Archive for: 6月 2016

私立高中退、経済的理由0.02% 無償化などで最低に

全国私立学校教職員組合連合は6月10日、2015年度に経済的理由で中退した私立高校の生徒は0・02%(47人)で、1998年度の調査開始以来、最低だったと発表した。国の高校無償化政策に加え、低所得者向けの給付金が全学年に広がったことが要因と同連合は分析している。全私立高の4分の1にあたる34都道府県303校(生徒数約26万人)から、3月末現在の回答を集計した。ピークの08年度は0・2%で、10分の1に減ったことになる。

英ロイヤルバレエ団、プリンシパルに日本人2人 平野さんと高田さん

英国のロイヤルバレエ団は6月10日、9月に始まるシーズンから、所属する平野亮一さん(32)と高田茜さん(26)の日本人ダンサー2人を主役級を演じる最高位のプリンシパルに昇格させると発表した。同バレエ団では1993年に熊川哲也さんがプリンシパルに昇格、95年には吉田都さんがプリンシパルとして移籍したが、日本人がプリンシパルになるのはそれ以来。今回はオーストラリア人と英国人のダンサー計2人も同時に昇格。

個性的な塾とは何か? 塾教育研究会30周年記念の会が開催

塾教育研究会(JKK)の「30周年記念の会」が、5月29日、中央大学駿河台記念館(東京・千代田区)にて開催された。

皆倉宣之代表

皆倉宣之代表

まず、「塾教育の過去・現在 そして未来への展望」をテーマに皆倉宣之代表が、基調講演をした。「塾の実態は、ものすごく複雑になってきている」と、皆倉代表は語る。また、「現在、個人事業のような塾は淘汰されてきており、チェーン塾のようなものが隆盛している。また、ICTの進歩によって、塾業界以外の業種が参入してきている」と分析する。そういった現況を背景に、ICTの利活用、塾と公教育、子供の貧困、世界情勢などを例に挙げ「これまでの塾ではとても生き残れない」と続けた。

参加者同士のディスカッションの時間も設けられた

参加者同士のディスカッションの時間も設けられた

続くパネルディスカッションでは、仲野十和田氏(ナカジュク代表)、金原伸充氏(秀峰スクール代表)、林マキコ氏(青藍学院教室長)、高田康太郎氏(株式会社keys代表取締役社長)の4人がパネリストとして登壇した。ナカジュクの飛鳥井郁枝氏と稲穂塾の平林一之氏がモデレーターを務め、「個性的な塾ってなに?」をテーマに、議論が繰り広げられた。
パネリストらによる、自塾の取り組みをはじめ、学校や会社の強みをお互いに議論する時間も設けられ、意義深い内容となった。

布浦万代副代表

布浦万代副代表

最後に、布浦万代副代表(ひびき)が、昨年7月にジュネーブにある国連欧州本部にて、「古代日本女性の社会進出と知的財産」をテーマに行った講演の報告をした。

布浦副代表は、万葉集に収められている6名の女性天皇の和歌にフォーカスして、女性天皇、あるいは当時の日本女性の活躍を講義し、「ハイテクの日本なのにも関わらず、歴史、文学といったものを非常に大事にしている。そのことに感銘を受けた方が多くいた」と述べた。

今年、創立30周年を迎えたJKKだが、創立当時とは社会状況が大きく変わり、塾を取り巻く環境も大きく変化した。皆倉代表は、講演の中で次のように語った。「塾というのは、学校教育から離れて何かをやろうとしても、親のニーズがなければ成り立たない。それを踏まえ、学校教育を越える教育というものはないのか、それがJKKがこれまで考えてきたことであり、これからも考えていきたいと思っている」と語り、「今後もJKKは新しい塾や新しい教育の在り方を見据えて活動していく」として、会を締めくくった。

ジカ熱病原体を短時間で検出 田中貴金属、世界初の試薬開発

TANAKAホールディングスは6月7日、貴金属製造子会社の田中貴金属工業が中南米で流行している「ジカ熱」の病原体(ジカウイルス)を血中から直接検出する試薬を世界で初めて開発したと発表した。検出にかかる時間は10~15分程度と短い。ジカ熱は2015年から流行しており、今夏にブラジルで開催するリオ五輪を契機に世界に感染が広がる懸念がある。新試薬をジカウイルスの感染拡大阻止に役立てる。

 これまでジカウイルスの抗体を簡単に検出する試薬はあったが、ウイルスそのものを検出できるものはなかった。ウイルス検出には特別な設備が必要で、時間も半日から1日程度かかっていた。新試薬には感染の早期発見、検出時間の短縮、コスト負担の軽減といった利点がある。

「スマホに不安」親の7割 有害サイトなど 「利用制限」3割

情報セキュリティー会社トレンドマイクロ(東京)の調査で6月7日、スマートフォンを持つ子供の保護者の7割以上がウイルス感染などセキュリティー面の不安を感じることが分かった。一方、家族間のルールとして「時間制限」している保護者は半数以上だったが、「利用するアプリやサービスを制限」しているのは34%にとどまった。調査は今年3月、スマホを持つ小学校高学年から高校生の保護者を対象にインターネット上で実施し、618人が回答。うち73%が利用になんらかの不安を感じていた。

子ども貧困対策団体に最大500万円 政府、新基金で支援

政府は6月7日、低所得者世帯の子どもを支援するための新たな基金の詳細を決めた。NPO法人などが手掛ける子どもの貧困対策に対し、1団体あたり最大500万円まで支援する。今月27日から支援を受けられる団体の公募を始め、今秋から支給する。

 支援の対象になるのはNPO法人や公益法人、ボランティア団体など。

夏のボーナス 8年ぶり高水準 大手平均92万円

経団連は6月7日、大手企業を対象とした2016年夏のボーナス(1次集計)の交渉結果をまとめた。平均妥結額は92万7415円と3.74%増え、8年ぶりの高水準。業績が改善した自動車や電力がけん引した。前年を上回るのは4年連続。円高・株安傾向が続く可能性もあり、来年以降も賃上げが進むか不透明な面もある。東証1部上場で従業員500人以上の大手企業、95社を調査した。夏のボーナスでは16年3月期決算などの実績を反映する企業が多い。

入社前の研修やバイト、学生に負担感 連合調査

入社前なのに内定した企業に研修やアルバイトへの参加を求められ、負担を感じる学生が出ていることが、連合のまとめでわかった。4月に調査して、5月31日発表した。2012年3月~15年3月卒の正社員で、内定者向け研修や資格取得、アルバイトなどに参加した559人に影響(複数回答)を聞いた。
「時間的な拘束が大きかった」が22・7%と多く、「卒業論文・研究に支障があった」が13・1%、「アルバイトに支障があった」が12・2%、「授業・ゼミ活動に支障があった」が11・3%で続く。

1日2万人利用、移動に「満足」8割 「バスタ新宿」開業1カ月

国土交通省は4月にJR新宿駅南口に新設した高速バス・タクシー乗り場「バスタ新宿」について、開業1カ月の利用状況をまとめた。1日の発着便数と平均利用客数は約1200便、約2万人に上る。行き先別では山梨・長野や富士山方面の利用客が多い。これまで19カ所に分散していた高速バス乗り場をバスタに集約した。以前は駅からバス乗り場まで最大14分かかった移動時間が1分に短縮されるなど、利便性が向上。利用者アンケートでは開業の前後で、移動について「満足」と「やや満足」が49%から81%に高まった。

体内時計の時刻、タンパク質の量から特定 理研

睡眠や覚醒のリズムを約24時間周期で生み出す「体内時計」の時刻を、体にあるタンパク質の量から特定できることを、理化学研究所生命システム研究センター(大阪府)のチームがマウスで明らかにし、5月30日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 時計のリズムが生まれる仕組みの解明につながると期待される。体内時計はホルモン分泌や睡眠などさまざまな生理機能に関わるとされ、将来は時差ぼけや睡眠障害の診断、治療に役立つ可能性がある