農林水産省と財務省が2016年度当初予算で農地や水路などの農業インフラの整備に3800億円前後を計上する方向であることが分かった。15年度補正予算で計上する990億円と合わせて4800億円程度になる。環太平洋経済連携協定(TPP)に備え、農地集約を加速させて生産性向上を目指す。農業インフラでは農道や水路を整備して隣接する農地を集約したり、老朽化した配管を取り換えたりする。14年度補正と15年度当初の合計は3781億円で、農水省や自民党は1000億円超の上積みを目指していた。
文部科学省の中央教育審議会(中教審)は12月21日、教員が経験年数などに応じて身に付けるべき能力の目安となる「教員育成指標」の義務化などについて、馳浩文科相に答申した。答申は多くのベテラン教員が定年退職し、新人が大量に採用される現状を踏まえ、「教員の質や指導力を向上させるため、養成や採用、研修の一体的な改革を進めるべきだ」と指摘。各地の教育委員会と大学が連携して研修や養成を行う「教員育成協議会(仮称)」を新設し、「教員育成指標」を作成することを義務付けるよう求めた。
政府は12月21日、2016年度の公立小・中学校の教職員定数について、少人数指導などのために政策的に配置する「加配定数」を525人分増やすことを決めた。文部科学省は、いじめや不登校、外国人の子供への対応などの課題が山積しているとして、加配定数の増員を要求。財務省は厳しい財政状況や「少人数学級などは必ずしも子供の教育に効果が出ていない」などとして削減する方針を示していたが、馳浩文科相と麻生太郎財務相が21日に閣僚折衝を行い、合意した。16年度予算案に1兆5271億円を計上する。
中央教育審議会は12月21日、専門知識を持つ人や地域の人たちと協力する「チーム学校」について、馳浩・文部科学相に答申した。部活動を支援する「部活動指導員(仮称)」の制度化や、福祉の専門家スクールソーシャルワーカー(SSW)も学校に必要な職員として法令に盛り込む。文科省は今後、増員する考えだ。いずれも、早ければ来年度中にも学校職員として法令に位置づけられる。
政府は12月21日、子どもの貧困解消や児童虐待防止への政策パッケージをまとめた。児童扶養手当は来年8月分(12月支給)から支給額を引き上げる。現在、2人目の子ども分として月5千円、3人目以降は月3千円ずつ一律に支給されているが、所得に応じて最大で倍額を支給する。2人目は年収171万7千円未満であれば1万円、3人目以降は227万1千円未満であれば6千円を支給する。1人目の支給額は最大月4万2千円のまま据え置く。引き上げは2人目が36年ぶり、3人目以降が22年ぶり。
文科省予算案の総額は平成27年度比133億円減の5兆3216億円。いじめ・不登校対策としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの学校などへの配置を増やすため、27年度比8億円増の計57億円を確保。貧困家庭の多い中学への複数配置をそれぞれ400人増やすほか、不登校支援のため教育支援センター250カ所へのスクールカウンセラーの新規配置などに充てる。
予算編成の焦点となっていた教職員定数については、学校現場の課題に応じて政策的に配分する「加配定数」525人を増やすことで馳浩文科相と麻生太郎財務相が合意し、11億円を計上した。
政府は12月24日、2016年度予算案を閣議決定した。国の予算の基本的規模を示す一般会計の歳出総額は96兆7218億円と4年連続で過去最高を更新した。安倍晋三首相が掲げる「一億総活躍」の関連政策もあり、社会保障費が膨らむ。来年夏の参院選を控えて公共事業費を4年連続で増やすほか、中国の台頭を意識して外交・防衛費も手厚くする。税収は25年ぶりの高水準を見込むが、歳出の切り込みはほぼ手つかずで財政健全化に課題を残している。
千葉市は12月15日、地域限定で規制を緩和する国家戦略特区に指定された。企業や住宅が集積する幕張新都心で、ドローンを使った宅配サービスなどの実証実験に取り組む計画だ。同市の提案はドローンを活用した宅配サービスの実証実験が柱になっている。船橋市や市川市といった沿岸部の物流拠点から約10キロメートル圏内に位置する幕張新都心に、荷物を運ぶことを想定している。熊谷市長は「アマゾンや楽天などと話をしている」と述べ、複数の企業と議論を進めていることを明らかにした。
文部科学省の中央教育審議会の分科会は12月17日、いじめや不登校などの課題に教員だけでなく、外部人材が連携して対応する「チーム学校」を推進する答申案をまとめた。生徒指導や特別支援教育などの課題が複雑化し、教員だけでの解決が難しくなっていると指摘。臨床心理士のスクールカウンセラーや社会福祉士のスクールソーシャルワーカーを学校に必要な職員として法令上明確にし、増員を目指すとした。外部の競技経験者による「部活動指導員」の新設、ICTを使った授業などをサポートする支援員の拡充なども盛り込んだ。
政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)は12月18日、2016年度から5年間の科学技術政策の基本指針となる「第5期科学技術基本計画」を答申した。政府が投じる研究開発投資を国内総生産比1%、5年間の総額で約26兆円とすることなどを盛り込んだ。来年1月にも閣議決定する。科学技術基本計画は5年ごとに策定。5期目となる今期は、情報技術など複数の技術を組み合わせ、新たな製品やサービスを生み出すための研究「Society(ソサエティー)5.0」を重点的に進めることなどが柱。