Archive for: 10月 2015

新中学問題集を使った英語イマージョン授業のワークショップが開催される

THE SHIN-CHU-MONについて語る糸井幸男氏

THE SHIN-CHU-MONについて語る糸井幸男氏

開倫塾の林明夫塾長

開倫塾の林明夫塾長

ブライアン・ショウ氏

ブライアン・ショウ氏

映像をつかった授業を行うブライアン・ショウ氏

教育開発出版株式会社主催の「第一回私立中学・高等学校英語イマージョン教育ワークショップ」が、9月27日に東京・千代田区のステーションコンファレンス東京て開催された。このワークショップは、同社が開発、出版している新中学問題集(中学1年生・数学)の英語イマージョン版を使ったワークショップ。東京だけでなく、大阪や愛知などから多くの関係者が訪れ、期待の高さが伺えた。

ワークショップに先だって、同社常務取締役営業本部長の糸井幸男氏が、この教材の開発の目的について説明があった。現在、高大接続会議等で議論されているグローバル人材の育成に向けたものであり、世界で活躍する人材を育てていただきたいという同社の願いが込められていると言う。

次に、開倫塾の林明夫塾長が登壇し、英語イマージョン教育の実践について語り、開倫塾で行われている英語イマージョン授業を例に挙げ、この問題集の利用方法をアドバイスした。

林氏は、自身が海外の大学にいたときに、数学、理科、社会はせめて外国に行く前に英語で勉強しておかないと失礼だと言われたそうだ。そして、いまの日本の教育における英語の取り組みが、諸外国に比較して格段に遅れている現状を語り、「みなさんに日本の窮地を救ってもらいたい」と林氏は参加者に訴えた。

最後にブライアン・ショウ氏が、実際に同問題集のイマージョン版(THE SHIN-CHU-MON)を使った授業のワークショップを行った。ショウ氏は、国内SSHでのMATH IN ENGLISHの講師を務めるなど、英語教育現場における豊富な経験を持つ。授業はアクティブラーニング形式で行われ、参加者も大いに参考になったに違いない。また、ショウ氏は、この問題集は日本語版とリンクしているため、日本語版の学習を終えた高校生が使うのも有効的だと語った。

ショウ氏は、一部で映像による授業支援ツールを使った授業も行った。このツールは、教える側が直接英語を話さなくても、英語による授業が展開できるように設計されていた。しかし、これはまだ計画段階のもので、実証実験の反応を見たあと、リリースを決めることになっているそうだ。数学を英語で教える教員にとって、とても有効な教材であると思われるので、希望する学校や塾は多いのではないだろうか。来年には、同問題集の中学2、3年生向けのイマージョン版も提供を開始する予定だ。

小学生のスマホ利用、先生は高校生

スマートフォンを利用する子どもたちのトラブルが相次ぐなか、東京都教育委員会が、小学生向けにスマホの安全な使い方やマナーを指導する新たな授業「スマホミーティング」を始めた。先生役は高校生。子ども同士で教え、教わることでモラル向上の相乗効果を狙う初の試みだ。生徒は映像を使って、無料通信アプリLINE(ライン)の「既読無視」によるトラブル例や、知らない人から来たメールに応じた女子中学生が犯罪に巻き込まれた事件などを紹介。○×形式のクイズで使い方を尋ねた。

三重大レーモンドホール 国の登録文化財

「日本の近代主義建築の父」とされる建築家アントニン・レーモンド(1888~1976年)が設計を手がけた三重大学レーモンドホールは、三重大学キャンパスの南門の近くに建っている。戦後の木造モダニズムの先駆けとして国の登録有形文化財に指定されているが、昨年春に耐震改修した。照明や床タイルは設計図を参考に復元した。ホールは木造平屋建て約230平方メートル。南側は全面がガラス戸。外観はシンプルな切妻屋根だが、内部の柱や棟木、梁にはヒノキの丸太が多用され、装飾を排した簡素な造形美は木造モダニズム建築の出発点と評価される。

フリースクールの義務教育化、議員立法に期待 馳文科相

馳浩文部科学相は10月12日金沢市内での会合で、フリースクールなど学校以外の教育機会を義務教育として認める超党派の議員連盟による法案について、「文科相が先頭に立つわけにはいかないので、自民党や公明党、他党にもご理解いただき、なんとか次の国会で立法措置をいただいた上で、政府として支援する体制をとりたい」と述べた。馳氏は、超党派議連の座長として中心的な役割を果たした。一方で、文科相としては、現行の義務教育制度の当事者的立場でもあるため、議員立法に期待する姿勢を強調したとみられる。

生活保護162万世帯、最多更新 7月

厚生労働省は10月8日までに、全国で生活保護を受けている世帯は7月末時点で162万8905世帯となり、過去最多を更新したと発表した。これまで最多だった6月より2964世帯増えた。受給者数は前月比で2150人増え、216万5278人だった。世帯別(一時的な保護停止を除く)では65歳以上の高齢者世帯が79万8609世帯で全体の49.3%を占めた。働ける世帯を含む「その他の世帯」は27万3469世帯。1年前と比べると、その他の世帯や母子世帯は減少しているが、高齢者世帯は4万2799世帯増え、伸び率は5.7%だった。

追手門学院大に「笑学研究所」

追手門学院大学(大阪府茨木市)は10月8日、「笑学研究所」を設立すると発表した。「お笑い」を歴史や芸術、心理学の観点から研究、教育する。日本笑い学会を設立した井上宏・関西大名誉教授を所長に迎え、市民講座やシンポジウムを企画。来年春に学生向けの教養科目「笑学入門」も開講する。目標は「笑学部」への昇格だ。

中部大、500メートルの超伝導送電に成功

中部大学(愛知県春日井市)は10月6日、北海道石狩市にある実証実験施設で、電気抵抗ゼロで電気を送る500メートルの超伝導送電実験に成功したと発表した。合金をマイナス200度程度の超低温に冷やすことで電気抵抗がゼロになる「超伝導」現象を利用。合金の送電ケーブルを液体窒素で冷やし、電気を送る仕組みだ。
実証実験では、ケーブルを包む配管を2重にして外側と内側の間を真空にして液体窒素の温度上昇を防いだり、ケーブルをらせん状にして低温で切れにくくしたりすることで、500メートルの超伝導直流送電に成功。

馳文科相 前任の下村氏から事務引き継ぎ 

馳浩文部科学相は10月8日文科省内で、前任の下村博文氏から事務引き継ぎを受けた。引き継ぎでは、下村氏が「今まで文部科学行政を一緒にやってきた同志が次の大臣に来たことは非常にありがたい」と述べ、大学入学者選抜と高校教育、大学教育を一体とした「高大接続改革」など、自身が進めてきた重要政策について説明。ともに引継書に署名をした後、馳氏は「これからもよろしくお願いします」と語った。また、馳氏は職員へのあいさつで「今取り組んでいることが本当にいいのか自問自答しながら次に進みたい」と述べた。

TPP輸入関税、農水産品の半数撤廃

農林水産省は10月8日、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、幅広い農林水産品の関税をTPP発効後に撤廃すると発表した。輸入関税をかけている834品目のうち、約半数が対象になる。関税がなくなる農水産品には、オレンジ、トマトソース、銀ザケや牛タンなどなじみ深い食品も多い。価格が下がる食品が増え消費者に恩恵が及びそうだ。日本はTPP交渉で、コメや小麦などの「重要5品目」の関税を守り通したが、それ以外では多くの品目で関税撤廃に応じた。国内農家は輸入品との競争にさらされる可能性がある。

ノーベル文学賞 ベラルーシ女性作家、アレクシエービッチ氏

スウェーデン・アカデミーは10月8日、2015年のノーベル文学賞をベラルーシの作家でジャーナリストのスベトラーナ・アレクシエービッチ氏(67)に授与すると発表した。同アカデミーは授賞理由について「様々な人々の声を同時に響かせた、苦難と勇気の記念碑となる作品」と説明した。授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金は800万クローナ(約1億2000万円)。