするSRJの堀川直人代表

閉会の挨拶として株式会社SRJ代表の堀川直人氏が、「経営という立場で教育を見るが、教育者として考える2日間であった」と振り返り、「研修会参加後は意識が高いが、日常の現場でどう活かしていくか、それも新しいことをするのでなく、見直す機会として捉え、この研修で得た刺激を現場で活かして欲しい」と参加者にエールを送り、会を締めくくった。