Archive for: 6月 2016

月刊私塾界2016年6月号(通巻422号)

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巻頭言

ヤマト運輸と地方路線バス会社間の業務提携が拡がりをみせる。一例を示す。
 昨年、ヤマト運輸は岩手県北バスと「客貨混載」事業を開始した。路線は、北上~盛岡~宮古~重茂半島と150キロ以上に及ぶ。この区間を、北上~盛岡~宮古間の「ヒトものバス」と、宮古~重茂半島間の「客貨混載」の二つに区分する。前者はバス後部を改造し、荷物をフォークリフトでパレットごと積み降ろしできるようにした。後者は、乗降口付近の座席を改造し、荷物を積めるようにした。前者におけるヤマト運輸のメリットは、トラック便を減らせることだ。朝晩は輸送する荷物は多いが、日中帯は二ケタ少ない個数となる。これに対し後者は、重茂半島担当セールス・ドライバー(SD)が、日中宮古営業所に戻る必要がなくなる。それにより、SDの重茂半島滞在時間が伸び、サービス向上へと繋がる。例えば、お年寄りがスーパーに頼んだ買い物を、SDが届けるついでに安否確認もする「まごころ宅急便」サービスに、より多くの時間を割けるようになる。その結果、扱う荷物の量が1・5倍に増えた。
 バス会社は収入が増え、特に廃止が進む過疎地のバス路線を存続できる。Win―Winの取組だ。
 国土交通省は過疎地の物流対策として、同じような事柄を掲げる。「貨客混載」だ。ヤマト運輸が提唱する「客貨混載」と順番が逆だ。ヤマトのヤマトたる所以である。
 是非、読者諸兄も知恵を絞り、八方良しの業務提携や商品開発に取り組んでもらいたい。

(如己 一)

目次

    【2016年6月号 目次原稿】

  • 6 CatchUp1 全教研
       日本と東南アジアのプログラミング教育を牽引する
  • 8 CatchUp2 日本漢字能力検定
       本部機能を京都祇園に移転し、更なる進化を展開する日本漢字能力検定
  • 10 CatchUp3 ショウイン
       自立学習をリードするショウイン式
  • 12 私の教育 本田由紀・東京大学大学院教育学研究科教授
       受けてきた教育から、教育を考えるように
  • 18 挑む大学 芝浦工業大学
       創立100周年に向け、さらなる飛躍を目指す
  • 22 Special Report
       第3回 アクティブラーニング・フォーラム
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 52 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 53【特集】
       最新塾教材目録2016
  • 68 HOT TOPICS・1  私学の未来を考えよう! ユーデック主催「夢・教育セミナー」
  • 70 HOT TOPICS・2 四国進学会と学進の係争に判決が下される
  • 72 HOT TOPICS・3 学生たちがブランドをデザインする『BranCo! 2015』
  • 74 HOT TOPICS・4 注目の「トビタテ!留学JAPAN」に迫る
  • 76【TOP LEADER】
      幼稚園から英語教育を推進する。
       GrapeCity & 学校法人 宮城明泉学園
  • 88 新しい塾のカタチ NPO法人アスイク
  • 92 挑む私学 宮城学院中学校高等学校
  • 94 短期集中連載「自立学習」を超えて!(4) 山田徹雄
  • 96 教育サービス業界 企業研究(44) 株式会社Sapiens Sapiens
  • 99 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(270)
  • 100 疾風の如く(83)ステップアップ塾(東京都)塾長 濱松 敏廣さん
  • 102 好機到来(14) 株式会社スタディラボ 代表 地福 武史さん
  • 104 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(37)
  • 106 白書界隈徘徊話(15) 西村克之
  • 108 自ら動き出すチームにする方法(21) 中谷彰宏
  • 110 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(35)
  • 111 芸術見聞録(34)
  • 112 高校生からの子育てハイウェイ(14)
  • 113 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 114 為田裕行の「教育ICT行」(14)
  • 116 塾ソムリエの講師研修指南 西村 則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(7)
  • 118 林明夫の「歩きながら考える」(130)
  • 120 咲かせよ桜(19) 小林哲夫
  • 124 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(38)
  • 126 論点2016(6) アクティブ・ラーニングと教員養成
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

高専でサイバー防衛教育

サイバー攻撃に対処できる情報セキュリティー人材を育成するため、国立高等専門学校機構が51校ある国立高等専門学校(高専)を5つのブロックに分け、それぞれ指定した「拠点校」を中心に実践的なセキュリティー技術の教育に乗り出すことが分かった。拠点校になるのは一関(岩手)、木更津(千葉)、石川、高知、佐世保(長崎)の各高専。この5校で教材を作成し、講習会やセキュリティー技術を競う競技会を開催。ブロック内の高専教師が参加し、自校に持ち帰って授業に生かし、全体のレベル底上げを目指す。

貧困の子を救う拠点 日本財団、50億円で100カ所設置

日本財団は5月23日、貧困家庭の子供に学習や食事を提供する拠点を、今後5年間で全国に100カ所設置するプロジェクトを始めると発表した。プロジェクトには50億円を拠出し、第1号拠点を今年11月に埼玉県戸田市に開設する。主に小学校を通じて利用者を募り、3~10歳児を20人程度受け入れる。東京のNPO法人のスタッフやボランティアが学習支援にあたる。必要に応じて病院や児童相談所、福祉事務所などの機関につなげる役割も果たすという。成果を長期的に検証し、貧困の連鎖の解決につながるモデルをつくりたい考えだ。